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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

宇宙式・エクササイズバイク

2018年8月22日

(出典:JAXA)

人それぞれで色々なトレーニング方法はあるかと思いますが、わたしは、元・自衛官なので、「体を鍛えることの基本は駆け足」というマインドセットがあります。
でも、前回ご紹介したように、宇宙ステーションのランニングマシンは、地上のものとは違って、同じように快適に走れるものではなかったので、どちらかというと自転車漕ぎを行う「エクササイズバイク」の運動のほうが好みでした。

こちらが、宇宙ステーションの「エクササイズバイク」。足元の白いボックスに、自転車漕ぎのためのペダルが付いています。無重力環境なので、地上の自転車のようなサドルはなく、常に「立ち漕ぎ」状態です。
何の支えのないままペダルを漕ぐのは体のバランスをとるのが難しいので、写真の中の古川飛行士のように、「エクササイズバイク」が備え付けられいるフレームの手すりを握って、体を安定させて自転車漕ぎを行います。

ここで、体を安定させるために、どこを握るかというのは、実はとっても大切です。
エクササイズバイクが設置されているフレームは、バネを使った特別な仕組みで宇宙ステーションの構造体に繋がっており、一生懸命バイクを漕いでも、その振動が宇宙ステーションに伝わらないようになっています。
もしこのフレームが宇宙ステーションの構造体に完全に固定されていたり、あるいは運動を行う宇宙飛行士が、宇宙ステーションと直接つながっている手すりなどを掴みながら運動を行ってしまうと、ペダルを漕ぐ振動が、宇宙ステーション全体を揺らすことになってしまいます。

「あんな大きな宇宙ステーションなんだから、人間の運動くらい、どうってことないんじゃない?」と思われるかもしれませんが、微小重力環境がキモとなる精密な宇宙実験のためには、エクササイズによる振動は、けっこうな問題事項です。
実験によっては、独自にアイソレーターという仕組みを備えて、宇宙ステーションの構造体からの振動を実験機器に伝わらないようにしたり、クルーが寝静まる夜間にだけ実験を行ったりすることもあります。



 
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