このページは、過去に公開された情報のアーカイブページです。

<免責事項> リンク切れや古い情報が含まれている可能性があります。また、現在のWebブラウザーでは⼀部が機能しない可能性があります。
最新情報については、https://humans-in-space.jaxa.jp/ のページをご覧ください。

サイトマップ

宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センター宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センタートップページ
  • Menu01
  • Menu02
  • Menu03
  • Menu04
  • Menu05
  • Menu06
  • Menu07

JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

宇宙での写真撮影

2017年10月18日

宇宙ステーションで写真を撮るのも、重要な仕事の一つです。

例えば、地球表面の様子を宇宙から撮影するのは、地質学や気象学など自然科学の研究の上で重要な資料となります。
また、宇宙船のドッキングやランデブーに際しては、宇宙ステーションの中からカメラやビデオによる撮影を行い、それを地上の専門家が分析することによって、異常の有無を確認して、安全を守っています。
さらには、船内で行っている、さまざまな宇宙実験の進行状況や、ときには実験結果そのものを、宇宙飛行士がカメラで撮影して、科学者にお届けすることもあります。
宇宙ステーションでの保守点検作業や故障の修理においても、どんな状況なのか、地上の管制官と情報を共有するためには、カメラやビデオによる画像に勝るものはありません。

このため、宇宙ステーションには、プロのカメラマンが使用するような最高級のカメラ・ビデオの機材が、多数備えられています(ちなみに日本製です)。
写真撮影が趣味という人には、これ以上にない最高の環境かもしれませんが、わたしのように、カメラといえば電源を入れてシャッターを切るだけの全自動カメラか、携帯に内蔵されているカメラくらいしか使ったことのない者には、結構ハードルの高い挑戦です。

そんな、「カメラ慣れしていない」宇宙飛行士訓練の一環で、インストラクターについて、カメラのセッティングの仕方から、手取り足取り教わる訓練機会もありました。
レンズの選び方、シャッタースピードやレンズの絞りの設定の仕方など、本当に基本的な部分から教わるのですが、普段、カメラを扱わない自分には、なかなか難しい訓練の一つでした。・・・というか、訓練を終えた今でも、状況に応じた適切なカメラ設定を行うことは難しいと感じています。

幸いなことに、わたしのような宇宙飛行士でも、ミッション遂行のために必要とされる最低限の写真撮影のために、手順書が用意されていています。例えば、「夜間に地上の都市の明かりを撮影するには、これこれこういう設定を行うべし」とか、「宇宙船のドッキングのときには、このような設定で撮影せよ」とかいった、虎の巻です。

でも、すごいスピードで眼前を動いていく地上の目標物を超望遠レンズを撮影したり、実験ラックの深い奥底に設置されている小さなピンにうまく焦点を合わせてキレイな写真を撮影しないといけなかったりと、テクニックや工夫を要するような撮影要求もたくさんあると聞いています。

油井飛行士や大西飛行士からのアドバイスは、「とにかく、たくさん写真を撮ること」。何百枚も撮影して、みなさんにお見せできるような良いものが1枚あれば良いくらい・・・とか。
なかなかカメラの道は奥が深く、険しいものです。

(出典:JAXA)

ISSから撮影された日本の夜景とプログレス補給船(奥)とソユーズ宇宙船(手前)、大西宇宙飛行士による撮影。この素晴らしい写真も、何回もの失敗を経て撮影されたものなのかもしれません。



 
Copyright 2007 Japan Aerospace Exploration Agency SNS運用方針 | サイトポリシー・利用規約