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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

究極の高所作業

2017年9月 8日

「船外活動(英語ではEVA=Extra-Vehicular Activity)」と聞くと、宇宙服に身を包んで、宇宙ステーションの外壁を華麗にピョンピョン飛び回って作業をするようなイメージがあるかもしれません。でも、万が一、ジャンプした先のハンドレール(手すり)を掴みそこねてしまったら、大変です。はるか真下に見える地球に落ちることこそありませんが、いったん宇宙ステーションから離れてしまうと、もう船内に戻ることはできず、宇宙空間をさまようことになってしまいます。

実際には、安全第一の有人宇宙活動ですから、船外活動でも厳しい安全ルールが採用されています。宇宙飛行士の安全を守る手段の第一は、安全索(われわれは、「セーフティー・テザー」と呼んでいます)。宇宙ステーションから外に出るにあたって、出入口の「エアロック」と自分の宇宙服との間に、指の太さほどもある鋼鉄製の巻取り式ワイヤーをつける手順となっています。
作業に夢中になるうちに、両手が離れて宇宙ステーションの外壁から離れてしまっても、この安全索が自動的に巻き取られ、あるいはこれをたどることで必ずエアロックまで戻ることができるというわけです。

作業の途中で、両手を使う必要が出る場合もありますが、この場合は、宇宙服から伸びた短めの、第二の安全索(これを「ローカル・テザー」と呼びます)を、近くの手すりに取り付けることで、体が宇宙ステーションから離れないようにします。
「エアロック」から繋がっている「セーフティー・テザー」と、作業現場で取り付ける「ローカル・テザー」とで、二重に安全を守っているのです。

ところで、宇宙ステーションの外壁には、ありとあらゆるところにハンドレール(手すり)が取り付けられており、宇宙服に身を包んだ宇宙飛行士は、これをたどって、どこにでも移動することができるようになっています。
宇宙ステーションの写真をよく見ると、「おや、こんなところにも!」という場所にも金色のハンドレールを見つけることができますよ。

さて、船外活動をするために、二重に安全索をつけて、宇宙ステーションから離れてしまわないように注意している宇宙飛行士が、例えば安全索が切れるなどして、万が一、宇宙空間に放り出されてしまったら、どうしましょう?
そんなときに役立つのが、SAFER(セーファー:Self Aid For EVA Rescue)と呼ばれる、自律飛行装置です。宇宙服のバックパックに取り付けた、このレスキュー装置に備えられた小さな推進装置を噴射して(ごく限られた時間しか使えませんが)、宇宙ステーションに戻ってくることができます。

このSAFER(セーファー)は、宇宙飛行士の安全を守る最後の手段です。実地で訓練することはできませんが、バーチャルリアリティーを使った訓練を通して、この装置の使い方を徹底的に練習します。



 
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