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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年10月26日

エアロックでのデータ取りの最中。この実験機器のセットアップは超大変でした

到着早々、野菜の栽培を始めたシェーン


10/25 Part 2

帰還まで、あと5日になりました。

今日は終日ケイトと2人で、ヨーロッパ宇宙機関ESAのAirway Monitoring(エアウェイ・モニタリング)という研究のデータ取りを行いました。

もう随分前に、ISSに来て2週間目くらいの時にやった研究なので、覚えてらっしゃる方がいたらすごいですが・・・
その、帰還前のデータ取りになります。

宇宙では無重力でホコリや小さいゴミなどが空気中に浮きやすく、私たち宇宙飛行士は知らず知らずのうちにそれらを吸い込んでいることになります。
実際、私が体感としてあるのは目が充血しやすくて、恐らく空中のゴミが眼に入りやすいからだと思っています。

この研究では気道の炎症と関係のある呼気中の一酸化炭素濃度NOを測定して、NOの濃度で宇宙飛行士の置かれている環境を健康面で評価しようというものです。
現在のISSでの利用はもちろんですが、どちらかというとさらに将来の宇宙探査に向けた研究の側面が強いです。
というのも、地球低軌道を離れての航行ではより自立的な環境評価手法が必要になってくるからです。
ISSは比較的頻繁にサンプルを地上に持って帰って分析することが出来ますからね。

この研究の特徴は、ISSのエアロックを使用して、気圧を0.7気圧くらいまで下げた状態でもデータを取ることです。
これも、将来の宇宙探査船では1気圧よりも低い気圧を船内で維持する可能性があることを見越したものです。
エアロックを使用するので、その準備なども含めると1つの研究としてはかなり長い時間を必要とします。
この帰還前の忙しい時期にこの研究がわざわざスケジュールされているということは、ESAはもちろん、ISSプログラムの中でもこの研究の重要度が高めに設定されていることが窺われます。

というわけで、午前中は1気圧でのデータ取り、午後はエアロックを0.7気圧まで減圧してのデータ取りを行いました。
長時間かかりましたが進行は予定よりも速かったので、最後に追加のデータ取りまで出来て、有意義な1日でした。



 
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