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2016年9月22日
9/21
「きぼう」での新しい実験に向けた準備が始まりました。
その名も液滴群燃焼実験(Group Combustion)です。
JAXA内では通称GCEM(ジーセム)という名前で呼ばれていますので、今後はGCEMと呼びたいと思います。
GCEMが何の略語だったか忘れましたので、また後ほどご紹介します。
「きぼう」で行う日本初の燃焼実験になります。
その概要はおいおいご紹介していきたいと思いますが、簡単にイメージだけでもお伝えしておくと、
『小さく液状に散りばめられた液体燃料の中で、燃焼というプロセスがどのように広がっていくかを調べる実験』です。
さて、このGCEM。
静電浮遊炉ELF(エルフ)と同様に、多目的実験ラックで実施されます。
「きぼう」にはこのラックが2基あって、その1号機でこのGCEM、2号機でELFが進行するということになります。
以前にも書きましたが、このラックの利点は、色々な実験装置を取り付けることができる汎用性です。
対して、「きぼう」の初期には実験の分野に特化したラックが主に用いられました。
現在も使用されいてる、流体実験ラックなどがそれに当たります。
今日の作業は、この多目的実験ラック内にGCEMの本体を取り付けるためのプレートを設置する作業でした。
どんな実験装置でもそうですが、装置を冷やす必要があります。
空冷にしても水冷にしても、いずれかの方法で冷やしてやらないと、オーバーヒートしてしまいます。
水冷の場合によく用いられるのが、コールドプレートと呼ばれるプレートです。
これは板の中に水が流れるようになっていて、それに乗っている装置から熱を吸収していくというものです。
このコールドプレート自体は、ラックに備わっているのですが、その上にGCEM用のプレートを乗せ、さらにその上に実験機器が乗ることになります。
当然、コールドプレートの機能がしっかりと作用するために、この2つのプレートを確実に密着させなければなりません。
ちゃんと接していないと、熱が上手く伝わらないからです。
今日の作業で最も神経を使ったのはその部分で、そのために地上にリアルタイムでビデオカメラの映像を下ろし、専門家に状態をチェックしてもらいながらの作業になりました。
要所要所で時間をしっかりかけて、時には設置をやり直し、最終的にはぴったりと2つのプレートが合わさったので、ホッとしました。
実験機器自体の設置は、来週の予定です。
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