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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年7月16日


7/15

スペースx9号機到着に向けた準備を進めています。
宇宙船をしっかりとキャプチャーするための準備と、そこに搭載されている貨物を受け入れるための準備と、新しい研究・実験を開始するための準備です。

午前中はジェフと一緒に尿処理装置の定期メンテナンス作業を行ったり、「きぼう」で小動物飼育装置のメンテナンスや準備を行いました。
ISSでは尿を飲料水に再生するという画期的な装置が作動しているので、そこから「昨日のコーヒーが明日のコーヒーになる」という誰が言い出したかわからない名言も生まれましたが、全てを再生できるわけではありません。
フィルターで、そういった再生に不都合な不純物は取り除かれますが、その取り除かれた残りかすは定期的に装置から回収してやる必要があります。
他にも、尿処理装置や水再生装置に関しては重要な定期メンテナンス作業が沢山あるので、そういったタスクには極力ジェフと私たちルーキーのうちのどちらか1人をアサインするようになっています。
そうすることで、クルーからクルーへ、ノウハウが伝達されていきます。

この1週間、ジェフからは本当に様々なことを教わりました。

さて、午後は運動とロボットアームの実践練習です。

昨夜のうちに、地上の管制チームがロボットアームをキューポラと呼ばれるISSの窓の近くに移設しておいてくれました。
そのロボットアームで、実際にものを掴む操作を練習する時間が与えられるのです。
キューポラのロボットアームの操作卓をセットアップして、1本目の練習を私がやらせてもらいました。

これまで訓練で何度も操縦してきたロボットアームですが、いよいよ本物を操縦するときがやってきたのです。

ブレーキを解除するためのスイッチを操作するとき、思わず手が滑ってしまい、ジェフに

「全ての操作が本物だからな」

と笑われました。

キューポラの窓の目の前にあるロボットアームの先端。
大きいです。
それもそのはず、先端だけで1.5mくらいあります。

タスクは、まっすぐアームを前進させて、そのままターゲットを掴むことだけです。
たったそれだけのタスクですが、それでも最初にコントローラーを動かして、それに応じてアームが動き出したのを見て思わず、

「OMG... it's moving!」(コイツ、動くぞ!)

と素で叫んでしまい、ジェフにもう1度笑われました。

本物の操作感は、思っていたよりも安定していて、シミュレーターでは少し急な操作をするとそれが振動になってアームを揺らしたりするのですが、その程度がシミュレーターよりずっと小さかったです。
安定した動きで、ターゲットまでアームを持っていくことが出来ました。
操縦自体はシミュレーターよりやりやすそうですが、違うのは本物を動かしているという緊張感ですね。
そういった意味では、こうして事前に実際に練習が出来るのは本当にありがたいことだなと思いました。

明日明後日はお休みですので、ISSの掃除や運動をする以外は自由です。
来週はかなり忙しくなりそうなので、今週末はゆっくり身体を休めたいと思います。

それでは、皆さんどうぞ良い週末を。



 
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