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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

L-5:メディア公開日

2017年12月12日

(出典:JAXA)

これもロシアの有人宇宙開発の伝統と言えばそうなのかもしれませんが、打上げを待つ「隔離期間」に、宇宙飛行士がどのような生活をしているかを、メディア公開する日が設けられています。

メディカルチェックを受けて許可を得ているインストラクターやエンジニアたちとだけの、閉鎖環境での共同生活なので、普段はジャージ姿のような気軽な恰好で活動していますが、テレビやカメラが入る「メディア公開日」は、バッチリとブルースーツに身を包んで教室に向かいます。

いつもわれわれと同じようにラフな格好で過ごしているインストラクターたちも、珍しく、ガガーリン宇宙飛行士訓練センターの制服姿で、2割増しくらい男前に見えます。
カメラの前で緊張するかとも思いましたが、いつものように手順書の読み合わせが始まってしまうと、本番の宇宙飛行に向けての打合せに集中してしまい、すっかり周囲のことを忘れてしまいました。

引き続いての訓練風景の撮影は、コンピューターを使ったマニュアルドッキングの訓練。普段は船長だけが行っているものですが、今日はブルースーツに身を包んだ3人で一緒に体験。といっても、宇宙船を操作するのは船長。船長補佐(左席)のティングル飛行士がコンピューター画面をチェックしながら、少しだけシュカプレロフ船長のサポートに入っていましたが、右席のわたしはただ訓練の進行を見守るだけで、もっぱら2人の心理的サポート(応援)の役でした。

訓練公開が終わると、引き続いて、「余暇を楽しむ宇宙飛行士の様子」の撮影です。
宿舎の一角に、ビリヤードや卓球台の設置されている「レクリエーション・エリア」があり、普段は、われわれと一緒に隔離生活をしているインストラクターやエンジニアなどのサポートスタッフが仕事の息抜きをするのに使っている場所です。
広報担当者にうながされて、プライム/バックアップの宇宙飛行士6人が、交代でビリヤードの球を突いたり、卓球のラリーをしたり。
われわれ宇宙飛行士も、暇があれば、お世話になっている教官たちと卓球などを楽しむこともなくはないのですが、「でも、ブルースーツで・・・ってのはないよね〜」と、必ず誰かがジョークを飛ばすように、ブルースーツ姿で余暇を過ごす様子は、ちょっと、いやかなり不自然です。

打上げ直前のメディア公開のときには、必ずこの「余暇の風景」を撮影することになっているのですが、かたくなに習慣を変えないところは、いかにもロシア風のスタイルな気がします。

一つだけ残念なのは、宇宙飛行を記念する植樹を行うセレモニーがなかったこと。冬の打上げなので、地面が凍っていて、木を植えることができないのだそうです。
ユーリ・ガガーリン飛行士や、日本人として初めて宇宙飛行を行った秋山豊寛さんといった、偉大な先人の記念樹を並んで、わたしの名札が付いた木が植わるのは、また後日の機会となりました。

(出典:JAXA)

記念植樹は行いませんでしたが、小さなソユーズロケットの模型の前で、ミニ・インタビュー。寒い中ご参加いただいた記者のみなさんには感謝です。



 
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