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「きぼう」日本実験棟

ミッション結果の要約

最終更新日:2008年4月1日
映像へのリンク SPACE@NAVI-Kibo WEEKLY NEWS 第10号

実施状況および結果

スペースシャトル「エンデバー号」による1J/A(STS-123)ミッションは、3便にわたり打ち上げられる「きぼう」日本実験棟の第1便であり、国際宇宙ステーション(ISS)へ「きぼう」船内保管室を打ち上げ、取り付けました。このミッションには、土井宇宙飛行士が搭乗しました。ISSは、日本、米国、ロシア、カナダ、欧州の構成要素からなる、文字通り国際的な施設となりました。

写真:1J/Aミッション後のISS

1J/Aミッション後のISS(提供:NASA)

ISSに結合された船内保管室

ISSに結合された船内保管室(提供:NASA)

飛行5日目には、土井宇宙飛行士らクルーが、船内保管室へ入室し、日本が開発した最初の有人宇宙施設に日本人が初めて乗り込む、歴史的瞬間を迎えました。

また、1J/Aミッションでは、カナダ宇宙庁(CSA)が開発した「デクスター」(特殊目的ロボットアーム)も運びました。

ミッション中、5回行われた船外活動では、船内保管室の取付け準備やデクスターの組立てが行われました。

ミッションの後半では、センサ付き検査用延長ブーム(Orbiter Boom Sensor System: OBSS)のISSへの取付けが行われました。次回のSTS-124(1J)ミッション「きぼう」船内実験室を搭載し、打ち上げられるスペースシャトル「ディスカバリー号」が、スペースの制約からOBSSを搭載できないため、1J/AミッションでOBSSをISSへと残していきます。このため、OBSSを使用した機体の後期点検は、ドッキング中に行われました。ドッキング中に後期点検を行うのは初めてとなりました。

ISS長期滞在クルーの交替も行われました。2008年2月のSTS-122(1E)ミッションで打ち上げられて以来、第16次長期滞在クルーとしてISSに滞在していたレオポルド・アイハーツ宇宙飛行士に替わり、1J/Aミッションで打ち上げられたギャレット・リーズマン宇宙飛行士が第16次長期滞在クルーに加わりました。

運用を開始した「きぼう」運用管制室

運用を開始した「きぼう」運用管制室

筑波宇宙センター(TKSC)では、1J/Aミッションの打上げに先立ち、「きぼう」運用管制室がその運用を開始しました。今後、50名以上からなる運用管制チーム(JAXA Flight Control Team: JFCT)が、3交代24時間体制で「きぼう」を運用していきます。

その他に、今回のミッションでは28品目ある宇宙日本食のうちの5品目が搭載され、クルーに提供されました。(土井宇宙飛行士の食事メニューはJAXAデイリーレポートでご覧になれます。)

また、JAXAの搭載物として、「コロンバス」(欧州実験棟)で実施する植物実験試料や宇宙船内用日常服(船内被服)、宇宙連詩DVD、「宇宙と生命」を学ぶ教育ミッションのサンプルを運搬しました。

「きぼう」船内保管室

SRMSに把持される船内保管室

SRMSに把持される船内保管室(提供:NASA)

飛行4日目、第1回船外活動でペイロードベイ(貨物室)からの取出し準備が整うと、船内保管室は、土井宇宙飛行士が操作するスペースシャトルのロボットアーム(Shuttle Remote Manipulator System: SRMS)により把持され、3月14日午後5時58分にISSの「ハーモニー」(第2結合部)に結合されました。

その後、ハーモニーと船内保管室の連結部の加圧や気密点検、ケーブル接続などの整備作業が行われました。飛行5日目の日本時間3月15日午前10時23分に船内保管室のハッチが開けられ、午前10時30分に土井、ペギー・ウィットソン、リチャード・リネハン宇宙飛行士が船内保管室へ入室しました。入室後は、照明の点灯や通風換気装置(Inter-Module Ventilation: IMV)の起動、船内保管室の点検などが行われました。

船内保管室に関わる作業は、飛行5日目から飛行10日目にわたり行われました。予定より作業が順調に進んだため、全体的に前倒しで作業が進められ、1J/Aミッション後に予定されていた作業も、実施可能なものは前倒しで行われました。以下、実施された作業です。

船内保管室内で作業を行う土井宇宙飛行士

船内保管室内で作業を行う土井宇宙飛行士(提供:NASA)

ラックの設定
ラックを倒して打上げ時に固定していた金具を外す作業などが行われました。
構造殻(シェル)の温度点検
船内保管室データ監視装置(Minimum Keep Alive Monitor:MKAM)を使用した船内保管室の構造殻(シェル)の温度点検が行われました。温度点検は、今後もISSに滞在するクルーにより定期的に行われます。また、トラニオンピンへの多層断熱材(Multi-Layered Insulation: MLI)カバー取付けがミッション中に実施されるかどうかわからなかったため、MLIカバーを取り付けない状態での熱解析結果を評価するために、MKAMと温度計を使用した温度点検も行われました。
STS-124ミッションに向けた準備
STS-124ミッションで使用する物品を、作業時に使用しやすいように整理する作業が行われました。
ハードパネルの組立て
STS-124ミッションで「きぼう」船内実験室にラックを移設する際に使用されるハードパネルが船内保管室内の収納箇所から取り出され、組立て作業が行われました。
「きぼう」ロボットアームのラップトップコンピュータの画面設定作業
この作業は、1J/Aミッション後に予定されていましたが、前倒しで行われました。
外部テレビカメラの組立て
「きぼう」船内実験室に取り付けられる外部テレビカメラとその支柱が船内保管室の収納場所から取り出され、組立ておよび船内保管室内に固定する作業が行われました。組立て作業は、1J/Aミッション後に予定されていましたが、前倒しで行われました。
船内保管室内の設定作業を終えたラックの確認
船内保管室内部の写真撮影

土井宇宙飛行士の活動

エンデバー号のフライトデッキで作業をする土井宇宙飛行士

エンデバー号のフライトデッキで作業をする土井宇宙飛行士(提供:NASA)

土井宇宙飛行士は、ミッションスペシャリスト(搭乗運用技術者:MS)として、SRMSの操作や、船内保管室に関わる作業全般を担当しました。

船内保管室のISSへの取付け
船外活動で、船内保管室の取付け準備が整うと、SRMSで船内保管室を把持し、ペイロードベイ(貨物室)から持ち上げ、およそ1時間半かけてハーモニーへと移動させ、取り付けました。
船内保管室の整備
船内保管室をISSに取り付けた後、入室に備えた連結部の整備作業や、船内保管室に入室して、搭載したラックの設定などの整備作業を行いました。
OBSSを使用したエンデバー号の機体の損傷点検

OBSSを使用したエンデバー号の機体の損傷点検(提供:NASA)

機体の損傷点検
SRMSとOBSSを使用したエンデバー号の熱防護システム(Thermal Protection System: TPS)の損傷点検を、飛行2日目と飛行12日目に行いました。
船外活動の支援
船外活動時にSRMSおよびSRMSのTVカメラを操作して、 ISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)の操作担当者にモニタ映像を提供し、船外活動の支援を行いました。
物資の移送
ロードマスター(物資移送責任者)として、スペースシャトル/ISS間の物資移送作業の全体を取りまとめました。
宇宙連詩DVDとの記念撮影

宇宙連詩DVDとの記念撮影(提供:NASA)

JAXA教育プロジェクト
JAXAの搭載物である、宇宙連詩DVDと「宇宙と生命」を学ぶ教育ミッションで運搬したサンプルを船内保管室に保管しました。
広報イベント
ドミニク・ゴーリ、ペギー・ウィットソン宇宙飛行士とともに、飛行10日目に実施されたJAXA広報イベントに参加し、首相官邸の福田総理大臣、渡海文部科学大臣、土井宇宙飛行士の出身校である甲府市立東中学校の生徒らと交信を行いました。その他に、軌道上記者会見や、NASA広報イベントに参加しました。
膨張硬化構造物実験装置
膨張硬化構造物実験装置(Rigidizable Inflatable Get-Away-Special Experiment: RIGEX)の起動、および停止を行いました。この実験は、クルーの就寝中にコンピュータプログラム制御で実施されるもので、飛行14日目に起動し、飛行15日目に停止しました。
その他
トレッドミルなどを使用した運動の他、自由時間にはオーロラの撮影や、持っていったブーメランを飛ばすなどしました。

ミッション概要

打上げと帰還

エンデバー号は、NASAケネディ宇宙センター(KSC)から、米国東部夏時間3月11日午前2時28分(日本時間2008年3月11日午後3時28分)に打ち上げられました。

エンデバー号の打上げ

エンデバー号の打上げ(提供:NASA)

エンデバー号は、飛行17日目の3月26日午後8時39分(同3月27日午前9時39分)にKSCに着陸し、15日と18時間11分にわたるミッションを終えました。帰還当日、KSCへの着陸機会は、2回ありましたが、1回目の着陸機会は、KSCの天候が着陸に適さなかったため見送られ、2回目の機会に着陸することになりました。

総飛行距離は約1,058万km(約6,578,000マイル)、地球周回数は249周でした。ISS組立ミッションとしては、最長の飛行期間を記録しました。

打上げと帰還
打上げ日時 2008年3月11日午前2時28分(米国東部夏時間)
2008年3月11日午後3時28分(日本時間)
着陸日時 2008年3月26日午後8時39分(米国東部夏時間)
2008年3月27日午前9時39分(日本時間)
詳細(全て日本時間)
  • 主脚接地時刻:3月27日午前9時39分08秒
  • 前輪接地時刻:3月27日午前9時39分17秒
  • 完全停止時刻:3月27日午前9時40分41秒
飛行期間 15日18時間11分

打上げの詳細はステータスレポート#01を、着陸の詳細はステータスレポート#33をご覧ください。

ISSへのドッキングと分離

ISSにドッキングするエンデバー号

ISSにドッキングするエンデバー号(提供:NASA)

ISSへの結合期間は、これまでのミッションの中で、最も長いものとなりました。

分離の際、P6トラスの太陽電池パドル(Solar Array Wing: SAW)を太陽に向けるための回転機構であるベータ・ジンバル・アセンブリ(Beta Gimbal Assembly: BGA)を固定するためのラッチに時間がかかり、分離は予定よりも約30分遅れました。ラッチは3回目にようやく成功し、SAWを分離に備えた位置に固定できました。

ISSへのドッキングと分離
ドッキング日時 2008年3月12日午後10時49分(米国中部夏時間)
2008年3月13日午後0時49分(日本時間)
分離日時 2008年3月24日午後7時25分(米国中部夏時間)
2008年3月25日午前9時25分(日本時間)
結合時間 11日20時間36分

ドッキングの詳細はステータスレポート#05を、分離の詳細はステータスレポート#29をご覧ください。

船外活動

船外活動の様子

船外活動の様子(提供:NASA)

今回のミッションでは、5回の船外活動が計33時間28分にわたって行われました。ISS組立てとしては、ISSから実施したものを含め、通算109回、計686時間10分の船外活動を実施したことになります。ISS組立てミッションでの船外活動回数は、最多となります。(参考:ISS建設のための船外活動

船外活動では、「きぼう」船内保管室をペイロードベイ(貨物室)から取り外し、ISSへ取り付けるための準備作業や、デクスターの軌道上組立て作業などが行われました。

第1回船外活動(飛行4日目)
開始日時 2008年3月13日午後8時18分(米国中部夏時間)
2008年3月14日午前10時18分(日本時間)
終了日時 2008年3月14日午前3時19分(米国中部夏時間)
2008年3月14日午後5時19分(日本時間)
作業時間 7時間01分
作業者 リチャード・リネハン、ギャレット・リーズマン両宇宙飛行士
主要作業内容
  • 船内保管室の取付け準備
  • デクスターの組立て

詳細は第1回船外活動ステータスレポート#07をご覧ください。

第2回船外活動(飛行6日目)
開始日時 2008年3月15日午後6時49分(米国中部夏時間)
2008年3月16日午前8時49分(日本時間)
終了日時 2008年3月16日午前1時57分(米国中部夏時間)
2008年3月16日午後3時57分(日本時間)
作業時間 7時間08分
作業者 リチャード・リネハン、マイケル・フォアマン両宇宙飛行士
主要作業内容
  • デクスターの組立て

詳細は第2回船外活動ステータスレポート#11をご覧ください。

第3回船外活動(飛行8日目)
開始日時 2008年3月17日午後5時51分(米国中部夏時間)
2008年3月18日午前7時51分(日本時間)
終了日時 2008年3月18日午前0時44分(米国中部夏時間)
2008年3月18日午後2時44分(日本時間)
作業時間 6時間53分
作業者 リチャード・リネハン、ロバート・ベンケン両宇宙飛行士
主要作業内容
  • デクスターの組立て
  • 軌道上交換ユニット(Orbital Replacement Unit: ORU)の船外保管プラットフォーム2(External Stowage Platform: ESP-2)への移送

詳細は第3回船外活動ステータスレポート#15をご覧ください。

材料曝露実験装置6(Materials ISS Experiment: MISSE-6)のふたつあるうちのひとつの容器を、コロンバスの外壁に設置した軽量取付け台(Lightweight Adapter Plate Assembly: LWAPA)に取り付けようとしましたが、取付け機構が合わず、設置作業は第5回船外活動に見送られました。もうひとつの容器についても、作業時間がないため、第5回船外活動に見送られました。

第4回船外活動(飛行11日目)
開始日時 2008年3月20日午後5時04分(米国中部夏時間)
2008年3月21日午前7時04分(日本時間)
終了日時 2008年3月20日午後11時28分(米国中部夏時間)
2008年3月21日午後1時28分(日本時間)
作業時間 6時間24分
作業者 ロバート・ベンケン、マイケル・フォアマン両宇宙飛行士
主要作業内容
  • タイル修理用耐熱材充填装置(Tile Repair Ablator Dispenser: T-RAD)を使用したタイルの損傷修理試験
  • S0(エスゼロ)トラスの故障した遠隔電力制御モジュール(Remote Power Controller Module: RPCM)の交換
  • ハーモニーの共通結合機構(Common Berthing Mechanism: CBM)のロンチロック機構の取外し

詳細は第4回船外活動ステータスレポート#21をご覧ください。

第5回船外活動(飛行13日目)
開始日時 2008年3月22日午後3時34分(米国中部夏時間)
2008年3月23日午前5時34分(日本時間)
終了日時 2008年3月22日午後9時36分(米国中部夏時間)
2008年3月23日午前11時36分(日本時間)
作業時間 6時間02分
作業者 ロバート・ベンケン、マイケル・フォアマン両宇宙飛行士
主要作業内容
  • OBSSのS1トラスへの取付け
  • 右舷側太陽電池パドル回転機構(Solar Alpha Rotary Joint: SARJ)の点検
  • MISSE-6のコロンバス外部への取付け
  • 船内保管室のトラニオンピンへのMLIカバーの取付け

詳細は第5回船外活動ステータスレポート#25をご覧ください。

時間があれば実施するとされていた、船内保管室のトラニオンピンへのカバー取付けが実施されました。また、当初の計画で予定されていた、トランドル・ベアリング(Trundle Bearing Assembly: TBA)の設置作業は、MISSE-6の設置を行うため、今後の船外活動に見送られました。

船内活動

SSRMSを操作するクルー

SSRMSを操作するクルー(提供:NASA)

  • 船内保管室の整備
  • SRMSとSSRMSの運用
  • 「デスティニー」(米国実験棟)内の実験ラックのコロンバスへの移動
  • 船外活動の支援
  • エンデバー号とISS間の物資の移送(土井宇宙飛行士がロードマスター(物資移送責任者)を担当)
  • テレビ局、通信社とのインタビューなどの広報活動

主な問題など

取外し可能型スペースラブパレット1(SLP-D1)

SSRMSに把持されるデクスター

SSRMSに把持されるデクスター(提供:NASA)

取外し可能型スペースラブパレット1(Spacelab Pallet-Deployable 1: SLP-D1)のケーブルの設計上の問題で、デクスターにヒータ電力を供給できない問題が発生しました。

制御用ソフトウェアの更新により解決を試みましたが、問題は解決せず、デクスターをデスティニーに取り付けるまでは、SSRMSでデクスターを把持することにより、ヒータ電力を供給しました。

フラッシュ・エバポレータ・システム(FES)

エンデバー号のフラッシュ・エバポレータ・システム(Flash Evaporator System: FES)の制御装置のひとつが利用できなくなりました。FESは、スペースシャトルで発生した熱を船外に放出する装置で、3重冗長構成になっており、ミッション遂行には影響ありませんでした。

船内保管室の照明装置(General Luminaire Assembly: GLA)

船内保管室に4つある照明装置(General Luminaire Assembly: GLA)のうち、ひとつが故障しました。原因究明を行った結果、蛍光灯のランプ切れではなく、装置側が故障していることが確認されました。

 
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