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教育イベント

航空機による学生無重力実験コンテスト

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過去のテーマ紹介

第10回 航空機による学生無重力実験コンテスト

参加した学生からの日記・体験談
チーム名 テーマ名 代表提案者 日記 体験談
宇宙美 YKA-2012 泡花の成長 増本優衣
(お茶の水女子大学)
1.
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3.
4.
農業するなら宇宙でしょ? 微小重力下における土壌粒子モデル間隙中の水分移動

名倉理紗
(明治大学)

1.
2.
3.
4.
メディカルロボティクス研究室 重力変化における右心機能の非侵襲測定 神山健太
(東洋大学)
1.
2.
3.
スペースハム 静電力を用いた小惑星からのサンプリング技術 芦葉健太郎
(早稲田大学 大学院)
1.
2.
チャルメラ 気泡表面における結晶核形成の“その場”観察 五十嵐愛子
(東北大学)

※表の をクリックすると、対応する内容が下に表示されます。




【体験談】宇宙美 YKA-2012

「泡花の成長」

お茶の水女子大学 理学部
増本優衣

重力の支配から解き放たれたなら…

「私たちがふだん目にする現象は重力に支配されたもの。重力の影響を取り除いてしまったら、不思議な現象が見られるものって身近にたくさんあるはずだよね。」そのような話をしながら、ふだん行っている簡単な実験を、もし無重力空間で同じように行ったら、同じ結果は得られないのではないか?これって重力があるからだよね?という興味が、今回私たちがプロジェクトに参加したきっかけです。応募してから約1ヶ月後、採択とのメールをいただきました。いざ案が通ると、ある日の思いつきで提出したこの案で、本当に何らかの成果を出せるのだろうか、採択された嬉しさよりも不安のほうがずっと大きかったです。しかしながら、指導教員の森先生に背中を押していただき、“泡花の成長”というプロジェクトがスタートしました。
はじめに直面した困難は、微少重力下では、泡はそう単純には生成しないということ。泡が出口から出てきてはじめて成果の得られる実験を考えていた私たちにとって、そのことは大問題でした。様々なスポンジを買ってきたり、洗剤水の組成を変えてみたり、と試行錯誤の末、ようやくノズルを完成させました。その後も、溶液の保持の仕方、泡の回収の仕方、…たくさんの問題にぶちあたりました。重力が常にかかっている中で生活している私たちにとっては、当たり前の現象が、無重力になると当たり前にはおこらないからです。8月の合同調整会や、11月のIF確認会、また、航空機実験を何度もご指導なさってきた森先生のアドバイスがあってこそ、これまで考えたことのなかった無重力中での現象を多々知ることができました。そのようなたくさんの未知の現象への対処法をあらかじめ考えねばならず、そのうえ、実験ができるのはたった1回限りで、体験したこともない微少重力状態の中で成功させなければならないというプレッシャーで、装置が完成するまでは不安でいっぱいでした。しかし、準備期間であった4ヶ月はあっという間に過ぎ、実験当日1週間前、装置も発送し終え、自分たちのこれまでのデータをまとめた冊子もつくり、ここまで来たときには、もう遠足気分でした♪実験場所である名古屋に行って、何を食べようかな~なんて考えながら、当日を楽しみにしていました。
現地に入ると、JAXA、JSF、DASや海外のチームの皆さんとの交流もあり、とても楽しく過ごすことができました。実験当日、飛行機に向かう搭乗者の方々の姿はとてもかっこよく、ジェットコースターの苦手な私は、「絶対乗れない!」と言っていたのですが、やっぱり乗ってみたいなあと思ってしまうほどでした。そして何より、チーム4人で必死になって準備し、実験当日、搭乗して実験操作をしてくれた2人と夜遅くまでデータの解析をしてくれたもう1人の頑張りがあってこそ、おもしろい画像を得ることができ、大きなプロジェクトに関わってこられたことに大きな感動を味わうことができました。
無重力について、体や物が宙に浮くということくらいしか知らなかった私ですが、装置の制作や、専門の方々や他チームの皆さんとの交流などを通して、今ではある程度どのようなことが起こるのかの予測までできるようになりました。そういった知識はもちろんのこと、このような大きなプロジェクトに関わることの楽しさを知ることもできました。1回限りの失敗のできない実験当日に向けて仲間と必死に準備を整えた上での実験結果に、大きな達成感も得られました。採択された時点では、この実験を成功させられるのか、学部3年だったこともあって自分の専門の勉強と両立できるのか、不安な気持ちを抱きながらのスタートでしたが、たくさんのご支援のもとで、このプロジェクトを通して得たことは本当に多く、参加できて本当に良かったと感じています。
最後になりましたが、このような機会を設けてくださった皆様のご支援、そして、指導教員の森先生のお力添えと一緒に活動してきたチームのメンバーとの協力があってこそ、こうした素敵な経験ができたのだと思っております。本当にありがとうござました。

謝辞

パラボリックフライト実験の機会を与えてくださった宇宙航空研究開発機構、実験実施の環境を整えてくださった日本宇宙フォーラム、現地での実験実施のサポートをしてくださったダイヤモンドエアサービス、実験装置の開発などの支援をしてくださったお茶の水女子大学理数応援プロジェクトアドバンストプログラムおよび同大学教員森義仁先生、芸術面でのご指導を賜りました筑波大学教授逢坂卓郎先生、同プロジェクトに共に参加された他チームの皆様に感謝申し上げます。



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