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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年9月 8日

Inter-modular Ventilation System maintenance

Inter-modular Ventilation System maintenance


9/7

昨日が深夜までの仕事でしたので、今日はお昼から仕事です。
明日からまた通常の時間に戻ります。

ジェフたち3人が去って、アナトーリ、ケイト、私の3人での滞在が始まったわけですが、人数が減って寂しくなった反面、自分たちのやりたいようにやれる、という自由さはあります。
実際、この3人滞在期間を好きだという飛行士も多いです。
ジェフ自身も、「忙しい6人滞在の間の丁度良い気持ちの切り替えになる」と言っていました。

昨日の夜、ケイトと私の間で交わされた会話。


私「とりあえず、エアコンの温度設定は上げるとして、他に何かこれまでと変えたいところある?」

ケイト「今のところないわね」

私「オッケー」

そして夜が明け・・・

お昼前に目を覚ました私が目にしたのは、せっせとダイニングテーブル周りの模様替えにいそしむケイトの姿でした。

ズコーッ ⊂(゜Д゜⊂⌒`つ≡≡

食卓の上に所狭しと並んでいたソース・調味類を、ほとんど使わないものは収納し、よく使うものだけテーブルに出し、裏返しに貼ってある物を固定するためのテープを張り替え、周りのいつからそこにあるのかわからない品々を片付けています。
ダイニングテーブルが見違えるように綺麗になりました(゜ε゜;)
まあ、ジェフも私も、そういうところは無頓着でしたから・・・
前々から気になってて、どうにかしたかったんでしょうね(笑)


さて、今日のメインタスクは「Node1(ノード・ワン)」モジュールとエアロックの間の換気用ダクトの清掃です。
以前からエアロック内で作業しているときに、二酸化炭素濃度が上昇傾向にあることが問題になっていました。
その都度排気口などを物が塞いでいないかチェックするよう地上から指示があったりしたのですが、状況は改善されず、ついにパネルの裏のダクトの清掃に踏み切ることになったのです。

ISSでの、というか宇宙船全般における換気システムの重要性については、ことあるごとにこちらでご紹介してきました。
全体に酸素が行き渡るように、二酸化炭素が固まったエリアが出来ないように、換気システムが24時間365日稼動しているわけですが、エアロック内の二酸化炭素濃度が想定以上に上昇するということは、その隣のノード・ワンからの空気がちゃんと届いていないのではないかと思われるからです。

パネルを開けるとそこには1本の太いダクトがあって、その中央にファン(換気扇)、その上流と下流のそれぞれにサイレンサーと呼ばれる静音性を高める装置が付いています。
その、ファンとサイレンサーに空気が入る部分にそれぞれフィルターが付いているので、ダクトを外してそれらのフィルターを掃除していきました。
特にファンの入り口のフィルターに、こんもりとホコリが溜まっていて、フィルターの網目が見えないほどでした。
フィルターを掃除して、ダクトを接続しなおし、を繰り返しました。
これで問題が解決すると良いのですが。

ちなみに、最近ケイトが担当しているアメリカの実験でDNA Sequencing(DNA内の配列を決めること)を行うものがあるのですが、ケイトによると順調にいっているようです。
今日も2時間くらいやっていました。
私の生物学の知識ではついていけませんでしたが、ケイトの力説を聞いている限りでは画期的な研究みたいですね。
小型のサンプルプレートと、専用タブレット端末だけで行える研究のようなので、効率性も良さそうです。
「きぼう」でも十分に実施可能なのではないかと思います。
もっと詳しい話を聞いて、またここでご紹介したいと思います。



 
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