飛行11日目
第4回船外活動の様子
国際宇宙ステーション(ISS)では、第4回船外活動や、水再生システム(Water Recovery System: WRS)の尿処理装置(Urine Processor Assembly: UPA)が停止した問題の原因究明作業などが引き続き行われました。
第4回船外活動は、米国中部標準時間11月24日午後0時24分(日本時間11月25日午前3時24分)から6時間07分にわたり実施され、右舷側太陽電池パドル回転機構(Solar Alpha Rotary Joint: SARJ)のクリーニングと潤滑作業、およびトランドル・ベアリング(Trundle Bearing Assembly: TBA)の交換作業、また左舷側SARJの潤滑作業が行われました。SARJに関する作業は終了し、明日、確認の試験が行われる予定です。
また、飛行8日目に行った「きぼう」日本実験棟船内実験室の船外実験プラットフォーム結合機構(Exposed Facility Berthing Mechanism: EFBM)の点検時に、船外実験プラットフォームを構造的に結合するための伸展ボルト4本のうち、1本が収納されなかったため、今回の船外活動で、手動で収納を行いました。その後、点検のために取り外されていた多層断熱材(MLI)カバーをEFBMに取り付けました。
第4回船外活動ではそのほか、P1トラスの下部への外部TVカメラ(External TV Camera Group: ETVCG)の設置や、船内保管室外壁への宇宙ステーション補給機(H-II Transfer Vehicle: HTV)近傍通信システム(Proximity Communication System: PROX)用GPSアンテナ1基の設置作業が行われました。
GPSアンテナは当初2基の設置予定でしたが、船外活動作業時間の制約のため、もう1基の取付けは中止されました。今後の対応については、JAXA内で検討中です。
水再生システム(WRS)の不具合について
船内では、水再生システム(WRS)の構成要素のひとつである尿処理装置(UPA)が停止した問題について、引き続き原因究明作業が行われています。
UPAは、飛行8日目に起動されましたが、UPA内の蒸留装置のモータ速度の低下が感知され、停止しました。
NASAの技術者は、UPAの遠心分離器の揺れがUPA内で物理的に干渉し、電流の増加と温度上昇を引き起こすためと考え、飛行10日目には、UPAから防震用のパッキンが外され、UPAはWRSラックに直接固定されました。現在も、UPAに廃水を挿入して、試験が行われています。
また、WRSの水質を検査するための有機炭素分析器(Total Organic Carbon Analyzer: TOCA II)は、最初のサンプルの解析を実施した際、停止しました。現在、動作試験など原因究明作業が行われています。
WRSとTOCA IIの問題に対処するため、NASAは、ミッション期間を1日延長することを決定しました。
- 飛行11日目ハイライト(第4回船外活動)
- 飛行11日目のハイライトをご覧いただけます。
- STS-126 NASAステータスレポート#20
- STS-126 NASAステータスレポート#21
- NASA発行のレポートの仮訳です。
- 第4回船外活動
- 「レオナルド」(多目的補給モジュール1)