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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年9月17日


9/16

忙しかった1週間が終わりました。

今日の私のメインタスクは、トレッドミルT2(ティー・ツー)の1年点検です。
車みたいですね。

ほぼ毎日、稼動しているベルト式の機器ですから定期的な点検が欠かせません。
運動機器というのは、ISSの機器の中でも故障した場合の復旧優先順位はかなり高い方です。
私たち宇宙飛行士の健康に直結しているからですね。
先日AREDに不具合が発生したという話を書きましたが、その際に先輩の宇宙飛行士から聞いたのは、何でもその方が滞在していたときにもAREDが3日ほど使えなくなったことがあったそうです。
その3日間で、なんと20%近くも筋トレの最大負荷重量が下がったというのです(; ・`ω・´)
これは点検もしっかりやらないといけません。

タスクの予定時間はなんと3時間35分。
1つのタスクとしてはかなりの大物と言ってよいでしょう。

まずは走る部分のベルトの横のパネルを全て取り払うところから。
パネルは全て濡れタオルで綺麗に拭きます。
裏面はゴムの細かい破片が沢山ついています。
次に、内部の可動パーツの損傷具合をチェック。
異常かなと思うところは、写真を撮って地上に報告します。
一通りの点検が終わると、今度は内部の掃除をしたり、ベアリング部分にオイルを差したりという保守作業を行いました。
ベアリングというのは回転する軸(シャフト)を受け止めるドーナツ型のパーツで、メカの世界では超重要部品です。
軸の回転による摩擦を受けるので、定期的にオイルを補給してやらなければいけません。
全ての保守点検を終えて、パネルを全て元に戻して、それを規定の強さでネジ止めします。
これにはトルクレンチというものを使用します。
設定した強さになると、ネジを締める腕にカクンというショックが伝わるので、そこで締めるのを止めればネジを締めすぎたり緩すぎたりということが防げるとても便利なツールです。
全ての作業を終えた時点で、3時間36分が経過していました。

1分超過・・・:(;゛゜'ω゜'):

いや、しかしこれだけの長時間タスクで誤差1分というのはある意味すごいかも。

5分のタスクに10分かかったりなんていうのはざらですからね。 そのあと、無人の状態で試運転を行って、無事に通常使用の許可が出ました。
今回の1年点検の前後で騒音がどれくらい軽減されるかの検証も行われるので、明日のT2を使用しての運動が楽しみです。
効果は現れるでしょうか。

それでは皆さん、どうぞ良い週末を♪



 
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