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ISS・きぼうマンスリーニュース

ISS・きぼうマンスリーニュース第34号

最終更新日:2016年2月 1日
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トピックス

フィリピン初の地球観測衛星、日本が協力

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フィリピン超小型衛星「DIWATA-1」引き渡し式において記念撮影をする関係者
(1月13日撮影)(出典:JAXA)

1月13日、フィリピン初となる人工衛星「DIWATA-1(ディワタ)」がJAXAに引き渡されました。

DIWATA-1は、フィリピン科学技術省(DOST)が開発及び打上げ資金を負担し、衛星バス部を東北大学が、センサー等のペイロード部を北海道大学が開発を支援しました。

DIWATA-1は縦55cm、横35cm、高さ55cm、重さ約50kgの超小型衛星で、解像度や観測波長の異なる4種のカメラを搭載してフィリピンの農作物の病変の検知や生育状態を調査して収穫時期を判断したり、台風や洪水などの自然災害の被害状況把握などに使用される予定です。

このミッションの特徴はフィリピンの国家事業に日本が「きぼう」の利用で貢献すると共に、人材育成も目的としており、フィリピンで人工衛星の開発・運用ができるようになることを目指して技術協力しています。

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フィリピン超小型衛星「DIWATA-1」(1月13日撮影)

DIWATA-1は、3月以降に国際宇宙ステーション(ISS)に運ばれ、5月頃までに「きぼう」日本実験棟から放出される予定で、約1年間の観測ミッションを予定しています。

なお、これまでに100基を超える超小型衛星を「きぼう」から放出していますが、小型衛星放出機構(J-SSOD)から50kg級の超小型衛星が放出されるのは初めてとなります。

JAXAは、「きぼう」からの超小型衛星放出の利用機会を発展途上国などに提供し、それらの国々の生活向上や宇宙関連技術の向上に貢献します。



大西宇宙飛行士、国内最後の記者会見

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JAXAの長期滞在ミッションロゴを持つ大西宇宙飛行士(1月27日撮影)
(出典:JAXA)

第48次/第49次長期滞在クルーである大西卓哉宇宙飛行士は、一時帰国し「きぼう」日本実験棟や日本の実験装置に関する訓練を筑波宇宙センターで行っています。

1月27日は、訓練の一部をメディアに公開し、その後記者会見が開かれました。

公開訓練の内容は、中型曝露実験プラットフォームや、小型衛星放出機構を「きぼう」の船外に搬出するためのエアロックの操作訓練です。

その後、尾藤日出夫インクリメント47/48マネージャによる2016年度の「きぼう」利用のトピックスに関する説明や、「きぼう」の運用管制を統括する中野優理香インクリメント48フライトディレクタによる記者会見が行われた後、大西宇宙飛行士の記者会見が行われました。

大西宇宙飛行士は、「油井宇宙飛行士から受け継いだタスキを私も同様に将来の日本の宇宙開発につなげていきたい」と抱負を語りました。

大西宇宙飛行士は、今年6月頃から約4カ月間、ISSに長期滞在する予定です。

インクリメント(Inc):ISS長期滞在クルーの交代で区切られたISSの運用期間の単位。「第○次」と同一

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公開訓練にて「きぼう」の
エアロック操作を行う大西宇宙
飛行士(1月27日)
(出典:JAXA)

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左からInc49フライトディレクタ、Inc47/48インクリメントマネージャ、 大西宇宙飛行士、Inc48フライトディレクタ(出典:JAXA)

今月のきぼう

「きぼう」船内実験室運用開始から2797日経過しました

「きぼう」の新たな実験装置「静電浮遊炉(ELF)」

JAXAの新たな実験装置「静電浮遊炉(ELF)」が「きぼう」日本実験棟に設置されました。ELFは、2015年8月打上の「こうのとり」5号機と、2015年12月打上のシグナス補給船運用4号機(OA-4)にわけて運ばれました。

油井宇宙飛行士がISS滞在中に届いた装置や試料カートリッジの事前確認などを行っておりましたが、1月12日と19日に宇宙飛行士によりELFの組立て、および多目的実験ラック2(MSPR-2)への設置が行われました。現在も引き続き作業を継続中で、その後機能確認作業が行われます。

ELFは、融点が非常に高い物質を微小重力と静電気力で位置を制御した状態で浮かばせ、物質の熱特性(粘性、密度、表面張力)を計測する材料実験装置です。さらに、とかした試料を過冷凝固(融点より低い温度で急速に固体化)して地上に持ち帰り、試料を詳細に分析することもできます。

ELFの地上実験では、「きぼう」での実験に向けて熱物性の計測技術を向上させ、金属元素融体の高温熱物性データを取得するなど、多くの実績をあげてきました。

「きぼう」では、地上では浮かせることが困難な帯電しにくい酸化物などの熱物性(密度・表面張力・粘性)を高精度に計測し、宇宙でしかできない実験を進めます。

「きぼう」でしか獲得できない新しいデータは、物質科学の基本データを大きく書き換える可能性があります。こうしたデータは、コンピュータを使った鋳造シミュレーションプログラムの基礎データとして、また、高性能な耐熱コーディング技術の開発などに活用され、効率の良い発電システム・航空機・次世代ジェットエンジンのタービンなどへの応用が期待できます。

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多目的実験ラック2(MSPR-2)に設置された静電浮遊炉(RLF)(出典:JAXA/NASA)

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物資が浮かぶ様子(地上写真)

今月の国際宇宙ステーション

故障した機器交換のため船外活動を実施

・米国の船外活動

1月15日、ティモシー・ピークとティモシー・コプラ両宇宙飛行士によって船外活動が4時間43分に渡って実施されました。

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イギリス人として初めて船外活動を行ったティモシー・ピーク宇宙飛行士(1月15日撮影)
(出典:JAXA/NASA)

作業内容は、S6トラス(ISSの進行方向に向かって右舷側先端のトラス)の故障した電圧調整器(Sequential Shunt Unit: SSU)※1の交換、排気バルブ(Non-Propulsive Vent: NPV)※2の「トランクウィリティー」(第3結合部)への再設置(恒久型多目的モジュール(PMM)の移設前に外していた)、将来民間の有人宇宙船がドッキングすることになる国際ドッキングアダプター(International Docking Adapter: IDA)※3のためのケーブル敷設の一部を行いました。


※1 SSU:太陽電池で発生した電圧を160Vdcの一定に保つ機器。

※2 NPV:双方向に排気することで推力を発生しない排気バルブ。

※3 IDA:ISSに民間の有人宇宙船が結合できるように今後2箇所に設置される予定のドッキング機構

・NASAの植物生育実験(VEGGIE)

NASAは、将来宇宙での食糧生産を目指して、「コロンバス」(欧州実験棟)で植物栽培実験を行っています。

VEGGIE(ベジー)と呼ばれるこの実験装置は、幅約30cm×高さ約37cmの空間を持ち、これまでにレタスを栽培しています。今回は、より長い栽培期間を要する百日草(ジニア)を育てました。

この実験では軌道上のクルーの負担を軽減するため栽培はほぼ自動で行われ、カメラで植物の様子を観察した地上の専門家が育成状況の確認などをしていましたが、スコット・ケリー宇宙飛行士から水分が多すぎて育っていないとの報告がありました。ケリー宇宙飛行士によると、葉がねじれたりして弱った株にはカビが付着していたとのことで、多くは栽培に失敗しました。

このため、ケリー宇宙飛行士に水やりや送風による湿度調節などの管理を任せることにし、生き残った2株で花を咲かせることに成功しました。

NASAによれば2018年にはプチトマトの栽培を計画しており、百日草はそれに備えた栽培実験としておこなわれました。

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植物栽培装置ベジー内で花を
咲かせたジニア(1月16日撮影)(出典:JAXA/NASA)

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複数の花をつけたジニア
(1月25日撮影)
(出典:JAXA/NASA)

※特に断りの無い限り日付は日本時間です。
※特に断りの無い限り写真の出典はJAXAです。

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