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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

飛べ、こうのとり7号機!

2018年9月12日

天候の影響による打上げ延期が続いていますが、安全・確実が第一ですから、晴れ渡った種子島に飛び立つH2Bロケットの雄姿を想像しながら待つことにします。
今回のこうのとり7号機のミッションについては、プレスキットとして詳しい説明が発表されていますが、簡単に復習しておきましょう。

今回のこうのとり7号機が運ぶのは、船内・船外の貨物を合わせて合計で約6.2トン!
宇宙船自体の重さもあり、打上げ時の重さは約16.6トンもあるそうです。それだけのものを宇宙に打ち上げるH2Bロケットもスゴイもんです。

こうのとりの運ぶ貨物の中でも大きなのは、NASAとESA(ヨーロッパ宇宙機関)の実験ラックが、なんと4台!宇宙ステーション標準規格の「実験ラック」を運ぶことができる補給宇宙船は「こうのとり」だけですので、これは大きな国際貢献です。

また、曝露部と呼ばれる与圧されていない貨物としては、日本製の新型バッテリーが運ばれます。
宇宙ステーションの電力は巨大な太陽電池パネルで作られますが、夜間、太陽の光が当たらない時間は、バッテリーに蓄えられた電力を使って宇宙実験などを行います。宇宙ステーションは建設開始から20年近くが経過しており、これまで使ってきたバッテリーも老朽化しています。これを代替するための新型バッテリーを運ぶために、JAXAは専用の曝露パレットを開発し、こうのとり6号機〜9号機までの4回のミッションで、宇宙ステーションのすべてのバッテリーを交換することになっています。
「こうのとり」で運ばれた新型バッテリーは、宇宙ステーションのカナダアーム2と、宇宙飛行士の船外活動によって所定の位置に取り付けられます。そして古いバッテリーの一部は、逆に「こうのとり」の曝露パレットに取り付けられて、宇宙ステーションから廃棄されることになっています。

この「廃棄」は、実は補給宇宙船の大事な役割の一つです。宇宙ステーションでたくさん出る「ゴミ」は、勝手に宇宙空間に捨てることはできず、宇宙ステーションを離れる補給船に載せて、大気圏に突入させて焼却処分しなければいけません。
6トン以上の貨物を輸送できる大きな「こうのとり」は、その分だけ、大量の廃棄物を処理することができるのです。
20年にも渡って継続的に運用を行っている宇宙ステーションは、万が一のための必要物資や予備の部品など、たくさんのモノがあふれるほどですし、宇宙実験や宇宙飛行士が生活をすることで出るゴミもたくさんありますので、「モノを廃棄できる能力がどれくらいあるか」・・・というのが、実はとても大事な能力なのです。唯一、国際宇宙ステーションの標準実験ラックを持ち込む能力のある「こうのとり」は、逆に、不要になった古い「実験ラック」を廃棄することのできる、唯一の補給宇宙船でもあります。

また、今回は、輸送した物資に積み替えた廃棄物だけでなく、小型の回収カプセルを搭載していて、宇宙ステーションから、実験サンプルなどの日本独自の回収にも挑戦します。宇宙ステーションから貴重な実験サンプルなどを、他国の輸送手段に頼らずに回収することができるというのは、とても有益なのですが、なによりもこの回収技術は、将来の有人宇宙船の地上への帰還を検討する上でも、貴重なデータを提供してくれるはずです。



 
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