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「おかえりなさい」油井宇宙飛行士
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宙亀写真ランキング(12月14日付けより) 1位 NASAジョンソン宇宙センターの夜景(宇宙から最後のツイート) 7月からの毎月のランキングも掲載しています。
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ISSからソユーズ宇宙船に移る油井宇宙飛行士(12月11日撮影)(出典:JAXA/NASA)
第44次/第45次長期滞在クルーとして7月23日から国際宇宙ステーション(ISS)に長期滞在していた油井宇宙飛行士が地球へ帰還しました。
12月11日午後3時32分頃、油井亀美也、オレッグ・コノネンコ、チェル・リングリン宇宙飛行士はISSに残る仲間とお別れをしてソユーズTMA-17M宇宙船(43S)に乗りこみ、ISSとソユーズ宇宙船間のハッチを閉じました。ソユーズ宇宙船の空気漏れが無いかなどのチェックを完了した後、同日午後6時49分、ISSから分離しました。
同日午後9時24分に軌道離脱噴射を完了し、午後10時12分頃にカザフスタン共和国ジェスカズガン近郊の草原に着地しました。着陸時刻が夜間であり降下中や着地の瞬間を撮影する事はできませんでしたが、捜索チーム・取材陣が着地点に向かい元気な姿を捉えることができました。
帰還カプセルから出て用意された椅子に座った油井宇宙飛行士の最初の言葉は、以下です。
「ただいま。 体調は大丈夫です。重力を感じます。 寒いけれど、みなさん大丈夫ですか? 宇宙も素晴らしいけど、地球も素晴らしい。 冷たい風が心地よい。 ゆっくりシャワーでも浴びたいが、ツイッターをフォローしている人がたくさんいるので、発信していきたい。」
油井宇宙飛行士のISS長期滞在は、宇宙実験を確実に遂行すると共に「きぼう」日本実験棟に新たな実験環境を整備し、日本の有人宇宙開発の存在感をさらに世界にアピールすることができました。
そしてISS長期滞在の経験を活かして次に続く大西卓哉、金井宣茂宇宙飛行士へと将来の日本の有人宇宙活動の発展に繋げていくことになります。
大西宇宙飛行士の訓練状況
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本物のコントローラとノートパソコンで構成されている簡易シミュレータを使用したソユーズ宇宙船手動操縦ドッキング訓練の様子(出典:大西宇宙飛行士のGoogle+より)
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ソユーズTMA-19M宇宙船(45S)に乗り込んで確認を行う前の大西宇宙飛行士らバックアップクルー(後ろにあるのがロケットのフェアリングに覆われたソユーズ宇宙船)(出典:JAXA/NASA/Victor Zelentsov.)
第48次/第49次長期滞在クルーの大西卓哉宇宙飛行士は、第46次/第47次長期滞在クルー(プライムクルー)のバックアップクルー(交代要員)でもあり、12月15日のソユーズ宇宙船打上げ直前までバックアップクルーとしての任務につきました。
12月はロシアのガガーリン宇宙飛行士訓練センター(GCTC)からカザフスタン共和国のバイコヌール宇宙基地に移動しました。
バイコヌール宇宙基地では、ソユーズ宇宙船の手順書や飛行計画の確認、ソユーズ宇宙船の自動操縦システムのトラブルを想定した手動操縦によるISSドッキング訓練や、ISS滞在中に行う緊急事態対応訓練で使用するタブレット端末の操作説明を受けたりしました。
また、組立工場内にてソユーズTMA-19M宇宙船(45S)に乗り込んで装備品やシステムの状態確認をプライムクルーと交代しながら行ったほか、プライムクルーの記者会見に同席しました。このように打上げの迫るプライムクルーと行動を共にすることで、自分の打上げに向けた経験の蓄積になります。
12月15日に、プライムクルーを乗せたソユーズTMA-19M(45S)宇宙船は予定通り打ち上がり、バックアップクルーの任務を解除された大西宇宙飛行士は、半年後の自身の打上げに向けた訓練を継続しています。