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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

宇宙食事情、ご飯の準備

2017年9月19日

宇宙食は、製造する国によってメニューは異なりますが、大きく分類して、「缶詰」、「水(またはお湯)を加えて調理するもの」、「そのまま食べるもの」があります。

「缶詰」は、まさにそのモノ。近所のスーパーに行けば、誰でも、いろいろな種類から選んで購入することができます。実際に宇宙食として認証されるには、色々と基準があったり審査の手間がかかるのですが、宇宙で食べても、地上で食べても、味に違いはありません。ロシアの宇宙飛行士に「サバの味噌煮」が人気という話がありますが、ロシアの宇宙食は、この缶詰タイプが多くあります。
宇宙ステーションには、宇宙食を温めるための電熱ヒーターが備え付けられており、缶詰も温めて食べることができます。缶詰を温めるのも、宇宙では立派な「調理法」ですね。

「水やお湯を加えて調理」する、フリーズドライの宇宙食もポピュラーです。どちらかというと、アメリカの宇宙食に多いタイプかもしれません。
スーパーではなかなかお目にかかることはないかもしれませんが、例えばキャンプのための食事など、お湯を加えるだけで食べられるようになって一般にも流通しています。メニューは、肉料理、スープ、パスタなど多彩で、味も結構おいしいと思います。
宇宙ステーションには、宇宙食を準備するための、給湯器(給水器)が備え付けられています。飲料水は、細菌が繁殖しないように、ヨードで消毒された状態で貯蔵されていますが、そのまま飲むと美味しくないので給湯器(給水器)でヨード成分を取り除いて、純粋な水だけを食事や飲料水として利用します。

飲み物といえば、コーヒー、紅茶、緑茶、フルーツジュース、牛乳なども、1杯ずつ粉末状のパックになっていて、お湯や水を加えて飲むことができます。お湯は、十分温かい(というか熱い)ものが入手できますが、水については室温と同じ温度で出てきます。キンキンに冷えたお茶やジュースは、残念ながら飲むことはできません。

最後に「そのまま食べるもの」ですが、常温で保存できるものは、そのままパックされて宇宙で食べることができます。
例えば、おやつのシリアルバーやチョコレート菓子などがそうです。そういえば最近、某有名米菓が宇宙日本食として認証されましたね。
フルーツやヨーグルトも滅菌パックに入っていて封を切れば、そのまま食べることができます。
変わったところでは、メキシコ料理でよく食べる「トルティーヤ」は、パンの代わりに多くの宇宙飛行士が好んで食べます。食べ飽きてしまった料理や、誰も食べたがらない不人気のメニューも、トルティーヤにはさんで、ケチャップやマスタードなどの調味料を振りかければ、おいしく(?)食べることができると、先輩宇宙飛行士からは聞いています。

このほかに、補給宇宙船が宇宙ステーションにやってきたときだけですが、貨物と一緒に届く生鮮食品を食べることができます。保存のきかない新鮮な野菜や果物は、どんな宇宙食よりも貴重で、おいしいものです。



 
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