第10回 航空機による学生無重力実験コンテスト
※表の をクリックすると、対応する内容が下に表示されます。
「重力変化における右心機能の非侵襲測定」
東洋大学
野口将平
私は元々、非侵襲の右心機能測定装置の開発を研究テーマとして行っており、我らのリーダーである神山君から、このテーマで実験コンテストに採用をされたと告げられた時は本当に嬉しかったです。
私達のチームは3人でそれぞれ役割が、リーダーの神山君は企画書や倫理関係の書類の作成を、磯前さんは地上実験の際に比較検討に使う超音波診断装置全般を、そして私は本番の実験で使う装置の開発を行うという風に分かれていました。自分の装置開発の部分は、飛行機のエンジン音の対策や装置を安定して測定できるものにする事が本当に大変でしたが、助教授の秋元俊成先生のおかげでなんとか形にする事ができました。
パラボリックフライト本番、飛行機が離陸し機体が安定したら、事前にチームメンバーで作成した、セットアップのチェックリストを見ながら確実に実験準備を行いました。
1回目の30秒前のコールの後、今まで体験した事のない、ものすごい力で抑えつけられる感覚を味わいました。このときにあまり首を動かしたりすると気持ち悪くなると聞いていたので只々じっとしていました。その後5秒前のコールが聞こえたなと思った次の瞬間体が浮き上がり、上下が分からなくなりました。浮いて少ししてからこれがμGだと認識できたと同時に、こんな面白い体験があと約10回も出来るのかと思い、嬉しさとわくわくで頭がいっぱいになりました。こんなに面白い実験だと時間はあっという間に過ぎてしまうのだろうなと思っていましたが、残念ながら私の場合そうではありませんでした。
最初に体の異変に気づいたのは2回目のμGの後でした。2回目の後、ちょっときつめの立ちくらみのような感覚を感じ、3回目の後には、視界が一瞬真っ暗になり視界が戻ったと思ったら手足が痺れていました。それ以降はものすごく気分が悪い中、装置の調整をしつつ、データが上手く取れている事、早く実験が終わることをただ祈っていました。
パラボリックフライト本番の実験は被験者2人ともデータの取得でき大成功でした。取得したデータを見ていて一番驚いたのはμGチームで協力し合い、今回の実験を成し遂げることができ、本当に良い経験になりました。
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