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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年10月27日

ロシアのペンギンスーツ。体を縦から横から圧縮するスーツです。帰還後の重力変化になれるためのものですが、きつくするとかなり気持ち悪いです。身体がすっかり無重力で甘やかされているのを実感


10/26

R-3 days (帰還3日前)

午前中は今回の滞在中で最後となる交信イベントを2つ行わせて頂きました。
まずは、Googleさんとの「KIBO SCIENCE 360」の一環として、はじめしゃちょーさんや一般の方から募集した実験を行うイベントです。
行った実験は2つ。
本格的な宇宙実験を行うことは出来ませんが、少なくともお子さんやこれまであまり宇宙の情報に接する機会のなかった方々には、宇宙という環境の特殊さを知って頂ける実験内容だったのではないかと思います。
私自身、楽しんでやらせて頂きました。
動画も公開していますので、是非ご覧下さい。
途中、地上側からの音声が聞こえなくなるというトラブルが発生していますが、何とか切り抜けています(^^;)

続いて、松野文部科学大臣、鶴保内閣府特命担当大臣(宇宙政策)、民間企業でHTV6号機ミッションに関係されたエンジニアの方々、高校生の方々、中野フライトディレクターとの交信イベント。
両大臣からはミッションの完遂に向けて力強い激励を頂きました。
そして、モノ作りの現場で活躍されていらっしゃる民間企業の方々や、コンテスト等で素晴らしいアイディアを発案された高校生の方々から、とても良い刺激を頂きました。
このイベントにはケイトも参加してくれたのですが、私は日頃の会話で彼女がJAXAの実験・研究に非常に関心を持ってくれていることは知っていましたが、それを皆さんにも知って頂けたことが嬉しかったです。

両イベントに参加して下さった方々、開催にあたりご尽力下さった方々、本当にありがとうございました。

午後は、アナトーリとケイトと3人で、ソユーズの帰還カプセルに乗り込み、帰還手順の訓練を行いました。
星の街で私たちのクルーを担当してくれているインストラクターと音声回線で結び、通常手順、緊急帰還手順などを復習しました。
暫定的な帰還スケジュールも見ましたが、軌道離脱噴射から1時間以内でもう着陸という、帰りは超特急です。
帰還の大体の流れは、

ISSとのハッチクローズ

リークチェック

ISSからのアンドッキング

軌道離脱噴射

モジュール分離

大気圏突入

パラシュート展開

着陸

となります。

今日、油井さんが帰還時の注意点についてメールで教えてくれましたが、ご本人の許可をもらったのでここに転載します。

①帰還前にしっかりと水分はとっておいて下さい。帰還後の気分が大分違います。

②体は重力をすっかり忘れています。私は、大分Gが掛かってきたと感じた時に、まだ表示が0.1Gだったのを見て、愕然としました。でも、訓練通り呼吸をすれば、5Gも全く問題ありません。(←注:油井さん基準)

③パラシュートが開いた時の衝撃、動きは物凄いです。(←注:油井さん基準)接地の時の衝撃も!ハーネスをしっかりと締めておくのがとても大事なので、やり過ぎと思うぐらいしっかりと締めておいて下さい。

④スーツを脱ぐ時など、頭の重さやそれを支えなければいけないという事も忘れています。私は、何度も頭を地面にぶつけそうになりました。頭を支える必要があるという事を着意するだけで、大分違うと思います。(←首が据わらない赤ちゃんの世話をするように自分を扱えということですね?)

⑤帰還直後は、目を動かすだけでも視界がぐるぐる回って、かなり気持ち悪いと思います。薬を飲んでくるか、頭をあまり動かさない方が良いと思います。気分が悪いのが普通なので、諦めて下さい。(←そんなあ!)


KIBO SCIENCE 360 - A Space Experiment with Google

KIBO SCIENCE 360 - A Space Experiment with Google


KIBO SCIENCE 360 - A Space Experiment with Google



 
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