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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年7月26日

今日のノード・ワン

エアロックで船外活動服の入れ替えを行っているケイト


7/25

ドラゴン宇宙船からの貨物積み下ろしが佳境に入り、アメリカ区画の乱雑さもピークに達しています。
(私たちの世界では、便宜上ISSの区画をロシア区画とアメリカ区画に分けて呼び、日本やヨーロッパのモジュールもこのアメリカ区画に含まれます)
数日前にNode 1(ノード・ワン)モジュールの写真を貼りましたが、今日のノード・ワンの写真を貼ります。

ノード・ワンは、アメリカ区画とロシア区画のちょうど間にあり、両区画を往来するためには必ず通りますし、アメリカ区画のダイニングテーブルがあったり、そこから各モジュールへとアクセスする時に必ず通る、いわばISS内交通の要衝とも言える場所です。
油井さんなら戦略上の最重要拠点とかおっしゃりそうです。

そのノード・ワンがこの有様なので、今日は普段通り慣れたこのモジュール内を移動中にバランスを崩す人続出(笑)
宇宙空間での移動は結構難しくて、最初はまっすぐ飛ぶことが出来ません。
そのうち、このモジュールを通るにはどことどこの手すりを経由して飛んでいけばスムーズに移動できる、というのを体が覚えてきて、そうすると移動も楽になります。
ところが、そのついいつものクセで移動しようとして、そこにあるはずの手すりが使えない時に、一瞬対応が遅れると完全にバランスを崩すのです。
私よりも4ヶ月前から滞在しているロシアのアレクセイまで、頭をぶつけそうになっていたのを見て、失礼ながら噴き出してしまいました。
かくいう私も、1度完全に姿勢のコントロールを失い、空中でバタバタと慌ててしまい、赤面でした。
こういうときに限って、地上からカメラで見られてるんですよね(^^;)

私は、2日前からJAXAの研究であるBiological Rhythm(バイオロジカル・リズム)のデータ取りが始まっています。
これは、例のサーケイディアンリズムと同様に、宇宙での人間の体内リズムの変化を調べる研究ですが、扱うデータが異なります。
2日前から活動計を身につけ、今朝からは48時間の心電図記録が始まりました。
かなりコンパクトな心電図記録装置ですが、それでも48時間それを付けて、運動もしなければいけないのでそれなりに大変です。
しかし、自分の身体で貴重なデータが録れると思えば、その苦労も報われる気がします。

ケイトは今日、ドラゴンで届いた船外活動服を現行のものと取り替える大仕事を行っていました。
船外活動服は定期的に地上に送り返され、メンテナンスされて消耗部品を交換された後、再びISSに戻ってきます。
ほぼ半日、エアロックに篭って頑張っていました。
船外活動服は「小型の宇宙船」とも呼ばれる、非常に繊細な機器です。
その扱いには細心の注意と慎重さが要求されるので、長時間のタスクできっとかなり疲れたのではと思いますが、きっちりと大役をこなしてケイトも嬉しそうでした。

私の午後は、ほぼドラゴンの貨物作業で終わりました。
後半は、地上に持ち帰る荷物の搭載作業も並行して始まりました。
こうしてどんどん荷物を積み込んでいって、写真のように溢れている貨物を収容するスペースを作り出さないといけないのです。
それを計画するのはきっと想像を絶する根気が必要なパズルのような仕事のはずですが、ヒューストンの担当チームがとても良い仕事をしてくれていて、現場の私たちも非常に作業がしやすいです。
積み下ろしがほぼ終わったいま、これからは搭載作業がメインになってくるでしょう。

明日は、「きぼう」のエアロック関連のタスクを実施する予定です。



 
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