第10回 航空機による学生無重力実験コンテスト
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「泡花の成長」
お茶の水女子大学 理学部
漆原 紅
本大学の森義仁先生からこちらのコンテストを紹介していただいたのが応募したきっかけでした。それ以前から森先生と化学科の学生で小学生に科学のおもしろさを伝える環境科学倶楽部というサークル活動をしていました。無重力下でどのような実験をすれば、地上との違いが見られるかと考えた時、このサークル活動で知った洗剤水にドライアイスを加えてカエルの卵のような泡を発生させるという実験を思い出し、泡は面白いテーマだということになりました。
泡についてはドライアイスが機内持ち込み不可なので、当初はレモン汁と重層を用いて発生させることを考えていました。しかし、レモン汁と重層をどのように接触させるかなど、いろいろな問題点があることに気付き、結局砂糖を含む洗剤水と空気が多孔質プラスチック通過して発生する泡を採用しました。これ以外にも、洗剤水をためておく方法や泡の回収方法、泡の組成など検討することはいくつもあり、問題点が浮上するたびに先生から助言をいただき、メンバーみんなで協力して解決してきました。
また、装置はこの実験のために一から作製しました。化学科ということで装置を作製したり、配線を組んだりしたことがなく、初めての経験でした。配線など難しいのだろうと思い込んでいましたが、高校物理程度の知識でも同時スイッチの回路を組むことができると分かりました。
私たちのチームは3年生3名と1年生1名の4人チームですが、全員集まって作業する時間がなかなか取れず、3年生は実験方法について1年生は装置についてと役割を分担して、週に1回くらいお昼に集まって、情報共有をしました。現地での実験でも役割を決めていたので、スムーズに実験、解析を進めることができました。
研究室では1人1つのテーマについて取り組み、数人で1つのテーマを実験することはないと思いますが、この無重力実験は4人がいなければ成し遂げることはできず、チームで参加したことに意義があると思いました。
最後になりましたが、私たちの実験を支えてくださった(独)宇宙航空研究開発機構、(財)日本宇宙フォーラム、ダイアモンドエアサービス(株)の皆様、支援教員としてご指導くださった本大学の森義仁先生、芸術面でご指導くださった筑波大学教授逢坂卓郎先生に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
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