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第7回 航空機による学生無重力実験コンテスト
※表の をクリックすると、対応する内容が下に表示されます。
「微小重力下における超音波による水の霧化に必要な周波数」
北海道大学工学部1年
櫻田 健太
私が本コンテストに応募したきっかけは、「無重力の科学」という古川義純教授の講義を受講したことでした。私がこの講義を受講したのは、ただ単に無重力という現象に興味があり、その上、もしうまくいけば自分が考えた実験を行う機会を得られることに惹かれたためです。15回程の講義の前半で無重力について様々な方の御話を聞き、ある程度の知識は得たのですが最初の方は良いテーマが全然浮かばず、これでは採択は夢のまた夢だろうと自分の発想力のなさに嫌気が差していました。提案書にまとめる段階になってもまだ良いテーマが浮かばなかったので、しょうがなく最初の方から頭の片隅にあったものを提案書にまとめ、出すことにしました。このテーマでは採択されるのは厳しいだろうと思い忘れかけていた頃に一通のメールが届きました。採択されなかった人にもメールを送っているのだろうかと思い、メールの内容を見てみるとなんと私の実験が採択されるというものでした。採択が分かった時の気持ちは、喜び半分不安半分でした。自分のテーマで実験が出来るのは嬉しかったのですが、しっかり実験が成り立つか心配で実際に実験に向けた行動を起こすまではずっと複雑な気持ちでした。しかし、実際行動を起こしてみると楽しくなってきて不安な気持ちはいつしかほとんどなくなっていました。
採択されてからまずしたことは、実験装置など今のままで良いかなど内容の改良でした、その後実験装置作りを始めましたが、これはかなり苦労した作業でもあり、非常に学ぶところが多かった作業でもあります。今まではんだ付けすらしたことがなく本当に実験装置なんて作れるのかという状態でしたが、先生方や低温科学研究所の方々のご指導・ご協力もあり時間はかかりましたが特に問題なく実験装置を作ることが出来ました。特に、自分たちでは作ることができない物を作っていただいたときには、実験を行うには多くの人の協力が必要なことを直に感じました。装置完成後、地上での試験を繰り返して問題点などを探し、それに対する対策などをしていきました。しかし、いくら地上で考えて対策をしても無重量でその対策が上手くいくかわからなく、また、無重力では考えてもみなかった問題が発生する可能性もあり、装置を発送した後も不安が残りました。
名古屋に着き装置組み込みなども特に問題なくスムーズに終わりました。そして実験当日、フライトから帰ってきたメンバーの「上手くいった」という言葉で肩の荷が下りました。今までやってきた努力が報われ、不安に思っていたことも何も起こらず言葉では言い表し難い気持ちになりました。そして次の日の実験も上手くいき、無事に実験が終了しました。コンテストを通して多くのことを学べ、提案書を考えている段階では想像もできなかった充実感も得られ非常に有意義なコンテストになりました。これも私のような代表についてきてくれ、多くのアドバイスをくれたメンバーと、お忙しい中親身になってご指導・ご協力いただいた古川義純教授、佐崎元准教授、装置作りでお力添えいただいた低温科学研究所の技術部の方々のおかげです。本当にありがとうございました。
「第7回航空機による学生無重力実験コンテスト」という形で航空機による無重力実験という大変貴重な経験をさせていただいたことに、(独)宇宙航空研究開発機構様、(財)日本宇宙フォーラム様、(株)ダイヤモンドエアサービス様、その他今回の実験に関わった関係者の方々には深く感謝の意を申し上げます。
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