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2017年9月 7日
「宇宙服」といっても、いろいろな種類があります。
まず、ソユーズ宇宙船に乗っているときに着るのは「ソコル宇宙服」といいます。見た目はまるで宇宙人ですが、宇宙船に不具合があった場合に、宇宙飛行士の生命を守るための与圧服です。
「与圧」というのは、圧力を与えるということ。宇宙船の内部は、地球上と同じ1気圧に保たれていますが、万一、穴が開いたりして空気漏れが起こっても、この「ソコル宇宙服」の中に自動的に酸素が満たされ、宇宙飛行士は、宇宙船の操縦を続けることができます。
宇宙船の中で火災が起こった場合には、わざと宇宙船の中の空気を抜いて火を消し止めます(空気がないところでは、火は燃え続けることができません)が、それも、宇宙飛行士が「ソコル宇宙服」で守られているからできる処置です。
船外活動(EVA)といって、国際宇宙ステーションの外に出て作業をする際に着るのも「宇宙服」です。
この船外活動のための宇宙服は、アメリカ製のものと、ロシア製のものがあり、アメリカ製のものは「EMU(イー・エム・ユー)スーツ」、ロシア製のものは「オーラン・スーツ」と呼ばれます。
いずれの宇宙服も、宇宙飛行士の生命を守るために、酸素タンクやバッテリーを内蔵しており、自律的に宇宙空間で活動することができます。宇宙飛行士は、チューブが張り巡らされた「冷却下着」を身につけ、体を冷やしながら作業を行います。
アメリカ製の「EMUスーツ」は、ヘルメット・上半身・下半身にパーツが分かれており、あたかも服を着るように装着するので、誰か別の宇宙飛行士に着替えを手伝ってもらわないといけませんし、準備に時間もかかります。
一方、ロシア製の「オーラン・スーツ」は、背中の部分にドアがついており、宇宙飛行士はスーツの中に身を潜り込ませるだけで、着用完了です。自分で、手元のレバーを引っ張って、背中のドアを閉めることができます。
「EMUスーツ」も「オーラン・スーツ」も、宇宙服の中は、100%酸素を使って、1気圧よりも低い圧力に保たれています(国際宇宙ステーションの内部は、空気、つまり21%の酸素濃度で、1気圧に保たれています)。
これは、宇宙服を1気圧にしてしまうと、風船のようにパンパンに膨らんでしまい、手や関節を曲げることさえできなくなってしまうからです。
「EMUスーツ」と比べると「オーラン・スーツ」の方が、やや圧力が高く(0.4気圧くらい)、宇宙服を着たときにゴワゴワして作業するのに体力を使いますが、船外活動に先立って潜水病になるのを防ぐために行う準備は短くて済みます。「EMUスーツ」は、反対に、圧力が低め(0.3気圧くらい)で、作業性はやや良いですが、潜水病予防のため、長い時間をかけて準備をしないといけません。
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