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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年7月20日


7/19
(7年前の2009年7月19日、船外実験プラットフォームが取り付けられ、「きぼう」の組み立てが完成しました)

朝起きたら、プログレス補給船がISSに到着していました。

ロシアの飛行士3人組は、この深夜のドッキングに備えて日曜日から時差調整に入っていたのですが、ジェフとケイトと私は通常のグリニッジ標準時で過ごしていた為、私は思い切り寝過ごしました。
見物しようと、夜中の12時にアラームをセットしていたのですが・・・

以前、ソユーズ宇宙船のことを「団子3兄弟」に例えましたが、キューポラと呼ばれるISSの窓の外にはご覧のように、団子3兄弟×2という状況が展開しています。

こうしてみると、ソユーズとプログレスは瓜二つのようでいて、団子と団子の間の部分が違っていますね。
初めて知りました。
プログレスは、ソユーズと違って全てのモジュールが大気圏で燃え尽きるので、団子同士を分離する必要がなく、従って各団子の間もソユーズと比べるとなだらかに結びついているように見えます。

団子の話はこのへんにして。

今日の午前中は、Cardio OxというNASAの研究をケイトと行いました。
1人が超音波で自分の身体を検査して、もう1人が機器の操作、というのを役割を交代して2人とも実施します。
右腕上腕の動脈と、頚動脈、それから心臓を超音波で見ていきます。

超音波画像と私たちの様子はリアルタイムで地上にダウンリンクされ、地上にいる研究者がそれを見ながら音声で逐一どのタイミングで画像を記録するかとか、超音波の検知器の位置の微調整を指示してくれるので、私たちはそれに従っていきます。
一発で綺麗なデータが取れることもあれば、時間をかけて微調整を繰り返しながらになることもあります。
何しろ、ISSと地上との間で音声通信に数秒の時間差があるので、研究者の方が「いまだ!」と言ったときの画像は、数秒前に私たちが見ていた画像になるからです。

またこの超音波画像というものが、医学の素人には難解極まります。
頚動脈などは大きくて探しやすいですが、心臓の小さな弁の一つなどは正直私が画像を見ていてもよくわかりません。
宇宙飛行士と地上の研究者が、息を合わせることが重要だなと思いました。
今日は良いデータが取れたようなのでうれしいです。
また長期滞在中に何度か、このデータを取得することになります。

Cardio Oxが終わると、慌しく東京と結んだ記者会見へ。
ご覧頂いた方もいらっしゃるでしょうが、20分の間、記者の方々からの質問に答える形で、いまの私の素のままの思いをお話させて頂きました。
今日来て下さった方々は、これまでにも何度か取材でお会いしている方が多かったので、私から地上の様子は見れませんでしたが、お名前を聞くと「ああ、あの方か」と何だかとても懐かしい気持ちになりました。

ISSからのインタビューでは、最後にクルッと宙返りしたりするのが定番になっているのですが、私はまだ宙返りを練習なので、今日は封印しておきました。
結構、難しいんですよ(^^;)
大抵上の方に飛んでいってしまうか、姿勢を崩してしまうので。

記者会見のあとは、簡易持久力測定。
サイクリングマシンで、負荷がどんどん高くなっていって、どこまで耐えられるかというテストです。
地上にいた頃と比べると少し値が落ちたような気がしますが、データを解析してもらうまではわかりません。
この持久力測定も、ミッション中何度か実施されます。

午後は水再生装置に関する作業がほとんどだったのですが、この水再生装置というのは非常に興味深いです。
今日はもう夜遅くなってきましたので、また時間のある時にゆっくりこのトピックについては書きたいと思います。

明日はいよいよスペースX9号機のキャプチャーの日です。
もうすぐそこまで迫ってきているはずです。



 
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