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NASAステータスレポート | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
PLPC : Post Landing Press Conference(着陸後の記者会見) |
ミッションステータスブリーフィング概要
主題 | : | 2回目EVAの結果について |
日時 | : | 12月3日 9:00〜9:20amCST(12月4日0:00〜0:20am日本時間) |
場所 | : | ジョンソン宇宙センター Bldg2 |
出席者 | : | Lee Briscoe, Mission Operations Representative Cliff Hess, AERCam SPRINT Project Manger Mike Hess, STS-87 Lead EVA Officer Greg Harbough, Acting Manager, EVA Projects Office |
概要:
ブリスコー氏:
長い夜であったが、十分にその甲斐はあった。2回目のEVAはビデオ誘導センサ実験、SPRINT(自律型船外ロボットカメラ)も含め成功であった。RMS(remote
manipulator system)は着陸に向けて収納され、残りのミッション期間で微小重力実験をまとめあげる。着陸時のケネディー宇宙センターの天候は問題ない様子。
C.ヘス氏:
SPRINTチームは今回の結果に大変満足している。関係者に感謝する。このプロジェクトはfaster/better/cheaperの良い例であったと思う。クルーからはシミュレーションどうりの、大変安定したパフォーマンスをみせたこと、映像もブレの少ないわかりやすいものであったとのコメントが得られた。プロペラント(推進薬)は搭載量の95%使ったが、これはリンゼイ パイロットが様々な方向に動かし、多様な映像を送ってくれた割にはよい消費量であったと思う。電源onからoffまで1時間16分あり、バッテリは8%消費した。プロペラントの搭載量は今回のミッションにあわせてあるので、(プロペラントの搭載量次第では)より長時間の飛行も可能である。オービタの全長の半分が映ったので、ペイロードベイより40フィートの高さまで飛行したことが判った。ISS(International
Space Station)での使用に向けた改良点として考えられるのは:クルーの負担を軽減するために自動飛行型にすること、映像を識別するソフトウェアを搭載すること、用途によっては各種センサを搭載すること、EVAクルーなしで放出・回収を可能にすること、等。今回はシステムを複雑にしないためにEVAクルーにより放出・回収されたが、飛行の最後にスコットMSの手に戻ったとき、非常に正確に、安定した姿勢で戻ったことを確認した。GAS(Get
Away Special)の容器から放出・回収することも可能であろう。SPRINTのパフォーマンスには大変満足しており、今後の開発が楽しみである。
M.ヘス氏:
1回目のEVAはおよそ半分の時間がスパルタン衛星の回収にあてられ、残りの時間で大型ORU(Orbital
Replacement Unit:軌道上交換ユニット)を扱ったEVAしか行うことができなかったが、今回のEVAで全てのデータが揃った。大型ORUを扱った1回目のEVAから得られたデータを解析した結果、2回目のEVAに新たに加わった手順があったが、これも成功した。クレーンのセットアップ後、小型ORU(ケーブルキャディ)を4つの方法でクレーンの先端に取り付けた。上からまっすぐに降ろす方法、左右順番にラッチする方法、手前・奥と順番にラッチする方法、さらにミニワークステーションの支えを利用して、垂直に立てたクレーングリッドにORUを押しつける方法を試みた結果、どの方法もうまくいった。スコットMSはさらにクレーンの先端にORUを取り付けた状態でボルトの開け閉めも行い、このような作業が可能であることを立証した。その後スプリントの飛行試験を行ったが、ヘス氏が説明したとおり、これも成功した。4時間59分にわたる今回のEVAで大変貴重なデータを得ることができ、ISS組立の際のリスクを最小限にすることができた。地上側とクルー双方にとってEVA経験のさらなる蓄積もできた。
ハーボー氏:
EVAは成功であった。結果に大変満足している。スコット・土井両MSの仕事ぶりも見事であった。DTO飛行試験プログラムはこれで完了した。来年夏から始まるISSの組立及び保守に向けて十分な準備ができたものと考えている。これを可能にしてくれたシャトルプログラム関係者に感謝する。今回のEVAは予定外のものであったが、これを行ったことで初期の目的を完全に果たすことができた。シャトルの飛行中にEVAを追加することの難しさは十分承知している。多くの関係者とシャトルクルー全員の努力で今回のEVAが実現された。短時間でこれだけのことが実現できるのはNASAの積極的な取り組みの良い例であり、誇りに思う。EVA関係者としてはSPRINTは様々なアプリケーションが考えられるので、今後の開発が楽しみである。
記者とのQ&A(主なもの):
Q:SPRINTの飛行経路は?
A:飛行の前半はペイロードベイ内、aft windowの視界の範囲内で飛行し、後半はoverhead
windowから見える範囲で高度約40フィート、左右約20フィートまで飛行した。
Q:今回もクレーンはかなりしなっていたようだが?
A:インチ単位の正確な操作を要するようなクレーンではなく、クレーンの先端側にいるクルーにより位置の微調整がきくようなコンプライアンスを持ったクレーンでなければならない。その意味ではこの程度のコンプライアンスは問題ない。今回のEVAで小型ORU取り付け時の問題はなかったが、ここで学んだことをより大型のものを扱うときの問題点の洗い出しに応用し、また、ORUの取っ手の位置の見直しにも役立てる。小型ORUではうまくいくことがわかったので、大型ORUにも応用できるよう、今後様々な分析が必要である。
Q:はじめてのEVAとなった土井MSの評価は?
A:衛星のマニュアル回収のような難しいタスクも土井MSは見事にこなした。また、二人とも2回目のEVAではさらに技術が向上した様子。彼らを誇りに思う。
Q:SPRINTから得られる映像はどのような点で役に立つのか?
A:SPRINTからはすばらしい映像が得られた。ペイロードベイやRMSのカメラでは映せない、またEVAクルーも行けないようなところからの映像が見られた。ISS時代には重宝されるだろう。
Q:SPRINTはいつ実用化されるか?
A:今回の飛行試験の結果から次世代SPRINTのコンセプトを検討するので、まだわからない。
Q:MIRから飛行するInspectorとの違いは?
A:Inspectorは宇宙船からかなり離れた距離で飛行する。また、太陽電池を使っているため長時間も可能。
Q:なぜ今回大型ORUを使わなかったのか?
A:2回のEVAの結果を総合すれば、何が可能であり、何が改良を必要とするのかかわると考えている。大型ORUを今回使うには時間が足りなかった。必要なデータは揃ったので、あとは解析するのみ。今回試した4つのテクニックはいずれも可能であることが判った。様々な大きさのORUを扱うためのテクニックが今後いくつか開発されるであろう。
Q:小型ORUの大きさは?
A:直径約18インチ。アルミ製。
以上
Last Updated : 1997.12. 4
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