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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年9月21日

静電浮遊炉(ELF)

細胞培養装置(CBEF)


9/20

本日、「きぼう」大人気!

私はほぼ終日「きぼう」でのタスクでしたが、ケイトも半分くらい「きぼう」にいたんじゃないでしょうか。
一時は「きぼう」に1台しかないリアルタイムで地上に映像を下ろせるビデオカメラを巡って取り合い状態Σ(゜д゜lll)

私は静電浮遊炉ELF(エルフ)や細胞培養装置に関するタスク。
ケイトは「きぼう」の隅っこでアメリカの物質が液体に溶ける様子を観察する実験を行っていました。
「きぼう」のエアロックの右側の隙間の奥の壁のところでやっていたので、隅っこも隅っこ、文字通りの隅っこです。
詳細な分析は地上でこれから行われるようですが、興味深い現象が見られたようです。

今日の私のELFのタスクは、サンプルが入ったカートリッジの交換作業だったのですが、大苦戦。
狭い箇所でのコネクターやボルトの取り外しに手間取り、午前中の2時間で終わるはずが、全く終わる気配を見せません。
サンプルの交換には、ELFの心臓部とも言える、実際にサンプルが浮遊する箇所を取り出す必要があるので、慎重に慎重を重ねたせいもあります。
私は医学的なバックグラウンドは皆無ですが、まるで外科医になって開腹手術をしているような心境です。
お昼の12時からは日本との交信イベントが入っていたので、これは動かせません。

今朝市村さんと電話で話したときに、「もしELFのタスクが長引いたときに備えて、どこでタスクを中断するのが良いかプランを練っておいてもらえると助かります」とお願いしてあったのですが、現実にその事態が迫っていました。
私の中では、交信イベントに向けた音声チェックが11時40分から始まるので、11時30分くらいの段階で判断されるかなと思っていました。

ところが11時10分頃、J-COM(ジェイコム)のチャリさんから、

「大西さん、マイスター(実験チームでELFを担当しているポジション)によるとタスクの完了までまだあと50分はかかる見込みです。一旦ここで作業からリリースしますので、当面の処置として今取り外したカバーを再度取り付けてください」

という交信が入りました。
これには正直言って驚きました。
ずいぶん早く判断したな、と。

しかし改めて考えてみると、この先のタスクの内容は一旦始めるとなかなか中断のしどころが難しい部分です。
また、私としても緊張する交信イベントの前に、少しリラックス出来るのは大変ありがたいです。
恐らく、午前のシフトに入っていた佐孝フライトディレクターの判断かなと思うのですが、これは素晴らしい判断だったと思いました。

お陰で交信イベントでどんなことをお話させて頂くか、頭の中で再整理する時間が持てたので、これは私も何とか頑張って挽回せねば!と、イベントが終わったらすぐにタスクに戻れるよう、予定より早めにお昼ご飯を食べることにしました。

お昼のイベントは、日本では夜の9時スタートと、少し遅めのスタートだったので小さいお子さんなどは大変だったのではないかと思います。
興味深い質問、どうもありがとうございました。
イベントは始まる前は緊張しますが、いざ始まるとこちらも楽しめるので不思議です。
会場のリアクションがこちらからは見えないのでわかりませんが、少しでも楽しんで頂けていたらと思います。

さて、イベント後は気を取り直してELFタスクを再開です。
ランチタイムの残りを投入して頑張りましたが、それでも30分ほど予定時刻をオーバーして、何とかタスクを完了しました。
いやー、ELF、手強い・・・(゜゜;)
疲れましたが、管制チームの皆さんもお疲れ様でした!



 
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