サイトマップ

宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センター
宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センタートップページ
  • Menu01
  • Menu02
  • Menu03
  • Menu04
  • Menu05
  • Menu06
  • Menu07

JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年8月25日

ケイトとドラゴンのリリースの訓練


8/24

ドラゴン宇宙船の離脱を2日後に控え、その作業も大詰めです。
髪型のことを気にしている場合ではありません。

離脱は明後日金曜の朝なので、明日のうちにはハッチを閉める必要があります。
明日のお昼までに全ての荷物を揃え、それから2時間ほどで搭載を終えるために、今日はその作業が効率良く計画通りに進むための準備を行いました。
明日を迎える準備は万全です。
多少、想定外のことが起こっても対応できるだけの余裕はありそうです。

ここ数日充電していた宇宙服のリチウム電池の充電を完了する作業や、その電池と二酸化炭素を吸収するカートリッジを宇宙服に取り付ける作業を行いました。
さすがに電池やカートリッジは重いです。
宇宙服を着て8時間近く作業することも可能なだけはあります。
(もちろん宇宙では重さは直接感じませんが、それを動かすときの慣性で大体推測がつきます)

また、昨日書いたPOLAR(ポーラー)と呼ばれる小型の冷凍庫をケイトとドラゴンに移設しました。
2つのポーラーを移設しましたが、電源を落とす時間を出来るだけ短くするために、2人で息を合わせて作業をする必要があります。
2つを同じタイミングでISSの電源から外して、すぐにドラゴンの電源につなぎ、再起動します。
制限は30分以内にということでしたが、事前に手順を復習する時間ももらえたので、10分ちょっとでつなぎかえることが出来ました。
その10分で、庫内の温度が-95度から-92度くらいまで上昇していたので制限が厳しいのも納得です。

夕方には、明後日のドラゴンの離脱についての訓練がありました。
私とケイトが組んで、ロボットアームでドラゴン宇宙船をリリースします。
ISSにもロボットアームの訓練用のシミュレーターがあるので、それを使って2本のシナリオを練習しました。
1本目はリリースの途中でロボットアームに不具合が発生して、バックアップ系統に切り替えてリリースを完了、2本目がなぜか普通のリリースでした。
普通逆でしょう(^^;)

そうそう、今朝、ISSのリブーストが行われました。
リブーストというのは、エンジンを噴射して速度を上げ、ISSの高度を上げることです。
上げる理由は様々ですが、ISSは放っておくとごくわずかな空気抵抗で高度が徐々に下がってくるので、定期的に行う必要はあります。
他にも他の宇宙機との軌道調整のためや、極端な例では宇宙ゴミを避けるために上げることもあります。
非常にゆっくりとした加速でしたが、久しぶりに身体で加速度を感じることが出来ました。

明日はいつもより早く、6時45分から仕事開始です。
ドラゴンの搭載作業の仕上げ、頑張ります!(`・ω・´)



 
Copyright 2007 Japan Aerospace Exploration Agency サイトポリシー・利用規約