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第7回 航空機による学生無重力実験コンテスト
※表の をクリックすると、対応する内容が下に表示されます。
「結露の表面伝播」
お茶の水女子大学理学部化学科4年
藤田 彩
コンテストに通ったという吉報を聞いたとき、「無重力を体感できる!」という喜びと「本格的に装置を考えなくては!」という焦りが胸をよぎりました。航空機内という特殊環境では地上と同じ装置では上手くいかないと判ったのが11月末。企画書提出日やIF確認会が大学の卒論発表日の翌日の2月半ばという怒号のスケジュールでした。
取り敢えず鏡を冷やすものは氷ではなくペルチェ素子にしよう。そう決めてから試行錯誤の日々が始まりました。市販されているペルチェ素子の温度コントローラーは目標温度に到達するのに5分以上かかるからです。無重力である20秒以内に急冷できるよう、プログラムを書き換えてみたり電流量を調整したり・・・と普段全くやった事のない作業を必死に行いました。ようやく様々な実験条件を決定して、仮装置を組み立てたのが2月半ば。急いで卒論を書いて部品を業者に注文し、本装置の組み立てに入りました。
ところがここでトラブルが発生。3月の頭になって使用する予定だった幾つかの部品がメーカー欠品であることがわかったのです。急遽装置に大幅な変更を加え、代理できる部品を探して走り回りました。秋葉原と大学を往復する毎日。無事装置が完成したのは名古屋出立日の前日の夜10時でした。
当然装置をばらす時間すらなかったので、強行手段として装置(およそ30kg前後)をそのままかついで名古屋入りしました。必死な顔の私たちと謎の大きな装置を見て自然と避ける名古屋駅の人々。無事DASの中に装置を運び入れることが出来た瞬間、安心感と膝の限界から座り込んでしまいました。
直前まで粘って作った甲斐あってか、装置は特にトラブルもなく順調に動いてくれました。飛行機に乗って小さくなる名古屋の街を見たとき、これからいよいよ無重力を体験するんだという緊張感と、ようやっとここまでこれたという達成感とで胸が一杯になりました。
初めて体感する無重力は感動でした!まるでクラゲになったように空中を漂うのはとても気持ちがよかったです。測定データもしっかり得ることが出来て大満足でした。
このような機会を与えてくださった(独)宇宙航空研究開発機構の皆様、学生無重力実験全般のお世話をして下さった(財)日本宇宙フォーラムの木暮様、実験のお世話をしてくださったダイヤモンドエアサービス(株)の皆様に感謝いたします。本当に有難うございました。
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