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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

L-9:第一回目フィットチェック(宇宙船の確認)

2017年12月 8日

(出典:JAXA)

バイコヌール宇宙基地に到着してからの一番の大仕事は、「フィットチェック」と呼ばれる、宇宙船の確認作業です。
われわれの搭乗するソユーズ宇宙船は、すでに打上げのための整備が終わっていて、いつでもロケットに載せることができる状態になっています。この宇宙船の準備状況を、実際に操縦を行う宇宙飛行士が直接確認するのが、「フィットチェック」です。

組み立て工場に到着して、すぐにそのまま身軽なブルースーツ姿で、宇宙船に乗り込みます。
自分たちの搭乗する宇宙船との初めての対面。「おお〜これがMS-07号機かぁ」と、テンションが上がります。
さまざまな貨物を積み込むことになる「居住モジュール」と、3人の宇宙飛行士の操縦席が備わった「帰還モジュール」の内部を、手順書を見ながら確認しました。
バルブやスイッチの位置や、さまざまな機器に配管がきちんとつながっているかどうか、キャップがしめられているか、必要な道具が収納されているかなど、宇宙飛行経験のあるシュカプレロフ船長が、手早く、しかし確実にチェックしていきます。

この「フィットチェック」には、バックアップクルーも同行して、われわれプライムクルー(実際に宇宙飛行を行うクルー)と同じように、宇宙船の準備状況を確認してくれます。プライムクルーに急に支障が出て、代わりにバックアップクルーが打ち上がる・・・という状況はほとんどあり得ませんが、同じ訓練を積んできた別のクルーの視点で宇宙船の状態確認を行うのは、ミスを防ぐためのダブルチェックにもなっているのだと思います。

われわれに引き続いて、バックアップクルーが確認作業を行っている間に、こちらはソユーズ宇宙船に積み込まれる貨物についても確認を行いました。ドッキング後のハッチオープンのときに着用するブルースーツや下着などの被服、船外活動に必要な道具類、宇宙ステーションで使用する運動靴、軌道上滞在中のクルーのための宇宙食、さまざまな宇宙実験の器材など、この第一回目の「フィットチェック」が終わり次第、すぐに宇宙船への積み込み作業に入れるように整理・保管されている物品を、リストを見ながら照合していきます。

さて、バックアップクルーの確認作業が終わったら、今度は、打上げで実際に着用するソコル宇宙服を着て、もう一度宇宙船に乗り込みます。
宇宙服そのものに異常がないか(気密の確認など)も大事な検証の一つですが、自分の体の型に合わせて作られたシートに座って問題がないかをチェックしたり、宇宙服と宇宙船の無線装置をつないで、ちゃんと音声が伝わるかどうかの確認もなども行いました。

ホンモノの宇宙船に電源を入れて、実際にコマンドを入力していく(無線交信のシステムを立ち上げるため)という作業は楽しいものです。昨年、国際宇宙ステーションでのミッションを行った大西宇宙飛行士も、このときに「こ、こいつ・・・動くぞ!」と、名言を残したとか、しないとか。シミュレーターでは何度も訓練していても、実機というのはそれだけ感慨があるものなのです。

(出典:JAXA)

全ての確認作業が終わってから、宇宙船担当のスタッフに対し、問題の有無を報告して長い一日が終わりました。
明日から、貨物の積み込みなどの作業が行われ、来週、第二回目のフィットチェックが行われます。
(当日の様子は、ガガーリン宇宙飛行士宇宙センターのホームページにも写真が掲載されています)



 
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