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2017年12月26日
昨日もご報告した通り、ソユーズ・ロケットに乗って軌道投入されてから、国際宇宙ステーション到着まで、2日間の旅路です。
仕事を終えたロケットから切り離されて、クルーがまず行うのは、ソユーズ宇宙船が正常通り機能しているかの確認です。打上げ時の衝撃で重大な故障が起こっているようでしたら、ただちに地上に帰還しなければいけません。
シュカプレロフ船長は、宇宙船の操縦に関わる機能のテストを行う間、補佐役(左席)のティングル飛行士は、宇宙船の気密をチェックします。訓練の成果を発揮して、よどみのない実に効率的な作業に感心してしまいました。
窓の外から、漆黒の宇宙を背景に青く輝く地球が見えます。「宇宙へ来たのだ!」という感慨が沸き起こるのを感じました。
船長から「気持ち悪くなるから、あまり頭を振らないように。横を見るときには首は回さず、体ごと向くようにすること。ロボットになったつもりで」との注意。3回目の宇宙飛行で、ソユーズ船長を務めるのも2回目というシュカプレロフ飛行士は、素晴らしいリーダーシップでクルーをまとめてくれます。でも、「ロボットになれ」という注意は面白くて、宇宙ステーションに到着した今でも思い出し笑いをしてしまいます。
30分ほど作業に集中して、ふと気づくと窓の外は暗くなっています。先ほどまで明るかったのに、あっという間に夜です。90分で地球を一周するスピードで飛行しているのだと実感します。遠く地平線(水平線?)に、陰になった地上と黒い宇宙との間の青い「地球のヘリ」が、オレンジ色に染まるのが見えます。ふと、バイコヌールで見た朝焼けを思い出しました(@Astro_MakerのTweet参照)。
ところで、この朝焼けは日曜日の朝?それとも月曜日?
「そいつはグッド・クエッションだ!」と、シュカプレロフ船長が現在位置を確認してくれました。
「今、南米大陸を横切っているところだから、12月17日の日曜日の朝だな」
カザフスタン時間の日曜日お昼過ぎに打ち上がって、1時間も経たずに南アメリカで同じ日の日の出を目にする。なんだか不思議で、タイム・トラベルをしているような気にもなります。
とにかく何もかもが新鮮で興味深い中、手順書に沿って宇宙船の運行は進みます。打上げ日は、第1回目の軌道修正噴射があります。ソユーズ宇宙船のメインエンジンが点火すると、グッと加速を感じます。シミュレーション訓練では感じられないこの体感こそ、ホンモノの宇宙船の感覚です。
第1回目のエンジン噴射が終わると、初日の作業は終了。船長がコマンドを入力して、自動制御でソーラー・スピンを開始します。太陽電池パネルに日光が当たるように、太陽に向かってクルクルと船体を回転させるのです。
「昔は手動でソーラー・スピンをしてたけど、今じゃスイッチ一つ。宇宙飛行士にはつまらない時代になったよな」ロシア空軍でアクロバットチームに所属していたシュカプレロフ船長がつぶやきました。
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