2016年7月24日
7/23
(注:お食事中の方はまた後で読んで下さい)
今日は土曜日なので掃除や運動以外は自由時間なのですが、寝坊した私がお昼過ぎにせっせと「きぼう」の掃除をしているところへジェフがやってきました。
「タク、今日時間がある時にKTO(ケーテーオー)の交換の仕方を教えるぞ」
(; ・`д・´)...ゴクリ... とうとう来たか、この時が。
私「オッケー、今すぐでもいいよ」
というわけで、ケイトも合わせて3人でトイレ前に集結。
KTOというのは、早い話がトイレの排泄物用タンクです。
タンクが一杯になったら、それを新しいものと交換して、古いものはゴミ集積場に持って行きます。
ISSのトイレは基本的にポンプで中から空気を吸い込むので、普段使用するときには匂いはほとんどしません。
未使用時には、便器の蓋によってきっちりと密閉されるので、これまた匂いが漏れだすということもありません。
タンクの交換は、便器から取り外すときと、空気を吸い込む用のホースを取り外すときの2回、タンク内が直接外気にさらされるので、非常に慎重かつ迅速な行動が求められるISS長期滞在でも最も重要なスキルの1つと言っても過言ではありません。
万が一、中の物が外にあふれ出すようなことになれば非常事態です。
幸い、今日は初回ということで、ジェフがデモンストレーションしてくれるそうです。
さすが、百戦錬磨のジェフは、テキパキと私たちに重要なポイントを解説しながら、サッと便器を外してタンクの蓋をして、サッとホースを外してそこにキャップを装着していました。
鮮やかな手並みです。
私とケイトは拍手喝采。
しかし、あんなに真剣な表情でタスクを実施するジェフは初めて見たので、それだけこのタスクが潜在的にはらむ危険性を再認識させられました。
晴れて新品のタンクに交換されたところで、ケイトと私がそれを使って練習しました。
今なら失敗しても何の危険もないですからね。
何回か練習したお陰で、次は自分でもやれそうです!
タンクが空なので、しばらくは用を足した後にタンクに手を突っ込んでグイグイと「中身」を圧縮する必要もありません。
ゴミを極力減らすために、そして1つのタンクを最大限に有効利用するためにこの圧縮は必須なのですが、人によっては抵抗もあるかもしれませんね。
私は結構こういうのは割り切ってしまえるので平気なのですが。
しかし少し前に滞在していた飛行士に、この圧縮の「マスター」と呼ばれる人がいて、限界まで圧縮していたというから世の中上には上がいます。
夜はロシア人クルーと一緒にご飯を食べたのですが、ちょうど今日彼らのトイレのタンクも交換されたらしく、「我々の長期滞在の1つの重要なマイルストーンを通過した」とみんなで祝杯を挙げました。
余談ですが、今日のディナーはプログレスとドラゴンという2つの補給船で差し入れられたフルーツや生野菜、生ハムなどでとても豪華なディナーになりました。
送って下さった地上の方々に感謝です。
私は個人食として持っていった「うずらの煮卵」を提供したのですが、思いの他、アメリカ人にもロシア人にも大好評でした。
正直、あんなにヒットするとは意外です。
昨日お約束した通り、Lineイベントでボツになった写真を貼りますね。
私がNEEMO訓練に参加したアメリカのフロリダ半島、バハマ、私がパイロットの基礎訓練で飛んでいたカリフォルニア州などの写真です。
最後にもう1つ余談を。
今日、トイレの横にあるトレッドミル「T2」で走ろうとしたところ、フワフワと黒い棒が浮いていたので(ISSでフワフワと物が浮いていることはよくあります)、きっとまたどこかのカメラ用のアームだろうと思い、誰か心当たりのある人がいるかもしれないと思い、あとで他の2人に聞こうと食卓の上に置いておきました。
そうして走ったりしているうちにすっかりそのことは忘れていたのですが、あとでジェフがニヤニヤしながら私のところに来て、
「あのダイニングテーブルの上に黒い棒を置いたのは、お前か?」
「(やべ、すっかり忘れてた)うん、そうだよ」
「あれが何か知ってるか?」
「え。カメラ用のアームかと思ってたけど・・・」
「(爆笑しながら)あれ、例のマスターが圧縮するのに使ってた棒だぞ。あの先にビニールの手袋を着けて、それでグイグイやってたんだ」
「ご、ごめっ・・・:(;゛゜'ω゜'):」
フロリダ
バハマ
キーウエスト
カリフォルニア サンホアキンバレー
アメリカとメキシコの間くらいです