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国際宇宙ステーションの組立フライト 12A.1(STS-116)

ミッション結果の要約

最終更新日:2006年12月27日

実施状況および結果

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第4回船外活動(P6トラスの左舷側のSAWの収納を支援するカービーム宇宙飛行士)

STS-116ミッションでは、国際宇宙ステーション(ISS)のP4トラスの先端へ、新たにP5トラスを取り付けました。STS-120ミッションでこのP5トラスの先にP6トラスが移設される予定です。

そしてP6トラスの移設に向け、P6トラスの左舷側の太陽電池パドル(Solar Array Wing: SAW)を収納しました。当初、飛行5日目にSAWの収納は完了する予定でしたが、途中までしか収納できなかったため、収納を完了するために4回目の船外活動がミッションに追加されました。これにより、ミッション期間は1日延長されました。

第2回、第3回船外活動では、ISSの電力系統の配線接続を変更しました。これにより、今後予定されている宇宙航空研究開発機構(JAXA)と欧州宇宙機関(ESA)の実験棟の結合に向けた準備が整いました。

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STS-116ミッション後のISS

ISSはこれまで、P6トラスのSAWから供給される電力のみで運用されていましたが、電力系統の切替えにより、STS-115ミッションで取り付けられたP4トラスのSAWからの電力を、ISSに供給できるようになりました。また、飛行5日目にP3トラスの太陽電池パドル回転機構(Solar Alpha Rotary Joint: SARJ)が起動され、P4トラスのSAWが太陽を追尾できるようになり、より効率良く発電できるようになりました。

その他に、ISS長期滞在クルーの交替が行われました。STS-107ミッションでのスペースシャトル「コロンビア号」事故(2003年2月)以来、長期滞在クルーの交替は、ロシアのソユーズ宇宙船により行われてきましたが、4年振りにスペースシャトルにより行われました。また、ISSから分離後に、宇宙実験プログラムで使用する小型衛星3組が放出されました。

ミッション概要

打上げと帰還

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ディスカバリー号の打上げ

打上げ日時 2006年12月9日午後8時47分(米国東部標準時間)
2006年12月10日午前10時47分(日本時間)
着陸日時 2006年12月22日午後5時32分(米国東部標準時間)
2006年12月23日午前7時32分(日本時間)
詳細(全て米国東部標準時間)
  • 主脚接地時刻:12月22日午後5時32分00秒
  • 前輪接地時刻:12月22日午後5時32分12秒
  • 完全停止時刻:12月22日午後5時32分52秒
飛行時間(*) 12日20時間44分

打上げの詳細はステータスレポート#01を、着陸の詳細はステータスレポート#27をご覧ください。
*打上げ/帰還時刻の秒時の処理により、飛行時間が打上げ/帰還時刻の差と異なります。

スペースシャトル「ディスカバリー号」の打上げは、当初、米国東部標準時間12月7日午後9時35分(日本時間12月8日午前11時35分)に予定されていましたが、NASAケネディ宇宙センター(KSC)周辺の射点上空の天候不良のため、12月9日午後8時47分(同12月10日午前10時47分)に延期されました。今回の打上げは、STS-113ミッション(2002年11月)以来の夜間打上げでした。

ディスカバリー号の帰還は、当初、12月22日午後3時56分(同12月23日午前5時56分)に予定されていましたが、KSCの天候不良のため、いったん着陸は見送られました。しかし、その後天候が回復したため、ディスカバリー号が地球を1周した後の機会で着陸を実施しました。

ISSへのドッキングと分離

ドッキング日時 2006年12月11日午後4時12分(米国中部標準時間)
2006年12月12日午前7時12分(日本時間)
分離日時 2006年12月19日午後4時10分(米国中部標準時間)
2006年12月20日午前7時10分(日本時間)
結合時間 7日23時間58分

ドッキングの詳細はステータスレポート#05を、分離の詳細はステータスレポート#21をご覧ください。

船外活動

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第1回船外活動を行うカービーム、フューゲルサング両宇宙飛行士

今回のミッションでは4回の船外活動(計25時間45分)が行われました。ISS組立てとしては、ISSから実施したものを含め、通算77回、計469時間59分の船外活動を実施したことになります。(参考:ISS建設のための船外活動

STS-116ミッションでは、当初3回の船外活動のみが予定されていましたが、P6トラスの左舷側のSAWの収納を完了させるために、ミッション期間を1日延長し、第4回船外活動が実施されました。

ロバート・カービーム宇宙飛行士は、4回すべての船外活動を担当し、1回のスペースシャトル・ミッション中にひとりの宇宙飛行士が行った船外活動回数の記録を打ち立てました。

第1回船外活動(飛行4日目)
開始日時 2006年12月12日午後2時31分(米国中部標準時間)
2006年12月13日午前5時31分(日本時間)
終了日時 2006年12月12日午後9時07分(米国中部標準時間)
2006年12月13日午後0時07分(日本時間)
作業時間 6時間36分
作業者 ロバート・カービーム、クリスター・フューゲルサング両宇宙飛行士
主要作業内容
  • P5トラスの取付け
  • 外部TVカメラ(External TV Camera Group: ETVCG)の交換

詳細はステータスレポート#07をご覧ください。

第2回船外活動(飛行6日目)
開始日時 2006年12月14日午後1時41分(米国中部標準時間)
2006年12月15日午前4時41分(日本時間)
終了日時 2006年12月14日午後6時41分(米国中部標準時間)
2006年12月15日午前9時41分(日本時間)
作業時間 5時間00分
作業者 ロバート・カービーム、クリスター・フューゲルサング両宇宙飛行士
主要作業内容
  • 電力系統の切替え
  • CETA(Crew and Equipment Translation Aid)カートの移設

詳細はステータスレポート#11をご覧ください。

第3回船外活動(飛行8日目)
開始日時 2006年12月16日午後1時25分(米国中部標準時間)
2006年12月17日午前4時25分(日本時間)
終了日時 2006年12月16日午後8時56分(米国中部標準時間)
2006年12月17日午前11時56分(日本時間)
作業時間 7時間31分
作業者 ロバート・カービーム、サニータ・ウィリアムズ両宇宙飛行士
主要作業内容
  • 電力系統の切替え
  • サービスモジュール・デブリ・パネル(Service Module Debris Panel: SMDP)の仮設置
  • 調整可能な把持部(Adjustable Grapple Bar: AGB)の取付け
  • P6トラスの左舷側のSAWの収納

詳細はステータスレポート#15をご覧ください。

第4回船外活動(飛行10日目)
開始日時 2006年12月18日午後1時00分(米国中部標準時間)
2006年12月19日午前4時00分(日本時間)
終了日時 2006年12月18日午後7時38分(米国中部標準時間)
2006年12月19日午前10時38分(日本時間)
作業時間 6時間38分
作業者 ロバート・カービーム、クリスター・フューゲルサング両宇宙飛行士
主要作業内容
  • P6トラスの左舷側のSAWの収納

詳細はステータスレポート#19をご覧ください。

船内活動

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カナダアーム2を操作するジョアン・ヒギンボサム宇宙飛行士

  • スペースシャトルのロボットアーム(SRMS)と「カナダアーム2」(ISSのロボットアーム)の運用。
  • カナダアーム2による船外活動の支援。
  • ディスカバリー号から物資や機器をISSへ移送。また、ISSの不要品等をディスカバリー号へ移送。
  • テレビ局、通信社とのインタビューなどの広報活動。

熱防護システム(TPS)検査

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ランデブ・ピッチ・マヌーバ中のディスカバリー号

飛行2日目、SRMSとセンサ付き検査用延長ブーム(Orbiter Boom Sensor System: OBSS)を使用した機体の熱防護システム(Thermal Protection System: TPS)の検査が実施されました。

飛行3日目、ISSにドッキングする直前には、ISSからTPSの状態を撮影するためランデブ・ピッチ・マヌーバ(縦方向に360度回転)が実施されました。また、飛行2日目のクルー就寝中に衝突センサが左翼先端の微弱な振動を感知していたため、ドッキング後にカナダアーム2を使用した左翼先端の検査が実施されました。

ISSから分離した後には、軌道上でのデブリや微小隕石による損傷がないか、SRMSとOBSSを使用した機体のTPSの検査が実施されました。

各検査で取得されたデータは、検査後すぐに地上に送信されました。送信されたデータは、地上の技術者らにより解析され、機体に問題ないことが確認されました。

主な不具合など

P6トラスの左舷側の太陽電池パドルの収納

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第4回船外活動(P6トラスの左舷側のSAWの収納を支援するカービーム宇宙飛行士)

飛行5日目、P6トラスの左舷側のSAW収納作業が実施されましたが、ガイドワイヤがステンレス製のグロメット(ガイドワイヤを通している穴)に引っかかり、半分ほどしかSAWを収納できませんでした。

飛行7日目、この不具合を解決するために、ベータ・ジンバル・アセンブリ(Beta Gimbal Assembly: BGA)を利用してSAWを小刻みに揺らす方法や、クルーに筋力トレーニング用の運動機器を使わせて振動をSAWに伝え揺らす方法、そしてSAWの展開や収納を繰り返す方法を行いましたが、効果はありませんでした。

飛行8日目に実施された第3回船外活動の終わりに、カービーム、ウィリアムズ両宇宙飛行士が太陽電池ブランケット収納箱(Solar Array Blanket Box: SABB)を持ってSAWを揺らしたことにより、およそ3分の2までSAWを収納することができました。

SAWの収納をミッション中に完了させるために、4回目の船外活動が追加されました。飛行10日目に実施された第4回船外活動で、カービーム、フューゲルサング両宇宙飛行士が、SAWを揺らしたり、太陽電池パネルをつなぐ折り畳み部を、特別に用意した道具を使用して折り畳めるようにするなど、収納を支援することにより、SAWの収納を完了させることができました。

(写真は全てNASA提供)

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