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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

L-10:バイコヌール宇宙基地到着の様子

2017年12月 7日

打上げまでの約2週間は、ロケット打上げ射場のある、カザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地に滞在しています。
本日は、12/4(月)に、こちらに到着したときの様子についてご紹介したいと思います。

バイコヌールへの出発の朝は、伝統の「送別の朝食会」が行われます。この朝食会では、OB・現役を問わず、多くの宇宙飛行士が集まって、宇宙に旅立つクルーを送り出してくれるのです。
ここでは送り出されるクルーが豪華な朝食を用意するのですが、ロシア式のスピーチと乾杯が続くので、手がつけられることはほとんどありません。
でも、朝早くから集まってくださった先輩飛行士の心のこもった激励の言葉は、グッと胸に来るものがありました。
伝統の朝食会の終わりは、参加者全員で旅の安全を祈るのも習わしですが、ここで面白いのは、ロシアの慣習ではこの時に必ず腰を掛けないといけないそうなのです。立食形式で椅子が用意されているわけではないので、控えの間の椅子に2人で腰掛けたり、観葉植物の植木鉢を使ったりと、ちょっとした椅子取りゲームが始まります。全員が腰を下ろさないことにはクルーが出発できませんので、この瞬間ばかりは、腰掛ける場所を探すのにみんな結構真剣です。

朝食会が終わると、朝食会の参加者みんなで連れ立って、空港行きのバスに乗り込みます。
ロシアに到着してからこれまで、雪らしい雪など降らない天気だったのに、出発の朝になって急にボタン雪の降る冬模様。ロシアの冬の雰囲気に浸りながらの出発は、なかなか味わいがあるようにも感じました。

(出典:JAXA)
(出典:JAXA)

出発の様子は、星の街・ガガーリン宇宙飛行士訓練センターのホームページで紹介されています。


さて、カザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地までは、ガガーリン宇宙飛行士訓練センターの所有する飛行機での移動となります。
実際に宇宙に打ち上がる「プライム・クルー」が乗り込む飛行機と、プライム・クルーに何らかの不都合があった場合に代わりとなる「バックアップ・クルー」が乗り込む飛行機の2機に、星の街のインストラクターやエンジニア、マネージャーとともに分乗しました。
万一、飛行機の事故があったとしても、どちらかのクルーがミッションを遂行できるようにという用心でしょうか?
危機管理というか、これもまたロシア風の伝統かもしれません。

(出典:JAXA)

機内のキャビンにミッション・エンブレムのステッカーを貼ることができるのは、「プライム・クルー」の特権です。


バイコヌール空港に到着すると、現場の最高責任者のチーフ・デザイナーやマネージャーたちとともに、地元の子どもたちが、寒い中、出迎えのために待っていてくれました。
宇宙ステーションへのクルーの打上げは3ヶ月ごとにあるものなのですが、毎回こうやって温かく出迎えていただくというのは、本当にありがたいものです。こういう地元のみなさんのご支援があってこそ、ロケットの打上げという大きなプロジェクトを進めることができるのだと、改めて感じました。

(出典:JAXA)

出迎えてくださった最高責任者のチーフ・デザイナーに対し、いの一番に到着報告を行うのが伝統です。
こちらの様子も、ガガーリン宇宙飛行士訓練センターのホームページに写真が掲載されています。



 
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