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宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機、打上げ、ISSに到着!
① ISSに接近(出典:JAXA/NASA)② ISSのロボットアームで把持(出典:JAXA/NASA)③ SSRMSで把持直後のHTV運用管制室の様子④ ISSのロボットアームで把持される直前(出典:JAXA/NASA)
宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機(HTV5)を搭載したH-IIBロケット5号機(H-IIB・F5)の打上げ
8月19日午後8時50分49秒に種子島宇宙センターから宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機を載せたH-IIBロケット5号機が打ち上げられました。当初、8月16日に打上げられる予定でしたが天候不良のため2度延期となりました。
度重なる延期の末の打上げであっただけに、HTVがH-IIBから正常に分離されたことが確認できると、打上げ関係者がいつも以上に安堵する様子が見られました。
「こうのとり」5号機は、打上げから約15分後にH-IIBから切り離され、まもなく地上との通信を開始しました。地上との通信が確認されると、つくばの運用管制室では拍手が沸き起こるとともに、いよいよ運用管制がはじまるのだという緊張感に包まれ、管制員の顔が引き締まりました。
ロケットは搭載物を軌道に投入すれば役目は終わりですが、「こうのとり」はここから国際宇宙ステーション(ISS)に到達し、結合、積み荷の荷降ろしを行い、不用品を搭載して大気圏に再突入するまでが役目です。
ロケットから分離された後は、予定通り複数回の高度調整を行いながら5日間かけてISSに近づき、8月24日夕方には、ISSの下方500m地点を通過し、1分間に1~10m程度の接近速度で少しずつISSに接近していきました。
午後7時過ぎにはISS下方10m地点でISSとまったく同じ速度で並び、ISSから見ると静止しているように見える状態になりました。
ISSのロボットアーム(SSRMS)の操作は油井宇宙飛行士、NASA ISSミッション管制センター(ヒューストン)でISSとの交信担当を務めたのは若田宇宙飛行士、そして筑波宇宙センターの運用管制チームの連携により、午後7時29分、「こうのとり」5号機はSSRMSに把持され、午後11時58分に、「ハーモニー」(第2結合部)の共通結合機構(CBM)へ取り付けを完了し、翌8月25日午前2時28分に「こうのとり」とISS間の電気・通信ラインが起動し結合が完了しました。
クルー入室に先駆けて、SSRMSと「きぼう」のロボットアームを使用して曝露パレットは「きぼう」船外実験プラットフォームに取り付けられました。
ハッチを開け与圧部にクルーが入室したのは同日午後7時24分でした。同日午後11時29分には、電子、ガンマ線観測装置(CALET)が曝露パレットから「きぼう」船外実験プラットフォームに移設されました。
その後、補給物資や実験装置のISSへの移送が行われており、順調にミッションが進行しています。
H-IIBロケットから分離し、軌道に投入された時の総合司令棟(種子島宇宙センター)の様子
ISSのハーモニーに結合された「こうのとり」5号機とオーロラ(出典:JAXA/NASA)
今月の国際宇宙ステーション(ISS)
最初のISS構成要素打上げから6128日経過しました
船内実験室運用開始から2643日経過しました
第44次長期滞在クルー
スコット・ケリー(NASA)、ミカエル・コニエンコ(ロシア)、ゲナディ・パダルカ(ロシア)宇宙飛行士のISS滞在は156日経過しました。オレッグ・コノネンコ、チェル・リングリン、油井宇宙飛行士のISS滞在は39日経過しました。
油井宇宙飛行士の活動
油井宇宙飛行士がISSでの長期滞在を開始した7月23日から約1カ月が経過しました。油井宇宙飛行士は、宇宙医学実験、日本をはじめとする各国の科学実験などを実施するほか、ISSの維持に不可欠なメンテナンスや運用業務を行っています。また、忙しい作業の合間にツイッターでISSでの生活やISSから見える景色を紹介しています。
油井宇宙飛行士のISSでの活動の一部を写真でご紹介します。
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制振装置付きトレッドミル2(T2/COLBERT)で毎日運動を行う(出典:JAXA/NASA, 油井宇宙飛行士のTwitterより) |
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ファンドスコープを使用して定期的に眼の検査を行う
(出典:JAXA/NASA) |
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「こうのとり」5号機を搭載したH-IIBロケットの打上げを仲間のクルーとともに見守る(出典:JAXA/NASA, 油井宇宙飛行士のTwitterより) |
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NASAのVEGGIE実験で栽培されたレタスを手に持つ
(出典:JAXA/NASA, 油井宇宙飛行士のTwitterより) |
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「こうのとり」5号機の到着に向けたISSのロボットアーム(SSRMS)を使用したシミュレーション訓練を実施
(出典:JAXA/NASA) |
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「こうのとり」5号機が運んできた新鮮な果物(オレンジ、レモン)を浮かばせる(出典:JAXA/NASA, 油井宇宙飛行士のTwitterより) |
インフォメーション
金井宣茂宇宙飛行士、国際宇宙ステーション(ISS)第54次/55次長期滞在クルーに任命
金井宣茂宇宙飛行士
第20回NASA極限環境ミッション運用(NEEMO20)訓練に参加した金井宇宙飛行士(出典:JAXA/NASA)
金井宣茂宇宙飛行士が、ISS第54次/55次長期滞在クルーに決定しました。
金井宇宙飛行士は、2008年のISS搭乗宇宙飛行士候補者募集で、1000人近い応募者の中から油井、大西宇宙飛行士と共に選抜されました。
2009年9月からISS搭乗宇宙飛行士候補者として国内外で訓練を続け、2011年7月にISS搭乗宇宙飛行士として認定されました。
以降ISSに長期滞在するための訓練を続けてきました。
今年7月には、第20回NASA極限環境ミッション運用(NASA Extreme Environment Mission Operations: NEEMO20)訓練に参加し、米国フロリダ州タバナー沖の海底に設置されている海底研究室「アクエリアス」に滞在して、閉鎖環境におけるチームワーク・リーダーシップ・自己管理および異文化対応などのチーム行動能力の更なる向上を図り、ISS長期滞在に備えていました。
金井宇宙飛行士は、2017年11月頃から約6カ月間、ISSに滞在する予定です。