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2016年10月 9日
10/8
「きぼう」にはクリーンベンチと呼ばれるグローブボックスと顕微鏡の実験装置があるのですが、私はこれまでこの装置を使ったタスクがありませんでした。
これは、外からゴミや雑菌が入らないように隔離された空間で、宇宙飛行士が作業する時も外からグローブの中に手を突っ込む形で作業が出来るようになっています。
そうすることで、実験のサンプルを汚染しない、クリーンな環境を保つようになっています。
私の長期滞在中にはこの実験ラックを使用した実験は予定されていないので、ついに触ることもないかなと思っていましたが、今日そのメンテナンスをタスクリストで実施しました。
グローブボックスの中は密閉された空間になるので、その中の圧力が上昇した時に気圧を逃がす役割を担ったリリーブ・バルブというものがあります。
リリーフ・バルブというのは、色々な機器に付いています。
例えば、宇宙服。
宇宙服の中に酸素を送り込む装置が故障して、大量の酸素が宇宙服内に流入する場合、放っておくと宇宙服の中の気圧が上がりすぎて宇宙服を損傷する恐れがあります。
そういった場合に、設定された圧力以上になった際に作動するバルブがこのリリーフ・バルブです。
このリリーフ・バルブ、その性質上、普段は閉じたままです。
ずっとそのままにしておくと、バルブが閉じた位置で固着(くっついてしまう)する恐れがあるので、これを定期的に強制的に開けてやる必要があります。
そのメンテナンス作業を実施しました。
タスクリスト、についてはまだ書いていなかったと思います。
これはその名の通り、色々なタスクがリストになっているもので、まだ正式にスケジュールには入っていないけれども、時間があるときに実施可能になっているタスクの集まりです。
例えば、平日にスケジュールより早くタスクが終わって、少し時間が出来た時などに、このタスクリストに入っているタスクから時間的に出来そうなタスクを選んで行ったりします。
このタスクリストの良いところは、強制ではないというところです。
あくまでも、「時間があったらやってね」という性質のもので、もしタスク毎に設定された期限までにそのタスクが完了されなければ、そのタスクは実際のスケジュールに入って時間が確保されるようになっています。
とはいえ、一方で人間の心理として強制ではないと言っても、「やらなければ」というプレッシャーを感じることももちろんあります。
特に宇宙飛行士というのは、「元気ですか?」と聞かれれば例え体調が悪くても「元気です!」と答える、「大丈夫ですか?」と聞かれれば大丈夫じゃなくても「大丈夫です!」と答える、そういう人が多い集団なんです。
なかなか弱音を吐かないんですね。
だから、タスクリストに「きぼう」のタスクが入っていると、ついついやってしまう。
地上の管制チームからすると、そこの見極めが難しいだろうなと思います。
タスクリストに入れたいものは沢山あるけれど、全部入れると宇宙飛行士はそれを全部やろうとするに違いないとふんで、あらかじめ地上で抑制してくれているのがよくわかります。
多分JAXAでそれをやっているのは、現在のリードフライトディレクターの市村さんだと思うんですが、そのあたりのさじ加減が絶妙だなあと思います。
決して無理することなく、適度な負荷で終わらせられるタスクを毎週タスクリストに入れてくれます。
ISSは十分に安全ですが、それでも宇宙空間ではいつ何が起こるかわかりません。
緊急事態は、訓練のように私たちが精神的にも肉体的にも構えている時に起こるとは限りません。
もしかすると、1日の終わりで疲れきったところに起こるかもしれません。
ケイトがこういうところは本当によく気にして、私も同期ながら彼女を見習っているのですが、いつでも緊急事態に対処できるだけの余力は残しておくこと、宇宙では大事なんでしょうね。
仕事量を適切に管理してくれている、地上の仲間に感謝です!
さて、こういう小難しい話は性に合いませんので、今週の写真コーナーです。
スリランカ
久米島(当初石垣島と思っていましたが間違いでした!ご指摘ありがとうございます)
富士山(山の風下の気流が乱れているのがよくわかります)
アフリカ(砂漠の風紋が美しい!)
ジョンソン宇宙センター
という、バラバラなメニューでお送りしますね。
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