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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年8月19日

ロボットアームによってドッキングポートの前に動かされるアダプター

明日に向けて、コントロールパネルをセットアップ


8/18

今日は3人ともほぼ終日明日の船外活動に向けた準備で、手順やエアロック内のツールの再確認、地上のチームとのブリーフィングなどを行いました。
他に、私は明日のアダプターのインストール作業に使うコントロールパネルのセットアップを行いました。
このコントロールパネルを操作して、ドッキングポートとアダプターを接続するフックを動かします。
今朝起きると、ちょうど地上からの遠隔操作でこのアダプターをロボットアームでドラゴン宇宙船から取り出して、インストール位置に動かしているところでした(写真参照)。
概観は輪っかの形をしています。

明日が超絶長い1日になるので、今日は比較的スケジュールも緩めでした。
ジェフとケイトは特にそうで、少しゆっくりできたのではないかと思います。

18時50分からの終業ブリーフィングも5分ほどで終わり、クルー3人で夕食を取ろうとしていた矢先、19時08分にISSの警報が鳴りました。
高い音と低い音が交互に鳴る、緊急度が上から2番目の警報です。
ちなみに、警報は緊急度に応じて3段階に分かれるのですが、上から順に、

Emergency  (赤色、高い音)
Warning (赤色、高い音と低い音が交互)
Caution (黄色、低い音)

となっています。
色はその警報メッセージが伴う色です。

「何事!」

と3人でシステム端末に飛んでいき、メッセージを確認すると、LAB(ラブ)モジュール内のラックの1つで火災の恐れあり、というものでした。
あいにく地上との衛星通信がない時間帯でしたので、自分たちで対処するしかありません。
ジェフがすぐにそのラックのところへ飛んでいき、ケイトに空気の成分を調べる装置を取って来るよう指示。
私は警報メッセージから該当する対応手順をラップトップに呼び出し、読み上げました。
ロシア区画の3人もすぐに駆けつけてくれました。
手順に従ってラック内の空気をサンプリングしましたが、特に異常なし。
実際に火災が発生している兆候はなさそうです。
恐らく温度センサーが高温になって発出された警報だろうと話していると、5分ほどして地上との通信が戻り、ジェフが起こったことを地上に伝えました。

警報の発出と共に、自動化処置でその温度センサーに絡む装置の電源がシャットダウンしているので、少しして警報も消えました。
地上からは、当面の安全性に問題はないこと、それ以上のトラブルシュートには色々なデータを解析してより状況を深く理解することが必要な旨連絡があり、私たちも食事に戻りました。
実際に装置を回復するのは、明日の船外活動後になるでしょう。

その後3人で食事をしながら、不意の警報だったけど訓練通りに動けて対応としては良かったね、と一安心。
よりにもよって船外活動の前日にとは思いましたが、ケイトが「でも、真夜中に警報で起こされなくて良かった」と言うと、これには私も全く同感(^^;)

その後も取りとめのない話で盛り上がりましたが、明日の朝の段取りについて話しているときのことです。
宇宙服を傷つけたり汚さないように、当日はアクセサリーは全て外して、水以外のあらゆるものを身体につけてはだめなのですが、

ケイト「明日の朝はデオドラントもつけちゃダメ。歯磨きは大丈夫」

ジェフ「・・・・いつもデオドラントなんかつけてないけど(゜ε゜;)」

私「・・・・同じく(゜ε゜;)」

ジェフ「・・・・臭うか?」

私(ドキドキ)

ケイトはこのあと笑ってましたが、本心はいかに!?



 
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