ミッション内容
最終更新日:2006年12月1日
STS-116ミッションは、スペースシャトル「ディスカバリー号」によるNASAのスペースシャトルミッションであり、国際宇宙ステーション(ISS)組立てのフライト名では12A.1フライトと呼ばれています。
ミッション中の実施作業は、主に以下の通りです。
P5トラスの取付け
P4トラスとP6トラス間のスペースを確保するためのP5トラスが、P4トラスの先端に取り付けられます。これによりP6トラスの移設準備が整います。
電力系統の切換
ISSはこれまで、P6トラスの太陽電池パドル(Solar Array Wing: SAW)からの電力供給のみで、電力をまかなっていました。また、P6トラスはSTS-120ミッションでP5トラスの先へ移設される予定であるため、電力供給用の配線も、暫定的に敷設した配線を利用していました。
電力系統の切替えは、ISSの4つの電力系統を2回に分けて2系統ずつ地上からコマンドで停止させて、その間(約2時間)に船外活動と船内活動により配線の切替えを実施するという大がかりな作業です。
この電力系統の切替えにより、前回のSTS-115ミッションで設置したP4トラスのSAWからの電力を、ISSへ供給できるようになります。そして、P4トラスのSAWから電力を供給することにより、P6トラスの移設に向けて、P6トラスの左舷側のSAWの収納も行えます。
今回、接続変更される電力系統は、系統の切り替え機能と電力遮断機能を有する4基のメインバス切替ユニット(Main Bus Switching Unit: MBSU)へ接続され、恒久的なものとなります。これにより、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と欧州宇宙機関(ESA)の実験モジュールの結合にも対応できるようになります。
物資の補給
実験装置や交換部品、予備品、食料・衣服などの生活物資をISSへ運びます。
ISS長期滞在クルーの交代
サニータ・ウィリアムズ宇宙飛行士が、第14次長期滞在クルーに加わります。そして、STS-121ミッション(ULF1.1)でISSに到着し第13次・第14次長期滞在クルーとしてISSに滞在している欧州宇宙機関(ESA)のトーマス・ライター宇宙飛行士が、ディスカバリー号で帰還します。
スペースシャトル熱防護システムの点検
軌道上でのセンサ付き検査用延長ブーム(Orbiter Boom Sensor System: OBSS)を使用した強化炭素複合材(Reinforced Carbon Carbon: RCC)の損傷の有無を検査します。また、ISSからスペースシャトルの熱防護システム(RCCと耐熱タイル)の状況を撮影するために、ISSとのドッキング前にランデブー・ピッチ・マヌーバ(縦方向に360度回転)を行います。
(写真、画像は全てNASA提供)