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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年9月 9日

ARED(改良型エクササイズ装置)

ARED(改良型エクササイズ装置)


9/8

厳しい1日でした。

一昨日の夜更かしでリズムが狂ったのか、夜の2時過ぎに目が覚めてから2度寝することが出来ませんでした。
仕方がないのでいつもより早く、5時には朝食を食べ、出来るタスクから取り掛かり始めました。

タスクには全て開始時刻と終わりの時刻が明示されているのですが、中には地上との連係を全く必要とせずに実施できるタスクもあります。
例えば運動がそうですし、何かのものを集めたり、簡単なメンテナンスタスクなど、そういったタスクはスケジュールアプリ上、ピンク色で表示されるので、通称「ピンクタスク」と呼ばれます。
ピンクタスクは、必ずしもスケジュールされている時間に実施する必要はなく、その日のうちに完了すればよく、朝早くやろうが夜遅くやろうが、飛行士の裁量に任されているという私たちにとってとても融通の利くありがたいシステムなのです。

ちょうど長期滞在の切り替わりだからか、ここ数日のタスクには定期メンテナンスが多く入ってきています。
例えば、今日の私のスケジュールで言えば、非常用装備品の点検、換気システムの風量計測、ARED(筋トレマシン)のロープ交換などです。
そのうちのピンクタスクを始業前にいくつかやってしまおうと、早朝から動いていました。

お陰でかなり前倒しでお昼休みを迎えることが出来たのですが、そのあとに大変なタスクが待っていました。

ARED(エイレッド)、昔から読んで下さっている方にはお馴染みのISSの筋トレマシンです。
素晴らしい運動機器で、飛行士の長期滞在中の筋力低下や骨量低下の防止にとても役立っています。
そのAREDのロープを交換するタスクです。

タスク自体は一見普通のタスクで、手順書にビデオによる解説もついてくるという、万全のサポートです。
実際にロープの交換は順調に進んで、途中でケイトの手も借りてロープにテンションをかけ、と、ここまでは何の問題もないように見えたのですが。
そのあとの作動点検でAREDの挙動がおかしく、正常な状態になりません。

何度も手順書をさかのぼってやりなおしたり、地上のスペシャリストにビデオカメラの映像でチェックしてもらったり、色々手を尽くしたのですが、結局1時間の予定のタスクが2時間半経っても終わらず、最後まで問題を解決出来ませんでした。
ひとまず今日はそこでこのタスクはストップになり、明日までに専門家の見解を待つことになっています。
何よりの痛手は、AREDでの運動がその間出来ないことです。

AREDで一気に貯金を使い尽くし、それどころかスケジュールからすっかりビハインドしてしまいましたが、そのあとケイトの助けも借りて何とか他のタスクは全て完了できたのがせめてもの救いです。

明日の復旧を目指して頑張ります!



 
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