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第10回 航空機による学生無重力実験コンテスト
※表の をクリックすると、対応する内容が下に表示されます。
「微小重力下における土壌粒子モデル間隙中の水分移動」
名倉理紗
明治大学
この日は実験装置などの荷物を実験地(名古屋)に発送する日でした。
当初は実験装置すべてを梱包して送る予定でした。しかし一番重要な実験装置が完成したのが13日だったため、実験装置の微調整を名古屋に出発するギリギリまでやりたいということになり、急遽ベースプレート(実験装置の基盤)など大まかな装置のみの発送となりました。
といっても、荷物の重量はかなりあり…運送業者さんが荷物を持ち上げるときに「うっ」と呻いてよろけていてちょっと申し訳ない気持ちになりました…
この日は実験装置の微調整や設置などを行いました。
水漏れ対策として、実験装置の継ぎ目にシリコンボンド的なものを塗布していたのですが、これがなかなか固まってくれません…さらに固まる間に固定位置がズレてしまったりするので、やり直しも何回もしました。
そうこうしているうちに夜の11時!名倉の終電の時間です!
今までは、共同実験者の一人暮らし組が大学に泊まりこんで準備してくれることはあったのですが、この日とうとう名倉も徹夜することになりました!
深々と冷える実験室で皆で黙々と作業し、夜が明けました。
朝、椅子の上で目覚めました。
今日は名古屋に行く前に準備ができる最後の日。と同時に、研究室の飲み会の日。
ゼミ生みんなが料理を作ってくれている中、私たちJAXA班(研究室での私たちの通称)は準備に追われて何も手伝えず、申し訳ないと思いながら最終調整をしていました。
研究室の先輩方も準備を手伝ってくださいましたが、名古屋に持っていくものの確認をしだしたのが夜だったため、この日も徹夜コースに…
名倉と片野さんは明日からの荷物等準備のため自宅に帰らせてもらい、一人暮らし組は徹夜で準備・梱包をしてくれました。
本当に感謝しきれません!!2人ともすみませんでした。
名古屋に出発する日。
前日に新幹線の時間やバスの時間など調べて集合時間を決めた張本人・名倉が遅刻。
名古屋のエアポートウォークで合流した時は、まともに共同実験者のみんなの顔を見ることができませんでした…本当に本当に本当にごめんなさい。。。
DASに入り、社員の方々の懐かしい顔ぶれが!私は本コンテストの参加は2回目なのです。
再会することができ、めっちゃ嬉しかったです!
と嬉しがっていたのもつかの間、午後は装置を全て組み立てて機内に搬入しました。
共同実験者のみんながテキパキと動いてくれたおかげで、予想していたよりも早く作業を終えることができました!
しかし……実験装置に不具合発生。塗布したシリコンがまだやわらかかったのか、装置の固定位置がズレてしまいました。
これは…
徹夜コースですね!(笑)
ということで装置をホテルに持って帰り、深夜まで作業しました。半徹で済みました。
…あぁ、明日ちゃんと起床できますように。
朝。
ホテルの食堂に行くと……誰にも会えませんでした。笑
でもホテルを出発する時間には全員集合したので大丈夫でした!
午前中は機内で実験装置の撮影用カメラの調整などをし、午後はEMI試験をしました。特に不具合はなく、無事に終わりました。
今日は寝れる!笑(一人暮らし組は17日からずっと夜中の作業をしていたのでまともに寝られていませんでした。ごめんなさい。)
共同実験者の片野さんは、諸事情により今日までしか一緒にいられませんでした。
片野さんタイにいってらっしゃい!!
お忙しい中ありがとうございました!
フライト1日目。
フライト前のギリギリまで実験装置やカメラの最終調整をしました。
今日は佐藤くんが搭乗します。彼は初無重力体験です!
ここから佐藤くんに日記をバトンタッチします!
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今日は自分が飛行機に乗って実験を行います。
システムは全て動くのか、現象を捉えることは出来るのか。実験手順を何度も確認して備えます。大丈夫、昨日の夕食は僕の好物「カキフライ」を山ほど食べた!
離陸後あっという間に実験エリアに到着。2Gが「ウッ」と来たあと、「スッ」と無重力にうつります。そのあとは20秒から30秒、あらゆるものが浮く。浮く!浮く!!!カメラもペンもコードも体も全てが浮きます。水の浮力とは全然違いました。2G→0G→2Gの繰り返しに興奮していたのは最初の数回(笑)だんだん意識がもうろうとしてきました。
着陸後、チームメンバーの顔を見てめちゃめちゃ安心しました。(笑)
実験自体は、液体が予想していた動きをせず半端な結果となってしまいましたが、手順を変更したものを試すこともできました。
この結果を生かして二日目に備えます。
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佐藤くんが無重力と格闘しているちょうどその頃、南くんと名倉は地上で装置内の結露と格闘していました。
飛行機に装置を入れたり出したりしていると、どうしても気温差で結露してしまうのです。
この結露を拭き取らないと、撮影する際に曇って見えてしまいます。
飛行機が着陸して佐藤くんがニコニコしながら降りてきました!
「宇宙に行くのが夢だったんです」と言っていた佐藤くん。
今回行ったのは宇宙ではないけど、宇宙空間を体験できてよかったね☆
実験の結果は、失敗というと語弊がありますが、思っていたような結果が得られませんでした。大ピンチです。
でも佐藤くんがフライト中に様々なことを試みてくれたおかげで、どこを改善したら良いのかがわかりました!
散々悩んだ挙げ句、装置を大幅に改良することにしました。
この日は夜まで作業して帰りました。
また、フライト中に装置撮影用のカメラに不具合が生じたため、ホテルにカメラを持って帰り不具合を検証することになりました。
再びの(半)徹夜コースですね!
フライト2日目。
今日の搭乗者は名倉です。
私は今回が2回目のフライトでしたが、今回は微小重力状態中に作業しなければならないため、結構緊張していました。
みんなに見送られ、空へ。
微小重力状態を作り出すには、機首を約45°上げて上昇した後、放物線飛行をします。
その45°傾いているときがこちらです。
と言いたいところですが、これは私自身が45°傾いて撮った写真です!笑
微小重力状態中はシリンジを押して実験装置に水分を供給しなければなりませんでした。
体が空中に浮いている状態でほんの少しずつシリンジを押すことは思っていた以上に難しく大変でした。
モニターを見ながらシリンジを押していましたが、いまいち実験が成功しているかわからず、また思うような結果が得られていないのではないかと不安な気持ちでいっぱいでした。
飛行機が着陸し、名倉は前回同様全く酔うこともなく帰還しました!
早速撮影した動画を見てみたところ…
実験は成功していました!
動画を見たときは本当に安心しました!
この日の夜は全チームとDASの方々とで打ち上げがありました。
DASのこと、大阪の話(名倉は大阪育ちなので)、彼氏彼女のメール事情などなど、たくさん面白いお話ができとても楽しかったです!
その後は熱唱して帰りました!本当に楽しくて、もっとワイワイやっていたかったです。
4日間、共同実験者のみんなは4ヵ月間、本当に本当にお世話になりました。
こうして無事に実験を終え卒論を書くことができたのは、この実験に関わってくださり支えてくださった皆さんのおかげです。
ありがとうございました。
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