サイトマップ

宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センター
宇宙ステーション・きぼう 広報・情報センタートップページ
  • Menu01
  • Menu02
  • Menu03
  • Menu04
  • Menu05
  • Menu06
  • Menu07

JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年8月11日


8/10

今日の午前中は、19日の船外活動に向けた大きなマイルストーンの1つ、軌道上のフィットチェックが行われました。

これは船外活動を担当するクルーが、実際に宇宙服を着て、そのフィット感を確認するためのものです。
また、私のように支援を担当するクルーが、クルーに宇宙服を着せてエアロックから外に送り出すまでの当日の流れを練習する貴重な機会でもあります。
つまり、3人それぞれにとって大きな意味を持つイベントです。

そもそもなぜこのフィットチェックが必要かですが、私たちの身長は宇宙に行くと数cmというオーダーで伸びます。
その伸び具合は多少個人差があって、宇宙服もある程度の伸びを考慮に入れてそのサイジングが行われるのですが、それが適正かどうかを実際に着てみて試してみなければなりません。
7-8時間以上着ていることになる宇宙服で、どこかホットスポット(圧力がかかる場所)でもあったら大変です。
何より、ケイトにとっては宇宙で初めて宇宙服を着ることになるわけですから、これまでの地上のプールでの訓練との感覚の違いを体験できるのも大きいです。

まず第1の関門は、この宇宙服に着替えることなのですが、昨日の夜に1人でエアロックで練習した甲斐があり、とてもスムーズに出来たと思います。
事前にジェフが色々とコツを教えてくれていたのも助かりました。
とにかく、宇宙服だけでも色々なパーツがあるので、それら1つ1つをしっかりと管理することが大切です。
どれか1つ、失くしてしまったら、それを探すのに貴重な時間をロスしてしまいます。
必ず所定の位置に物を都度戻すように言われ、その通りにやったら物品の管理は非常に良く出来たと思います。

エアロックの準備から、2人に宇宙服を着せるのに1時間半くらいかかったでしょうか。
少し予定よりも早く進んだので、次に2人をクルーロックに押し込む部分の練習も行いました。
エアロックは2つの区画に分かれるのですが、実際に真空になる区画をクルーロックと呼びます。
これはもう1つの区画よりも一回り小さくなっていて、円筒形をしています。
宇宙服を着たクルーが2人入るともう一杯のスペースです。
写真に写っているのが、クルーロック内部になります。

着替えに使用する専用の台から1人ずつ外し、クルーロック内での向きを考えながらゆっくりと所定の位置に導いてあげます。
全部で100kgを超えますが、ゆっくり動かすことを心がけていれば、1人でも十分やれることがわかりました。
クルーロック内で、ジェフとケイトはそれぞれ頭と足が反対を向くように位置取りして、ジェフが宇宙に出て行くハッチの開閉操作、ケイトがコントロールパネルの操作を出来るように、そういう配置になるのです。
2人と、船外活動で使用するツールを入れたバッグが入ると、もうクルーロックはパンパンです。
3時間のフィットチェックで、ジェフもケイトも納得のいくチェックが出来たようで良かったです。

私も本番に向けた良い予行演習になりました。
当日は、私のミスひとつで大きく時間をロスする可能性もありますので、これからさらに手順を再確認して、万全の準備で当日を迎えたいです。
何しろ、この支援クルー役を経験した飛行士に、長期滞在中最も大変だったことは何か?と聞くと、その時の経験を挙げる人がとても多いですからね、責任重大です。

明日は「山の日」ですね。
実は、私たちアメリカ区画の3人も休日です。
ISSでの祝日は、各国の祝日から選ばれるのですが、今回は滞在クルーに私がいるので、日本の祝日からはこの「山の日」が選ばれたというわけです。
皆さんもどうぞ良い祝日を♪



 
Copyright 2007 Japan Aerospace Exploration Agency サイトポリシー・利用規約