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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年9月23日


9/22

ISSに来てから個人史上最長のタスクを任されました。

スケジュール上のタスク時間は何と4時間半。
実際にかかった時間は約5時間。
1つのタスクに割り当てられる時間としてはなかなかない時間です。

そのタスクとは、トイレの洗浄水用パイプとセンサー交換。

このタスクを実施している間、アメリカ区画のトイレは使用不可になりますからね。
トイレの(色んな意味で)スペシャリストとしては、ここは一刻も早く終わらせて良いところを見せなくてはと、不退転の決意でもってタスクに臨んだわけです。

まずはトイレの背面にあるパネルを外して、その裏側に詰め込まれている機器への道筋を開きます。
慣れないうちは、このパネルを外すことにすら手間取っていたものですが、今はもう手慣れたものです。
テキパキとパネルを外し終え、ざっと全体を俯瞰して今日自分が交換するパーツを確認。
複数のバルブが1つになったバルブユニットと、2つのセンサー、それに伴う配管の交換が目的です。
ここ数日はトイレのご機嫌もすこぶる良いので、これはあくまで定期メンテナンスの一環でしょう。

あとはひたすらパイプを外していきます。
こういった液体のパイプには、通称QD(キュー・ディー)と呼ばれるコネクターが使用されています。
QDとはQuick Disconnect(クイック・ディスコネクト)の略で、外すと液体の通る経路が塞がれ、繋げるとその経路が開通するという優れものです。

いちいちバルブを開け閉めしなくても、コネクターの付け外しだけで中の液体の流れをコントロールできます。

交換するパーツを全て外し終えるところまでは割りとスムーズでした。
マラソンで言うと、折り返し地点まで40分くらいのタイムで走ってきた感じです。
そしてここから大ブレーキ。

そのロシア製のQD。
外すのに比べて、取り付けるのはちょっと、いやかなりコツが必要です。
全然Quickじゃありません_(┐「ε:)_ズコー
結構力も要ります。
しっかりと力をかけられる態勢と、スィートスポット(ジェフがこの表現大好きでした)を見つけて初めてカチャッとはまってくれます。

汗をかきかき、何とか最後の1本まで辿り着きました。
この1本がまた最強に難しかったです。
他のパイプの間の狭いところから片手だけ入れて取り付けるという最高G難度のコネクター。
グリグリとコネクターを途中までねじこみ、(行ける!)と思ったその一瞬に全ての力を右手に込めて、ようやく繋ぐことが出来ました。
思わず「よしっ!」という声が出てましたね(^^;)

前半の貯金を後半かなり使いましたが、それでも予定時間より1時間近く早く全てのパーツ交換を完了しました。
最終的に5時間もかかってしまったのは、そのあとの流量チェックで不具合があって、それを地上と一緒にトラブルシュートするのにかなり時間がかかったためです。
地上のスペシャリストのお陰で何とか問題を解決し、次の作動点検も無事にパス。
これまでの最長タスクでしたが、しっかりと任務を果たせてホッとしました。

ちなみに、結局途中で我慢できなくなってロシア区画のトイレを借りにいったんですけどね。
アナトーリに、

「ごめんね、ちょっとトイレ借りるよ。いまこっちのメンテ中で」

と断わると、

「当然だ。困ったときはお互い様だ」

と、いつものアナトーリ節が返ってきました(^^)



 
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