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JAXA宇宙飛行士によるISS長期滞在

2016年8月31日

ソユーズの座席のフィットチェック

ロボットアーム操作のシミュレーター訓練


8/30

帰還が間近に迫っている3人は、医学データの取得に忙しそうです。
今朝はロシアクルー3人がかりで、アレクセイとオレグの採血をロシア区画で格闘していました。

ジェフの超音波検査は私がサポート役で付いて、装置の操作を行いました。
ISSから超音波画像が地上にダウンリンクされて、それを見た専門家が「いまだ!画像をセーブして!」と言ってくるまで3秒程度のタイムラグがあるのですが、同様の検査を何回か繰り返しているうちに、地上の専門家の方が求めている画像が何となくわかってきて、今では指示が来る前にセーブボタンを押せることもあります。
慣れってすごい・・・(^^;)

そのあとは日本の子供たちとの交信イベント。
集まって下さった皆さん、企画の実現に向けて奔走して下さった方々、本当にありがとうございました。
こういったイベントをきっかけに、皆さんが宇宙や科学全般に興味を持って頂けると、本当に嬉しいです。

今日の変わったタスクとしては、ソユーズの座席のフィットチェックがありました。
フィットチェックというか、これはもっとシンプルに、宇宙に来てどれくらい座高が伸びているかを座席に座った状態で確認する作業です。
そもそも身長ですが、そのうち白黒つけなければと思っているのですが、どうやら3cmくらい伸びて夢の180cm台に到達しているようです。
同じことを考えている人が多いらしく、先日ダイニングテーブルがあるNode1(ノード・ワン)というモジュールの壁に、メジャーが貼り付けてあるのを発見しました。
今度それでちゃんと測ってみます。
今日のチェックでは、座席に座ってシートベルトをきっちりと締めた状態で、頭のてっぺんと座席のライナーまで何センチくらいの隙間があるかを測りました。
久しぶりに「座って」みたソユーズは、「よくこんな狭いとこに3人で乗ってたな」と思わざるを得ません。
座席につくと、最初の2日間のフライトで感じた、例の天井に張り付いてる感じがまたしました。
今では、それが作用反作用の法則からくる錯覚だとわかります。
座席に背中をつけると、それと同じ力で座席から押されるので、それが座席から前に押し出されるような感覚になって、前に落下するような気がするのでしょう。
あの時は、そんなこと全くわかりませんでしたね。

午後は、明後日のロボットアーム操作のシミュレーター訓練がありました。
当日の手順書に沿って、一通りの操作をやってみました。
障害物との安全距離を確保するのが重要ですが、今回は「きぼう」の船外カメラからの映像をリアルタイムで使えるのでかなり助かります。
ISSの中心構造から少し離れた位置にある「きぼう」のカメラは、全体を俯瞰するにはうってつけだからです。
アームの全体像をそれで把握しつつ、他のカメラでピンポイントをチェックするということが可能です。

写真はその訓練中にケイトが撮ってくれました。
おでこに何か付いていますが、体温を計るセンサーです。
胸にもつけていますが、おでこと胸で2-3度体温って違うんですね(おでこのほうが高いです)。
36時間つける研究です。

あ、もちろん交信イベント中は外しましたけど。

 
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