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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年7月19日

MELFI(メルフィ)へのサンプル収納

多目的実験ラックの記録装置の交換作業


7/18

今日は午前中、宇宙医学研究データの収集でてんやわんやでした。

まず、起きてから自分の個室スペースのドアを開ける前に、息の摂取。
これはカナダのMarrowという研究で、呼気中と大気中に含まれる一酸化炭素量を比較するものです。
2本の缶に自分の息と部屋?の空気をサンプリングしました。

次に体重測定です。
これはロシア区画にある、バネの弾性力と振動周期を利用して重さを計る装置をします。
一般的に宇宙滞在初期に体重が減ることが多いのですが、私もその例に漏れず、打ち上げ前と比べて2-3kg減っていました。
宇宙酔いで最初のころ、あまり食欲が出なかったのと、最近は毎日しっかりと運動しているのに食欲が追いついていないせいかなと思います。
ジェフ曰く「最初に減るのは普通だ。あとは、ここからそれ以上減らさないことだ」ということです。
食欲はほぼ回復しているので、あとは頑張って食べたいと思います。

そのあと採血があったのですが、9本のチューブを採血するもので、採血後遠心器にかけたあと、メルフィ(冷凍庫)で地上に持ち帰られるまで冷凍保存されます。
自分ひとりでやろうとしたのですが、針を刺したときにうまくフラッシュ(血管に届いたしるし)が出ず、そのあとも採血中に血が止まってしまったりで、結局4箇所針を刺す大騒ぎになってしまいました。
途中からケイトとジェフに助けてもらい、3人がかりで何とか採血を終えたときはさすがにホッとしました。

血液を冷凍庫に保存するまでのタイムリミットがあるので、そのあとも手際よく遠心器にかけてやらないといけません。
メルフィの操作はだいぶ慣れてきました。
こちらも1分のタイムリミットがあるのですが、開けてから閉めるまで30秒くらいで済みます。

最後のチューブをメルフィにしまった後、昨日から実施している蓄尿検査の最後のサンプリング。
採尿は宇宙では結構面倒で、1回につき15分くらいかかってしまいます。
1度パケットに溜めた尿を、特殊な保存液と混ぜ合わせた後、チューブにサンプリングします。
こちらも、採取後はメルフィに保存して終わりです。
サンプルは専用のバッグに入れてメルフィで保存されるのですが、バッグにまだ空きがあるときは、メルフィを開けて、そのバッグを取り出し、それに新しいサンプルを詰めてからメルフィに戻すので、これだと1分のタイムリミットが相当なプレッシャーです。
万が一手間取ったときは新しいバッグに入れてとりあえず放り込めるようにしっかりと準備をして、気合を入れてメルフィを開けなければいけません。

他に、聴力検査も行いました。
ISS内は色々な機器が稼動しているので結構騒音レベルが高いのですが、検査を行うために自分の個室を閉めきり、耳栓型のイヤフォンをして、その上からノイズキャンセリングヘッドフォンを着けて何とか騒音が邪魔にならない程度に緩和されます。
検査自体はPCのアプリで、色々な周波数帯の音がどこまで聞こえるかを測定して行いました。

今日はその他に、「きぼう」の多目的実験ラックの映像処理装置の記録ドライブの交換作業を行いました。
スペースX9号機の到着によって開始される新しい研究に向けた準備です。
手順書がわかりやすく整備されていて、とても作業しやすかったです。
作業の模様は、ビデオカメラでリアルタイムに筑波の管制センターにダウンリンクされるので、そうするともし間違った操作をしそうになっても地上からすぐに教えてもらえるので作業する方としてもとても心強いです。

これから深夜には、ロシアのプログレス宇宙船のドッキングがあります。
また、今朝アメリカのフロリダから打ち上げられたスペースX9号機の到着も明後日に迫っています。
今週は充実した1週間になりそうです。



 
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