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2016年9月16日
9/15
エルフ三昧の1日。
ソフトウェア更新のために昨日のうちに2つに分解された静電浮遊炉「ELF(エルフ)」は、夜の間に地上から無事にソフトウェアがアップデートされ、今日はそれを元に戻してラック内に収納する作業です。
大きくてかなり質量もある精密機械なので、動かしたり結合させたりするときは、私一人では出来ないのでケイトの助けも借ります。
ちなみに質量は無重力では一見意味がなさそうですが、慣性の大きさが変わってくるので、作業をする上ではやはり考慮しなければならない重要なパラメーターの1つです。
私の感覚では、軽すぎても重すぎても作業に影響します。
軽いとフワフワしていて安定しませんし、重いと動かすときに細心の注意が必要になります。
適度な質量というのが一番作業がしやすいです。
2つに分解する過程でかなりの数のコネクターを外しましたが、今日はそれを全て元に戻さなければなりません。
以前スーツケースに例えましたが、これもやはり外すより取り付けるほうが大変です。
狭い箇所では手を動かせる範囲も限られてくるので、コネクターの向きをしっかり合わせて真っ直ぐ差し込むのが難しいです。
それにしてもすごい数のコネクターです。
改めてELFよりもHYDRA(ヒュドラ)とかMEDUSA(メデューサ)とかの名前の方がしっくりくるな、などど考えながら作業していました。
最終的にケイトのお陰で、無事に元の状態に戻し終え、多目的実験ラック2号機の中に収納することが出来ました。
そうそう。
NASAの関係者から、昨日の小型衛星放出の模様が写真で送られてきて、
「このカッコいい写真をクルーのみんなにも共有しようと思ってね」
ということだったのですが、よくよく見てみると、
これ、私が撮った写真じゃん(;´∀`)
一瞬わからなかったのは、私が撮った写真が上下逆さまになっていたからです。
キューポラから撮った写真は普通地球が上に写っています。
それが地球が下に来るように、反転されています。
いつもJAXA広報の担当者に写真を送ると、それが地上で公開されるときには上下反転されて公開されます。
ちょっと興味深いなと思いました。
私はこの上下反転されると、何だか居心地が悪いのです。
ところが、地上の方にとっては元の構図の方が居心地が悪いのでしょう。
私たちがキューポラから地球を眺めるとき、通常は頭からキューポラに入っていくので、必然的に地球を見上げる格好になります。
だから地球が上に写っている方がしっくりくるのです。
地上の方は、反対に宇宙を見上げていますからね。
私たちはお互いに見上げている状態というわけです。
人間というのは、どうしても自分の主観に合わせてものを見るのだなと、このエピソードで改めて感じました。
って、柄にもないですね~(^^;)
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