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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

宇宙の一週間(仕事スケジュール)

2018年8月29日

「宇宙では、土日の休みはあるんですか?」という質問を受けることがあります。
このブログをわざわざ読んでくださっている宇宙好きの読者のみなさんは、すでにご存じかもしれませんが、宇宙ステーションでは、月曜日から金曜日までの平日が勤務日で、土曜日は半日だけ仕事があり(土曜日に仕事がないときもあります)、日曜日はまるまる休養日です。

地上での勤務時間は、一日だいたい8時間で、昼休みの約1時間を加えて、仕事が始まってから終わるまで、9時間くらいですが、宇宙ステーションでは、朝の7時くらいに世界各国の管制センターと合同での「朝のデイリー・カンファレンス」で、その日の予定に関して打合せをするところから仕事が始まり、夕方の7時くらいに「夜のデイリー・カンファレンス」で、その日の仕事内容や翌日の予定に関する質問をすることで、一日の作業が終わります。
仕事が始まってから終わるまで、だいたい12時間くらいですが、昼休みに加えて、毎日の体力トレーニングが2時間半ありますので、純粋な「仕事時間」としては、だいたい地上での仕事と変わりありません。通勤時間がない分、むしろ地上勤務よりラクかもしれません。
地上の管制センターから「残業」を命じられることは、船外活動が長引くなど、よっぽど特別なことがなければありません。

夕方の19時から翌朝の7時までの自由時間の使い方は人それぞれです。地上とのカンファレンスを終えて、夕食を食べ終わたら、人それぞれに、家族に電話やメールをしたり、「キューポラ」と名付けられた宇宙ステーションの窓から地球を眺めたり、あるいは軌道上のサーバーに保管された映画やテレビの録画を楽しむこともできます。
もっとも、日々の仕事のスケジュールがキツキツに詰まっているので、夜間に1〜2時間くらいの時間を使って、翌日の仕事の準備を行っています。作業に必要な道具や予備の部品を集めておいたり、手順書の内容を勉強したり。何の準備もないまま一日の作業を始めると、とても予定の時間では終わりませんので、前日の予習はとても大切です。

さきほど、地上の管制センターから命じられる「残業」はない・・・と書きましたが、通常の業務時間外に、クルーが自主的に仕事を行うこともでき、これは「タスクリスト」と呼ばれます。
「通常の業務時間にはスケジュールできないけれど、やって欲しいなぁ〜」という、作業リストが常に用意されており、例えば予定されていた作業が早く終わってしまったときや、週末の空き時間などに余力があれば、この「タスクリスト」に載っている仕事を、クルーが自主的に行うのです。
たとえば、輸送宇宙船の貨物を降ろして整理したり、船外活動で使うツールに異常がないか確認したりするなど、緊急性がなくて、管制センターのサポートがなくても宇宙飛行士が単独でできるような単純作業が、「タスクリスト」の良い候補です。

宇宙ステーションで成果を上げるために一番必要なのは宇宙飛行士の労働時間(「クルータイム」と呼ばれます)です。
ミッションのスケジュールを決める「プランナー」が、どんなに効率的な計画を立てても、勤務時間は朝の7時から夕方の7時までと決められていますので、その中でセットできる作業量には限界があります。
個々のクルーメンバーによって考え方は違いますが、わたしはスキマ時間を見つけてはせっせと「タスクリスト」をこなして、できる限り多くの作業をするようにしていました。



 
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