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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年10月 4日

自主練中


10/3

最近時間が経つのが速いです。
あっという間に1日が終わります(^^;)

今日は15分とか20分とかの小刻みなタスクが多かったですね。
なかなか珍しいです。

騒音環境測定用のセンサーのセットアップから始まり、シグナス宇宙船のためのPROX(プロックス)システム機器の立ち上げ、飲料水の有機物チェック、静電浮遊炉ELF(エルフ)用のラップトップ端末のセットアップ、冷凍・冷蔵庫MELFI(メルフィ)のサンプル移設などなど。
この倍くらいのタスクをこなしました。

PROX(プロックス)というのは、JAXAがHTVのために開発したISS-HTV間の通信システムなのですが、シグナス宇宙船もこのシステムを採用しています。
従って、筑波のHTV管制チームもシグナスの運用に参加することになります。 このあたりは、私の大学時代からの友人の内山フライトディレクターがTwitterで詳細な解説をしてくれることでしょう。
私のGoogle+もかなりマニアックな内容だと思っていますが、彼のTwitterのマニアックさもやばい(゜ε゜;)

そうして1日の最後にあったのが、シグナス宇宙船のキャプチャー訓練でした。
ケイトと2人で、ISSにあるシミュレーターを使って2時間行いました。
今回は、私がロボットアームでキャプチャーを担当することになっています。
元パイロットとしては、最大の腕の見せ所ですからね、頑張りたいと思います。

訓練では、シグナスが30mの距離にあるところと、10mのところにあるもの×2本の、計3本のシナリオを行いました。
目的は、ケイトと私の間の掛け合い、地上とISSの間の掛け合い、不具合発生時の手順の確認です。
宇宙船のキャプチャーは、クリティカルな運用なので、特にキャプチャー直前の不具合には迅速な対処が必要です。
色々なケースが想定されていて、とても全部は覚えきれないので、重要な部分だけを記憶に頼ってやります。
不具合発生時のロボットアームの初期操作としては、9割以上アームを後退させる操作なので、そうでないケースだけを覚える、といった具合です。
ロボットアームさえ安全な距離に退避できれば、あとは早見表に従って操作するだけの余裕があります。
ケイトとは、ヒューストンでの訓練でもう2年近く前から何度も同様の訓練を積んでいるので、さすがに息はバッチリです。
当日も訓練通りやるだけです。

3本のうち、最初の2本は少しアームのスピードが遅かったかなと思ったので、最後の1本は気持ち速めに変えたのですが、訓練後のデブリーフィングではその1本は少し速すぎじゃないかという指摘を受けました。
このあたりは難しいところで、速度が遅くても速くても安定していればそれを無理に変えたくはないのが操作者の心理です。
大事なのは、操作者の私が自信をもって操作出来る許容範囲内かどうかなので、その範囲内であれば問題ないというインストラクターからのコメントでした。
空き時間にはいつでもシミュレーターで練習できるので、ここから精度を上げていきたいです。



 
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