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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年9月 6日

宇宙服のメンテナンス作業


9/5

第48次ISS長期滞在、最終日です。

ソユーズTMA-20M号機の離脱を明日に控え、去っていく3人は出発の準備に忙しそうです。
アレクセイはソユーズの狭い船内への荷物の搭載に奮闘していました。
ジェフは、自分の個室を長い時間かけて清掃していました。
パネルを外して裏側まで掃除機で掃除していましたが、なかなかの汚れだったようです。
私もISSを去るときは、発つ鳥後を濁さずでいかなければ・・・

私のメインタスクは宇宙服のメンテナンス作業です。
宇宙服の冷却システムに使われている水を循環させて、フィルターで不純物を取り除いたり、水をサンプリングしたりといった作業です。
他に、宇宙服からリチウム電池を外したり、二酸化炭素吸収カートリッジを取り外したりしました。
宇宙服は非常にデリケートなので、こまめなメンテナンスが欠かせません。
2回の船外活動を支援したお陰で、エアロック内や宇宙服の取り扱いはかなり手慣れてきたと思います。
今日のメンテナンスも順調に進めることが出来ました。

一方ケイトは、BEAM(ビーム)モジュールの開閉とモジュール内環境のサンプリングを行いました。
BEAMモジュールは空気の圧力でモジュールを伸張させる画期的な方式を採用した試験モジュールです。
打ち上げ時はコンパクトにたたまれた状態で打ち上げられ、ISSに接続されたあとに伸張されました。
今回の試験で実用性が示せれば、将来は色々な可能性を秘めている方式です。

どうでもいい話ですが、私はここ数日勘違いして「BEAMS(ビームス)」と呼んでいて、あとで気付いて恥ずかしい思いをしました。

BEAMとISSの間のハッチは普段は閉じられているのですが、換気システムは通じていて、空気は共通して循環していました。
今日はそのハッチを開けて、中の空気や壁面のサンプリングを行いました。
そのサンプルは明日のソユーズで地上に持ち帰られ、分析されます。

私もちゃっかり中に入りましたが、思っていたより広かったです。
私が大の字に両手足を広げても十分にスペースがあります。
試験モジュールですので中はとても簡素で、配線などもむき出しになっていたり、中で何かタスクを行えるような状態ではありません。
電気すら付いていないので、補助ライトをISSから持ち込まないと暗い状態です。
それでも、画期的なアイディアは素晴らしいと思いました。
この先が楽しみですね(・∀・)


さて、今日の最後には、「Change of Command(チェンジ・オブ・コマンド)」のセレモニーが行われました。
第48次長期滞在コマンダーのジェフから、第49次長期滞在コマンダーのアナトーリへ、指揮権が移譲される瞬間です。
20時10分から始まったセレモニーでは、ジェフが長期滞在ミッションの総括、各管制センターへの感謝を伝えました。
非常に良いスピーチでした。
ジェフの目が潤んでいるように見えたのは気のせいかな(´・ω・` )
優しくて、頼りになって、いつも落ち着いていて、私もケイトもこの2ヶ月間、ジェフに頼りっきりでした。
偉大なコマンダーです。
ジェフは、この6名のクルーのことを「国の違いを超えたチーム」と言っていましたが、その中心にいたのは彼に他なりません。

あなたは最高のコマンダーでした。

その後、ロシア区画を代表してオレグからもスピーチがあり、ジェフが指揮権の移譲を意味する鐘を鳴らし、最後は新しいコマンダーになったアナトーリが決意表明をして、セレモニーは終わりました。

いよいよ明日、3人とお別れです。



 
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