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「きぼう」日本実験棟

ミッション結果の要約

最終更新日:2008年6月19日

実施状況および結果

スペースシャトル「ディスカバリー号」による1J(STS-124)ミッションは、3便にわたり打ち上げられる「きぼう」日本実験棟の第2便であり、国際宇宙ステーション(ISS)へ「きぼう」船内実験室およびロボットアームを打ち上げ、取り付けました。このミッションには、星出宇宙飛行士が搭乗しました。

1Jミッションの完了により、ISS上で「きぼう」の中心部が完成し、今後「きぼう」がISSの一部として本格的に実験運用を開始するための基盤が整いました。

写真:1Jミッション後のISS

1J(STS-124)ミッション後のISS

ISSに取り付けられた「きぼう」日本実験棟

ISSに取り付けられた「きぼう」日本実験棟(提供:NASA/JAXA)

「きぼう」船内実験室は、飛行4日目に星出宇宙飛行士らによりISSの「ハーモニー」(第2結合部)に取り付けられ、飛行6日目に起動が完了しました。飛行5日目には、星出宇宙飛行士らクルーが室内に入室しました。また、「きぼう」のシステムの起動・運用や実験を行うためのラックが、「きぼう」船内保管室から船内実験室に移設されました。

「きぼう」ロボットアームは、飛行7日目に起動され、その後部分的に展開されて、飛行10日目に完全展開が行われました。また、前回の1J/A(STS-123)ミッションでハーモニーに仮設置されていた船内保管室が、飛行7日目に船内実験室の天頂部へ移設されました。

STS-124クルーの「きぼう」船内実験室入室時の運用管制室

STS-124クルーの「きぼう」船内実験室入室時の運用管制室

ミッション中、3回行われた船外活動では、船内実験室をペイロードベイ(貨物室)から取り外し、ISSへ取り付けるための準備作業などが行われました。

筑波宇宙センター(TKSC)の「きぼう」運用管制室からは、飛行5日目の船内実験室の起動時に、初めてコマンドが送信されました。船内実験室がISSに取り付けられたことにより、「きぼう」の運用に必要なテレメトリ/コマンド機能が軌道上で整備され、「きぼう」運用管制室から直接制御を行うことができるようになりました。

今回のミッションでは、スペースシャトルの熱防護システム(Thermal Protection System: TPS)の点検が、2回行われました。飛行2日目には、センサ付き検査用延長ブーム(Orbiter Boom Sensor System:OBSS)を使用せずにスペースシャトルのロボットアーム(Shuttle Remote Manipulator System: SRMS)に装備されているカメラのみによる点検を行い、ISSから分離した後の飛行12日目に、OBSSとSRMSを使用した詳細点検を行いました。

通常の飛行2日目の運用では、SRMSとOBSSを使用したTPSの検査を行います。1Jミッションでは、搭載物である船内実験室の大きさにより、打上げの際にOBSSを搭載できないため、前回の1J/AミッションでISSに取り付けられたOBSSをミッション中に回収し、分離後に詳細点検が行われました。

ラック移設後の「きぼう」船内実験室の内部の様子

ラック移設後の「きぼう」船内実験室の内部の様子

また、ISS長期滞在クルーの交替も行われました。船内保管室をISSへ運んだ2008年3月の1J/Aミッションで打ち上げられて以来、第16次第17次長期滞在クルーとしてISSに滞在していたギャレット・リーズマン宇宙飛行士に代わり、1Jミッションで打ち上げられたグレゴリー・シャミトフ宇宙飛行士が第17次長期滞在クルーになりました。

1J/Aミッションに続き、今回のミッションでも宇宙日本食が搭載され、クルーに提供されました。(星出宇宙飛行士の食事メニューはJAXAデイリーレポートでご覧になれます。)

その他に、故障した「ズヴェズダ」(ロシアのサービスモジュール)のトイレのポンプの交換部品が運ばれ、復旧作業が行われました。

「きぼう」船内実験室

船内実験室は、ハーモニーへ取り付けられた後、B系システムの起動、入室、船内保管室から船内実験室へのラックの移設と接続、A系システムの起動など、「きぼう」を通常モードで運用するための初期設定が行われました。船内実験室の取付け・起動手順は以下の通りです。これらの作業は、星出宇宙飛行士とカレン・ナイバーグ宇宙飛行士が中心となって行いました。

ペイロードベイ(貨物室)からの取出し、ハーモニーへの取付け(飛行4日目)

ペイロードベイ(貨物室)から取り出された船内実験室

「きぼう」運用管制室からの初めてのコマンド送信

第1回船外活動によりディスカバリー号のペイロードベイ(貨物室)から船内実験室の取出し準備が整った後、船内実験室は星出宇宙飛行士の操作するISSのロボットアーム(Space Station Remote Manipulator System: SSRMS)に把持され、6月4日午前8時42分にハーモニーの左舷側への取付けが完了しました。
B系システムの起動(飛行5日目)
NASAの宇宙ステーション管制センターからのコマンドにより初期起動が行われた後、TKSCの「きぼう」運用管制室と船内実験室内にある「きぼう」の頭脳である「きぼう」制御装置(JEM Control Processor: JCP)が通信できるようになり、そして6月5日午前4時51分に、「きぼう」運用管制室から初めてのコマンドが送信されました。起動作業は、その後「きぼう」運用管制室から継続して行われ、完了しました。
入室(飛行5日目)
船内実験室とハーモニーの連結部で電力ケーブルや配管類の接続作業を行った後、6月5日午前6時05分にハッチが開けられ、星出宇宙飛行士らクルーが船内実験室に入室しました。船内実験室は、ISSで一番大きな与圧モジュールとなり、また、打上げ時には内部がほとんど空の状態であったため、この日の入室時は、STS-124ミッションクルーとISSクルー含めた10人全員が中に入って、広い空間を楽しみました。

船内実験室入室(13分17秒)
※動画の表示に時間がかかる場合があります。

ロボットアーム制御ラックの移設(飛行5日目)
「きぼう」ロボットアームの温度確認に必要なロボットアーム制御ラックを、船内保管室から船内実験室に移設しました。
A系システムの起動/ラックの移設(飛行6日目)
1J/Aミッションで、船内保管室に搭載してあらかじめ運んでいた8台のラックのうち、A系システムの起動に必要なシステムラックを船内保管室から船内実験室に移設し、配線を接続しました。その後、「きぼう」運用管制室から送信されたコマンドにより、船内実験室のA系システムの起動が行われました。起動後には、残り全てのラックを船内保管室から船内実験室へと移動し、設置しました。
船外活動による船内実験室外部の整備(飛行6日目)

ハーモニー(右奥)に取り付けられた船内実験室

第2回船外活動では、船内実験室外部へのテレビカメラの設置、船内保管室移設時の結合部となる、船内実験室上部の共通結合機構(Common Berthing Mechanism: CBM)の準備作業、船内実験室外部のトラニオンピンとキールピンへの断熱カバー取付けなどが行われました。また、船内実験室天頂部のCBMのラッチ機構に、CBMハッチ表面の多層断熱材(Multi Layer Insulation: MLI)カバーが干渉していたため、第2回船外活動でMLIカバーを折り込んで干渉を避ける処置を行いました。

「きぼう」ロボットアーム

「きぼう」ロボットアームは、船内実験室に固定された状態で打ち上げられ、軌道上で起動・展開されました。ロボットアームを操作するためのロボットアーム操作卓は、すでに1J/Aミッションで船内保管室に搭載されて打ち上げられており、船内実験室がISSに取り付けられた後、船内保管室から船内実験室へ移設されました。ロボットアームが起動・展開された手順は以下の通りです。これらの作業は、星出宇宙飛行士とナイバーグ宇宙飛行士が中心となって行いました。

ロボットアーム制御ラックの移設(飛行5日目)
ロボットアーム制御ラックを船内実験室へ移設する星出宇宙飛行士

ロボットアーム制御ラックを船内実験室へ移設する星出宇宙飛行士

船内実験室がISSに取り付けられ、B系システムが起動された後、星出宇宙飛行士らが入室し、その後、ロボットアーム制御ラックが船内保管室から船内実験室に移設されました。
ロボットアーム操作卓の起動(飛行6日目)
ロボットアーム制御ラックの起動が行われ、ロボットアームのヒータ稼働が必要かどうか判断するための温度データの確認が行われました。また、第2回船外活動において、ロボットアームの起動後に不要となる断熱カバーの取外しが行われました。
ロボットアームの起動(飛行7日目)
ロボットアーム操作卓からロボットアームの起動と、アームのブレーキ解除が行われました。
ロボットアームの部分展開(飛行8日目)
ロボットアーム操作卓で作業する星出、ナイバーグ両宇宙飛行士

ロボットアーム操作卓で作業する星出、ナイバーグ両宇宙飛行士

打上げ時にロボットアームを船内実験室の外壁に3箇所で固定していた保持解放機構(Hold and Release Mechanism: HRM)が、船内からの操作で解除され、6月8日午前1時38分からロボットアームが徐々に部分展開されました。
カメラのロンチロックと断熱カバーの取外し(飛行9日目)
第3回船外活動にて、「きぼう」ロボットアームの2台あるテレビカメラのロンチロック(打上げ時の固定機構)と断熱カバーが取り外され、完全展開するための準備が整いました。
ロボットアームの完全展開(飛行10日目)
6月9日午後9時28分からロボットアームの完全展開が開始されました。ロボットアームは完全展開された後、保存姿勢に移行され、午後10時31分に展開作業は完了しました。その後、各関節のブレーキの利きを確認するブレーキ試験を実施し、機能が正常であることが確認されました。
写真:「きぼう」ロボットアームの展開の様子

「きぼう」ロボットアームの展開の様子

バックアップドライブシステム(BDS)の設置(飛行11日目)
トラブルによってロボットアーム操作卓が使えなくなった場合でも、アームを安全な状態にまで戻すことができるようにする予備の駆動システムとなる、「きぼう」ロボットアーム用のバックアップドライブシステム(Backup Drive System:BDS)が設置されました。

「きぼう」船内保管室

船内保管室は、1J/Aミッションでハーモニーの天頂側に仮設置されており、船内実験室のハーモニー左舷側への取付け完了後、船内実験室の天頂側に移設されました。船内保管室の移設手順は以下の通りです。これらの作業は、星出宇宙飛行士とナイバーグ宇宙飛行士が中心となって行いました。

船内実験室への移設(飛行7日目)

船内実験室に接近する船内保管室

船内実験室(下)と移設後の船内保管室(中央)

ハーモニーと船内保管室間を固定しているCBMのボルトを分離して結合を解除した後、船内保管室はSSRMSにより取外し、移動が行われ、船内実験室の天頂部に取り付けられました。両モジュールのCBMをボルトで固定し、6月7日午前6時17分に船内保管室の移設が完了しました。その後、連結部の加圧と気密点検が行われました。
連結部の設定(飛行8、9日目)
船内実験室と船内保管室の連結部において、断熱カバーの取外しのほか、ヒータ制御装置(Heater Controller: HCTL)の起動に必要な配線の接続を行い、船内保管室のヒータの起動を行いました。
入室(飛行10日目)
連結部の整備が整った後、星出宇宙飛行士らクルーが、6月10日午前3時21分に船内保管室へ入室しました。

星出宇宙飛行士の活動

星出宇宙飛行士は、ミッションスペシャリスト(搭乗運用技術者:MS)として、SSRMSの操作や、「きぼう」に関わる作業全般を担当しました。

ランデブ/ドッキング(飛行3日目)
ISSとの距離と接近速度を測定する星出宇宙飛行士

ISSとの距離と接近速度を測定する星出宇宙飛行士

ランデブ/ドッキング時に、携帯用のレーザ測距装置を用いて、ISSとの距離と接近速度を測定し、ドッキングの支援を行いました。ISSにドッキングした後は、ISSへの入室に備え、スペースシャトルとISS間のドッキング機構の操作や気密点検を行いました。

船内実験室の取付け(飛行4日目)
デスティニー内からSSRMSを操作し、船内実験室の取付け作業を行う星出宇宙飛行士

デスティニーでSSRMSを操作し、船内実験室の取付け作業を行う星出宇宙飛行士

第1回船外活動で、船外活動クルーにより、船内実験室の取出し準備が整うと、星出宇宙飛行士は、SSRMSで船内実験室をペイロードベイ(貨物室)から取り出し、ハーモニー左舷側へ取り付けました。

船内実験室の起動準備・入室(飛行5日目)
船内実験室へ入室直後の星出宇宙飛行士。手持ちの紙には「いらっしゃ~い!!WELCOME」の文字

船内実験室へ入室直後の星出宇宙飛行士。手持ちの紙には「いらっしゃ~い!!WELCOME」の文字

船内実験室とハーモニーの連結部で電力ケーブルや配管類の接続作業を行い、船内実験室の起動・入室準備を整えました。船内実験室のB系システムの起動完了後、6月5日午前6時05分にハッチを開け、午前6時09分に船内実験室に入室しました。

船内実験室の整備、ラックの移設(飛行5、6日目)
「きぼう」ロボットアーム制御ラックを船内実験室へ移設する星出宇宙飛行士

「きぼう」ロボットアーム制御ラックを船内実験室へ移設する星出宇宙飛行士

船内実験室へ入室後、室内の点検と設定を行い、1J/Aミッションで運搬した船内保管室内に搭載されていたラック8台を船内実験室へ移設しました。

船内保管室の移設準備と移設後の作業(飛行7、8、10日目)
船内保管室とハーモニーの連結部の配線・配管の取外しや減圧、CBMボルトの解除など、船内保管室移設の準備作業を行いました。移設後には、CBMの操作や連結部の加圧と気密点検、断熱カバーの取外し、船内保管室のヒータ起動などを行いました。
「きぼう」ロボットアームの操作(飛行6、7、8、10、11日目)
ロボットアーム操作卓で作業する星出宇宙飛行士

ロボットアーム操作卓で作業する星出宇宙飛行士

ロボットアーム操作卓の組立て、起動作業を行いました。その後、ロボットアーム操作卓からの操作で、「きぼう」ロボットアームのHRMを解除し、「きぼう」ロボットアームの部分展開、完全展開、保存姿勢への移行、ブレーキ試験を実施しました。飛行11日目には、「きぼう」ロボットアーム用のBDSを設置しました。

SSRMSの操作(飛行4、9日目)
飛行4日目の第1回船外活動では、船内実験室の取付けのほか、SSRMSを操作し、OBSSをSRMSに受け渡す作業を行いました。また、飛行9日目の第3回船外活動では、SSRMSを操作し、窒素タンク(Nitrogen Tank Assembly: NTA)を運搬する船外活動クルーをSSRMSに乗せて、船外保管プラットフォーム3(External Stowage Platform: ESP-3)とS1トラス間を移動させました。星出宇宙飛行士は、SSRMSを操作した初の日本人宇宙飛行士となりました。
広報イベント(飛行2、8、10、13、14日目)
JAXA広報イベントの様子

JAXA広報イベントの様子

飛行8日目には、毛利宇宙飛行士の進行のもと、ISSと日本科学未来館をつないで行われたJAXA広報イベントに参加し、福田総理大臣、渡海文部科学大臣、J・トーマス・シーファー駐日米国大使、星出宇宙飛行士の出身校の生徒らと交信を行いました。その他に、軌道上共同記者会見や、NASA広報イベントに他のクルーとともに参加しました。

ミッション概要

打上げと帰還

ディスカバリー号の打上げ

ディスカバリー号の打上げ

スペースシャトル「ディスカバリー号」は、6月1日午前6時02分に、NASAケネディ宇宙センター(KSC)から打ち上げられました。ディスカバリー号の打上げは35回目、スペースシャトルの打上げとしては123回目となりました。

そして、飛行15日目の6月15日午前0時15分にKSCに着陸し、13日と18時間13分にわたるミッションを終えました。

総飛行距離は約917万km(約5,700,000マイル)、地球周回数は217周でした。


打上げと帰還
打上げ日時 2008年5月31日午後5時02分(米国東部夏時間)
2008年6月1日午前6時02分(日本時間)
着陸日時 2008年6月14日午前11時15分(米国東部夏時間)
2008年6月15日午前0時15分(日本時間)
詳細(全て日本時間)
  • 主脚接地時刻:6月15日午前0時15分19秒
  • 前輪接地時刻:6月15日午前0時15分30秒
  • 完全停止時刻:6月15日午前0時16分19秒
飛行期間 13日18時間13分

打上げの詳細はJAXAデイリーレポート 飛行1日目STS-124 NASAステータスレポート#01を、着陸の詳細はJAXAデイリーレポート 飛行15日目STS-124 NASAステータスレポート#29をご覧ください。

ISSへのドッキングと分離

ISSへのドッキングと分離
ドッキング日時 2008年6月2日午後1時03分(米国中部夏時間)
2008年6月3日午前3時03分(日本時間)
分離日時 2008年6月11日午前6時42分(米国中部夏時間)
2008年6月11日午後8時42分(日本時間)
結合時間 8日17時間39分

ドッキングの詳細はJAXAデイリーレポート 飛行3日目STS-124 NASAステータスレポート#05を、分離の詳細はJAXAデイリーレポート 飛行12日目STS-124 NASAステータスレポート#23をご覧ください。

船外活動

船外活動の様子

船外活動の様子

今回のミッションでは、3回の船外活動が計20時間32分にわたって行われました。ISS組立てとしては、ISSから実施したものを含め、通算112回、計706時間42分の船外活動を実施したことになります。(参考:ISS建設のための船外活動

船外活動では、「きぼう」船内実験室をペイロードベイ(貨物室)から取り外し、ISSへ取り付けるための準備作業などが行われました。

ミッション中、正常に稼動しているP3トラスの太陽電池パドル回転機構(Solar Alpha Rotary Joint: SARJ)の点検が追加され、第2回、第3回船外活動で作業が行われました。また、第2回船外活動で設置された船内実験室の外部テレビカメラの映像に揺れが確認されたため、取付け部を点検するとともに、ボルトの増し締め作業が第3回船外活動で行われました。

第1回船外活動(飛行4日目)
開始日時 2008年6月3日午前11時22分(米国中部夏時間)
2008年6月4日午前1時22分(日本時間)
終了日時 2008年6月3日午後6時10分(米国中部夏時間)
2008年6月4日午前8時10分(日本時間)
作業時間 6時間48分
作業者 マイケル・フォッサム、ロナルド・ギャレン両宇宙飛行士
主要作業内容
  • スペースシャトルのロボットアーム(Shuttle Remote Manipulator System: SRMS)の肘部カメラの固定解除
  • センサ付き検査用延長ブーム(Orbiter Boom Sensor System:OBSS)のS1トラスからの取外し
  • 「きぼう」日本実験棟船内実験室の取付け準備
  • 「きぼう」船内実験室の窓のシャッターの固定解除
  • 右舷側太陽電池パドル回転機構(Solar Alpha Rotary Joint: SARJ)の関連作業

詳細は第1回船外活動STS-124 NASAステータスレポート#07をご覧ください。

第2回船外活動(飛行6日目)
開始日時 2008年6月5日午前10時04分(米国中部夏時間)
2008年6月6日午前0時04分(日本時間)
終了日時 2008年6月5日午後5時15分(米国中部夏時間)
2008年6月6日午前7時15分(日本時間)
作業時間 7時間11分
作業者 マイケル・フォッサム、ロナルド・ギャレン両宇宙飛行士
主要作業内容
  • 「きぼう」日本実験棟外部の整備作業(船内実験室の外部テレビカメラ2台の設置、断熱カバーの取り外しなど)
  • S1トラスのNTAの交換準備
  • P1トラスの船外テレビカメラの回収
  • 左舷側のSARJの点検作業

詳細は第2回船外活動STS-124 NASAステータスレポート#11をご覧ください。

第3回船外活動(飛行8日目)
開始日時 2008年6月08日午前8時55分(米国中部夏時間)
2008年6月08日午後10時55分(日本時間)
終了日時 2008年6月08日午後3時28分(米国中部夏時間)
2008年6月09日午前5時28分(日本時間)
作業時間 6時間33分
作業者 マイケル・フォッサム、ロナルド・ギャレン両宇宙飛行士
主要作業内容
  • S1トラスの窒素タンク(NTA)の交換
  • 「きぼう」ロボットアームの2台のカメラから固定器具と断熱カバーの取外し
  • 船内実験室と船内保管室結合部のデブリ防護パネル展開
  • P1トラスの外部テレビカメラの取付け
  • 左舷側のSARJの点検作業
  • 船内実験室の外部テレビカメラの点検、ボルトの増し締め

詳細は第3回船外活動STS-124 NASAステータスレポート#17をご覧ください。

主な問題など

打上げによる39A射点の損傷

39A射点の損傷の様子

39A射点の損傷の様子

打上げ時に、NASAケネディ宇宙センター(KSC)の39A射点が損傷を受け、フレームトレンチと呼ばれるロケットの炎を逃がすための溝から多数のコンクリート片やレンガが剥がれ、吹き飛びました。この損傷による、ミッションへの影響はありませんでした。NASAでは引き続き、損傷の原因や射点の修理方法などが検討されています。

打上げ時の断熱材の剥離

上昇時に、外部燃料タンク(External Tank: ET)から断熱材がいくつか剥離したことが確認されましたが、NASAによると、剥離が発生したのは上昇の後半であったため、空気力学的な作用から断熱材とオービタとの相対速度が遅いこと、断熱材の質量が小さいことから特に問題はないと判断されました。ミッション中は、SRMSカメラを使用した点検やISSへの接近時に撮影された画像の解析が行われました。

NASAの冷却水系統の問題

船内実験室の起動・入室準備時に、ISSのNASA側の冷却水系統の配管に空気が入っていることがわかりましたが、地上で検討した結果、配管を接続しても問題ないと判断し、接続作業が継続されました。船内実験室の冷却水循環ポンプの起動作業において、気泡を分散させるために冷却水量を増やして運転を開始し、混入した空気は抜けました。この対応に時間がかかりましたが、星出宇宙飛行士らクルーとNASA、JAXAの飛行管制チームが連携し、星出宇宙飛行士が行う予定であったB系システムの初期起動を、星出宇宙飛行士に代わりNASAの宇宙ステーション管制センターからのコマンドにより行い、並行して星出宇宙飛行士は船内実験室への入室準備作業を進めることにより、遅れた時間を取り戻しました。

船内実験室内のファンの停止

飛行6日目、船内実験室内のふたつあるファンのうちひとつのファンが自動で停止しました。これは、熱交換器へ流す低温冷却水流量が若干多すぎたこと、多数のクルー入室により一時的に船内湿度が上昇したことで、水分検出器が作動し、自動停止機能が働いたと考えられています。水分検知によりファンを自動停止する機能を一時的に解除してファンの再起動を実施し、通常運転に復帰しました。

姿勢制御システム(RCS)噴射試験後の浮遊物

クルーにより確認された浮遊するRSBの熱防護材

クルーにより確認された浮遊するRSBの熱防護材

飛行14日目、姿勢制御システム(Reaction Control System: RCS)の噴射試験後に、ディスカバリー号の後方に浮遊物が確認されましたが、解析の結果、打上げ時の熱環境から尾翼のラダー/スピードブレーキ(Rudder Speed Break: RSB)を保護するもので、帰還には問題のないことが分かりました。

*特に断りのない限り、日時は日本時間です。
*特に断りのない限り、写真はNASA提供です。

 
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