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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年9月10日

ソユーズの手動降下訓練中


9/9

午前中、久しぶりにソユーズの訓練がありました。

懐かしい星の街のインストラクターの声が聞けて嬉しかったです。

訓練では、まずISSからソユーズで避難するときの手順や、地上に帰還する際の手順を確認し、そのあとサービスモジュールにあるラップトップのシミュレーターを使って、手動降下操縦の訓練をアナトーリと3本ずつ行いました。
かなり久しぶりの訓練でしたが、さすがに一時期あれだけ叩き込まれた内容だけに、頭がその片隅の容量をそれ用に確保していたかのように、すぐに記憶が蘇ってきました。
実際に帰還する前にも、また訓練の機会が与えられるようなので安心して臨むことが出来そうです。

他には定期メンテナンスの一環として、ハッチのシールの点検を行いました。
シールというのは、ハッチを閉めたときに内側から外に空気が漏れないように、密閉するためのゴム製のリングのことです。
よく食料を保存する容器にも、フタの部分についているやつです。
ISSのハッチはいざという時、例えば急減圧(空気漏れ)が発生したときなどに、通常の気圧と真空に近い気圧の間に立ち塞がる盾の役割を果たすので、そのシールに傷などが付いていたら大変です。
そのために、定期的にその状態を確認して、クリーニングを行います。
アメリカ区画の半分くらいのハッチを今日点検していきましたが、問題となるような異常は見つかりませんでした。
ただ、ダイニングテーブルのある「Node 1(ノード・ワン)」モジュールのハッチシールは、食べかすなどの細かいゴミが沢山付いていたので、しっかりとクリーニングが必要でした。
小さいゴミは、静電気でくっついてしまうんですよね。

さて、夕方からは例のAREDのトラブルシュートを行いましたが、依然解決せずです。
地上の専門家の方々が解決策を考えてくれたのですが、それでも上手く作動してくれませんでした。
ただ、バーを使った運動は出来ませんが、ロープを使った運動は今の状態でも出来るということなので、フル機能が回復されるまではそれで我慢するしかなさそうです。
地上と協力してなるべく早く解決したいです。

ところで、今日はアメリカの子供たちとアマチュア無線で交信しましたが、その中の質問に、

「ISSにはどんなバクテリアがいますか?地上と違いますか?」

というものがあったので、その道の専門家のケイトに聞いてみたところ、地上と同じような環境という答えが返ってきました。
ただ、現状のサンプリング方法では具体的にどんなバクテリアがいるかまではISSですぐに分析することは出来ないそうです。
サンプルを地上に送って、その分析を待つことになります。
ところが、一昨日少し話題にしましたが、DNA Sequencerが実際にISSで稼動するようになって、バクテリアのサンプルをその場で分析することが出来るようになれば、どんなバクテリアかすぐに特定することも可能だそうです。
DNA配列を地上のデータと照らし合わせるということでしょうかね。
ちなみに今彼女がやっている実験では、同じDNAサンプルを2つ用意して、1つは地上で分析、もうひとつをISSで分析しているそうです。
宇宙環境がDNA構造に影響を与えるとしたら、その2つを比較することでデータが得られそうですね。



 
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