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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

実験運用管制官チーム

2017年10月16日

先週は、「実験ラック」についてご紹介しましたが、地上の管制センターから実験のサポートを行う管制官も、実験ラックの種類に従って、それぞれ異なるポジションがあります。

「細胞ラック」の担当は、「BIO(バイオ)」と呼ばれます。正式には、Biology Ops Lead。その名の通り、細胞培養をはじめ、さまざまな生物・生命科学実験を担当します。

「流体ラック」の担当は、「FISICS(フィジックス)」。正式には、Fluid Science and Crystalization Science Ops Leadといい、流体実験や結晶化実験の専門家です。
JAXAで力を入れている、高品質タンパク結晶化実験も、この「フィジックス」の担当です。

「多目的ラック」の担当は、「MEISTER(マイスター)」、MSPR Engineering and Integration Staff for Enterprising Researchです。「マイスター」と聞くと、職人制度の師匠のように聞こえますが、正式名称は、ちょっと、こじ付け感がありますかね。
MSPRとは、多目的ラック(Multipurpose Small Payload Rack)という意味です。
面白いのは、例えば「水棲生物実験装置」などは、生物系の実験なのですが、多目的ラックに組み込まれて宇宙実験が行われますので、担当するのは「マイスター」です。

前回、ご紹介をしませんでしたが、「きぼう」には、もう一つ「勾配炉ラック(GHF=Gradient Heating Furnance)」という実験ラックがあり、その担当は「GOLEM(ゴーレム)」、GHF Ops Lead and Engineer of Material Scienceと呼ばれます。

また、「きぼう」の中では、例えば、宇宙放射線の計測を行う医学的な実験や、芸術・文化に関わる実験など、ラックを使わない宇宙実験もあります。こういった実験ラックに依存しない宇宙実験を一手に引き受ける管制官が、「GNOME(ノーム)」、General Non-rack Operation for Medical and Educationです。妖精さんが、実験の手伝いをしてくれるイメージでしょうか。

さらにもう一つ、「きぼう」船外に設置された実験設備を管理するのが「ExPO(エクスポ=Exposed Facility Payload Officer)」というポジションです。

実験を担当する管制官チームは、「エクスポ」を除き、UOA(User Operation Area)という宇宙実験のための管制室を持っており、「きぼう」のシステム(電力や通信、熱制御などといった、宇宙船としての機能)を維持するための管制室の隣の部屋で働いています。

(出典:JAXA)

UOA(宇宙実験用の管制室)には、実験を提案してくださっている研究者自身も入室し、リアルタイムで実験の進捗状況を確認することもあります。管制官チームは、窓ガラスの向こう側で、軌道上の実験機器にコマンドを入力して、地上からコントロールを行います。天井から、各管制官のポジションがぶら下がっていますね。



 
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