このページは、過去に公開された情報のアーカイブページです。

<免責事項> リンク切れや古い情報が含まれている可能性があります。また、現在のWebブラウザーでは⼀部が機能しない可能性があります。
最新情報については、https://humans-in-space.jaxa.jp/ のページをご覧ください。

サイトマップ

宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センター宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センタートップページ
  • Menu01
  • Menu02
  • Menu03
  • Menu04
  • Menu05
  • Menu06
  • Menu07

JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

宇宙飛行士と健康:心理的なストレスから身を守る

2017年10月26日

体の健康とともに、心の健康を守ることも、長い宇宙飛行ミッションを行う上では重要なポイントです。
家族や友人と離れて、自由に外出もできない閉鎖環境での生活は、不自由でストレスも溜まるというものです。実際、昔のロシアの宇宙ステーションでは、宇宙飛行士と地上の管制官との間で感情のぶつかり合いが起きて十分なコミュニケーションが取れなくなったり、一時的に宇宙飛行士が仕事をボイコットしてしまうというような精神・心理的な問題があったことが報告されています。

このときの教訓として、宇宙飛行士に与えられた業務が多すぎて、十分な休養や睡眠を与えられないまま仕事が続いたという指摘があり、現在の国際宇宙ステーションでは、宇宙飛行士に対する仕事量の負荷に関しては、厳しいコントロールが行われています。
宇宙飛行士の勤務時間は、地上の管制センターと通信を結んで行う朝の朝礼から、夕方の終礼までの間だけ(昼休みを含む)と決められています。それ以外の時間は、個人のプライベートの時間で、宇宙ステーションの窓から地球の美しい風景を撮影するのも、音楽を聴くのも、本を読むのも、各人の自由に休むことができます。

地上にいる家族や友人と連絡を取り合うことも、宇宙飛行士の心理的な安定を維持するのに重要です。
通信技術の発達により、現在は、電話や電子メールで連絡が取れるようになっており、自分の家や生活を送る地元を離れた遠隔地にいるという疎外感が、昔に比べてずいぶん薄れたと聞きます。

また、長期間にわたる単調な生活を楽しく過ごす工夫は、ほかにも色々なされています。
例えば、映画を楽しんだり、特別に許可を得たテレビ番組については録画したものを、軌道上で観ることができます。
また、クリスマスやお正月など季節ごとのイベントでは、クルー全員でパーティーをして、とっておきの宇宙食を楽しんだりするそうです。
物資を補給にくる宇宙船には、デザートなどの生鮮食品が、地上スタッフの心づくしとして搭載されていて、宇宙飛行士の心を慰めてくれます。
毎日の食事も楽しみの一つです。健康に良く、美味しい宇宙食の開発は、各国で熱心に行われており、特にJAXAが認証している宇宙日本食は、日本人宇宙飛行士だけでなく、一緒に飛行する他国の宇宙飛行士にも大人気だそうです。
骨や筋肉を守るための毎日の運動は、ストレス解消の手段としても有効です。

このように、宇宙での生活の様相も、有人宇宙開発の初めの頃とは、だいぶ変わってきています。
もちろんある程度の不自由はありますが、それでも地上にいるときとあまり変わらず、娯楽や余暇の楽しみを持ちつつ、元気に宇宙での仕事に集中できるような生活環境が整えられています。
今の時代、人間が宇宙で生活するのが、特別なことではなくなりつつあるのです。

(出典:JAXA)

JAXAが認証しているバラエティー豊かな宇宙日本食の数々。単調な長期宇宙ミッションで、宇宙飛行士の心を慰めてくれます。



 
Copyright 2007 Japan Aerospace Exploration Agency SNS運用方針 | サイトポリシー・利用規約